庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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核密約はキレイごとの看板で国民をだましたが鳩山政権は?

2010-03-10 | 核エネルギー・原子力問題
日本の表看板であった「非核3原則」は、曖昧なままの問題を嘘と惰性で続けてきたまやかしの看板であった。
核兵器のもたらす恐怖と不安を、少しでも改善するために「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」とした、美しい心構えを世界に向けて表明したので、これを明言した当時の佐藤栄作首相は、「その栄誉をたたえる」意味で、ノーベル平和賞を受賞している。

今、「持ち込ませず」は日米の当時の関係からして、アメリカ側艦船の寄港時に、核兵器を積んでいても持ち込むには当たらない、と言う、都合の良い解釈を押し付けられたということが、判明した。
歴代の首相や外務省は、「冷戦時」のことだとして、その虚構をそのままとして密約として処理した。
しかし、冷戦も終了し、世界は核兵器の削減時代に入ったと言うのに、引きついた政権の首相は、
この曖昧な嘘を放置して、自分は知らなかったとでもいう様な無責任を決め込んでいる。
この事実を公表して、ノーベル平和賞は辞退して返上すると言うのが筋であろう。

今後も、日本は「非核3原則」を世界に先頭で堅持していくと、鳩山政権は公約している。
一方、核兵器の廃絶に向けての動きを、アメリカのオバマ政権は力を入れているが、日本のできることは何であろうか?
それは、世界に核兵器が拡散する事態を極力、防ぐことに協力をしていくことである。

前にも書いた様に、原子力発電所を持てば、容易に核兵器の開発が出来てしまう。
イランや北朝鮮がその意志を持って、核技術を自国のものにしたいと、画策していることは公然のことになっている。
隠れた核兵器保有国のイスラエルも、初めは原子力発電の技術を平和目的に限定して利用することで、世界の目をごまかしてきた。

その危険と隣り合わせになる「原子力発電」を促進しようと言う動きが、「環境先進立国」を目標とする新政権の政策に取り入れられる動きが本格化している。
表向きは、「CO2排出削減、化石燃料依存からの離脱」と言う、きれいごとの看板であるが、本音は「既存の原子力産業界の生き残り策」に加担する、旧原子力族の一部が、主張しているにすぎない。

しかし、鳩山政権は表向きはキレイごと、本音は旧体質の温存のままという、「核密約疑惑」の様相をそのまま、踏襲しようとしている。
核兵器拡散への疑念や、前に書いた様に、「高レベル放射性廃棄物」の処理方法と処分地の難題が、未可決のままであることを、隠そうとしている。
聞こえの良いことばかりを国民に説明して、都合の悪いことは隠したり、問題でない様に嘘で言い逃れたりする体質は、「当時の佐藤栄作政権」と同じであることに気付くべきである。

原子力発電を促進する政策を採るならば、鳩山政権は「環境先進立国」と「核兵器のない平和な世界をつくる」というキレイごとの看板を、即刻下ろすべきである。