Something-New

710は私の好きな数字。
西海岸をDATSUN710で走った記憶・・・
その道は今も続いている。

無題

2010-07-14 | 箪笥
どうしてもタイトルが思いつきません。
箪笥の中から帯や着物を出して
手にとって ながめているだけなのですが。

『菊花稚貝』
お祝い・・・
それも とてもおめでたい席に締める帯です。
よく見ると 菊や貝だけでなく
七宝や亀甲の柄も隠されていて
よくもこれほどの図案を考えたものだと思うのです。



この頃 考えます。
この1年間の春夏秋冬。
実に真剣に着物について学び 買い 着たものだと。
そして それはいったいなぜなのだろうかと。



仕事で今のポジションに就いてから
本当にたくさんの事があったな。
夫や父の闘病もあった。
木を倒し 枝を落とし この頃は土を耕している。
たくさんの人がいたな。
その あれこれは 健気で 辛抱強く 
ある時には 暴力的で 宿命的。
昨日は まだ具合が悪いのに出勤して どうするのかと見ていたら
子どもから元気をもらっちゃった!と笑顔で帰った若い人がいて
そうかと思うと 少しでも余分に仕事をすることは 
なにか人生において問題があるのだろうか と 思う人が いる。
そういう小さいひとつひとつが 同じ器にあることが
私は 苦手だ。

そういう黒く濁った灰汁のような出来事を
着物は季節の巡りを 一筋の経糸と横糸の連続から生まれる美しい布で
包んでくれる。
ようやく手に入れ 着物の形に縫い上げられて
それで着られるかというと 紐の1本から襦袢に至るまで季節の約束があり
今度こそ!と思うと襟元が微妙に合わなかったり
強い身体が露わになったりする。
「今度こそ」などと思うからなのだが
こういう時間は静かで 空気も透きとおって
私とカメラと撮りたい何かだけの 写真を撮る時間に似ている。

時々だが
その手もお腹も黒い政治家が
大臣交替のおり 毛筆の署名をして
その文字の美しさに出会うと とても意外。
人とは どんなに黒い仕事をしても
胸に一滴の「清」や「高」があれば
黒も白になるのかもしれない。






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2010-07-14 | Say it with Flowers
それは 月曜 の 朝。
孫を送ってきたひとりの祖母が
朝の挨拶に来てくださり
私の手に乗せてくれた 花。
その朝 自宅で咲いたのだそうだ。
この方が育った台湾では この花を摘んで糸に通して
車にさげて その香りを楽しむという事だった。



梅雨空の 月曜日。
亜細亜の 水を感じる朝の空気。
この民族の黒い髪に感じる豊かさは
この水を含んでいるから。


水曜日。
ミント水と 白い花。
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フルーツ ケーキ 1

2010-07-14 | R’s Kitchen
何年振りだろう
フルーツケーキを 焼いています。

今日は 夏休みの1日を早々と取り
何をしようか考えたけれど
今なら あのフルーツケーキを焼くことができそうだ。





だって このケーキは父の大好物で
冬になると時々作っては 届けた。
そうすると父はとても喜んで 母にいく切れかを包ませて
車のちょうどよい場所に入れて 夜中の仕事の合間に食べたのだった。
暖かい車のどこかで バターもプラムも口ほどけのよいやわらかさになり
それが又美味しいのだと父は言っていた。





そんなシアワセな時間に限りがあることなんて
ずっとわかっていた。
そして父の肝臓の癌は 母や私の作る父の好物を栄養にして
まるでこの世のものとは思えない色とカタチに増殖していった。
手術によって取り除かれたこの癌細胞と肝臓を見たとき
自分の戦える相手ではないことは すぐにわかった。
B型肝炎は母子感染だったこと C型も混在していたことも
このときに初めて知った。
何 してたんだ   私。
もっと 何か できたのに。
診察に行くたびに 少しは良くなったと言われることに
小さく強い希望を持っていたのに けっしてあきらめなかったのに
それは 医師が数字を言葉にするたび
可能性が狭くなっていった。


なんで わたしのおとうさん しんじゃったんだろう・・・






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