まさお
2021-05-17 | 無題
ある朝
いつものように身支度をして
オットが仕事に行き
わたしもあとひといき分の家事で
仕事に出かけられそうだと
思っていた。
最後の家事は
ふたつの鳥かごを2階の
それぞれの窓ぎわに持っていくことだった。
最初にメロンオレンジ色のぴーちゃんを
和室に連れていき
さぁ 碧い羽のまさおを
洋室の出窓にと
鳥かごを持ち上げて
まさおが
死んでいることにきがついた。
声をあげることも
なかったように思う。
名前を呼んで
少し待ってはみたが
たしかに息はなく
まさおをこれからしばらく守ってくれそうな
タオルにくるんで
仕事にでかけた。
夕方
まだ明るさが残るうちに帰って
庭の薔薇の下に埋めた。
今日は
ようやく
まさおが生きていた証しに
石に戒名を書いた。
戒名はオットが考えた。
まさおを真生とし
碧い空に還っていった真生は
鳥でありながら
仏様の弟子になりました
の意。
→ まさおは わたしの こころの友だったんです。