我想一個人映画美的blog

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ブラック・クランズマン/BLACKKKLANSMAN

2019-03-28 17:52:46 | 劇場&試写★6以上

 

 今年のアカデミー賞作品賞にもノミネートされて大注目作品。

韓国映画「オールド・ボーイハリウッドリメイク版がひどい出来だったスパイク・リー最新作は

1970年代にあった驚きの実話を基に、コロラドスプリングス警察署初の黒人刑事となった

ロン・ストールワースと相棒のユダヤ人刑事が、白人至上主義団体KKKに対して行った潜入捜査を映画化


制作に携わったのは、同じく黒人でゲットアウトが評価されアカデミー賞で脚本賞を受賞したジョーダン・ピール。

 

主演のロン・ストールワースを演じたこの方、観たことない顔だなと思ってたらあのデンゼル・ワシントンの息子だって。(右)

ジョン・デヴィッドワシントン。 いつの間にこんな大きな息子が。しかも俳優。 笑

相棒のユダヤ人警部フリップには、メジャー作品からミニシアター系まで出演作続々、近年大注目のアダム・ドライヴァー。

 

一番疑ってかかるメンバーに、フィンランドの俳優、ヤスペル・ベーコネン。

 

KKKのお偉いさんにトファー・グレイス。

 

ところでこの後ろにいる潜入捜査のミーティングの際にいるめが飛び出たオッサン、

なんかブシェミに似てるな〜でも違うなぁと思って見てたんだけど

ブシェミ(スティーヴ)の弟らしい!ことが判明。 弟いたのね!?しかも役者。笑

 

 

KKKのメンバー加入の広告を見ていきなり電話。

饒舌なロンは黒人やユダヤ人に関する猛烈批判をしたことで電話にでた支部長に気に入られ会うことに。

自身は黒人なのでもちろんバレバレになるため、電話ではロンが、実際に会うのは同僚のフリップ警部が担当することになり

極秘捜査が進められていく。

 

 

6/10

 

 

オープニングからなんとわたしの大好きな「風と共に去りぬ」のモノクロのワンシーンからスタート。

その後も、「風と共に去りぬ」でオスカーをとった黒人俳優のことが劇中に出てきたりと当時から「白人至上主義映画」とも

言われていた(アカデミー賞では作品賞受賞)この映画を遠回しに避難している面も。

(わたしは単純に、女性が逆境にも負けずに生きる逞しさと絡めた一人の女の愛と人生として好きな映画だけど)

 

電話での場合と実際会うときとで別人が、っていう設定が面白いけど

ふつーこんなうまいこといかないよーって思うんだけど フリップの存在自体が映画の脚色らしい 

やっぱりねー、流石に。何もかもうまくいきすぎだし。

(なるほど、それでアカデミー賞で脚色賞受賞なのね)

劇中でも言ってたけど、黒人の方って独特な言い回しや発音があるし、

全然似たような声でもない人が実際に会ったら声違うしその時点でバレバレでしょって思いながら観てたし

だけどすんなり騙されてるKKKの奴ら。

 

そして、KKKの中に一人だけ疑り深い奴がいるからこそ面白いんだけど、

新人として入ってきたのに上の人にやたら気に入られてるし、入るときに色々調べないか普通

ユダヤ人じゃないのか?とズバリ指摘されて嘘発見器にかけられるも、ロンが石を窓にぶつけて逃げ、

(古典的 笑)その後の取り調べはうやむやに。

こんなタイミングで石投げてくるんだから仲間がやったとか思わないとこもすごい。

この辺は映画的にも随分とゆるいなー設定って思えちゃう。

だけど、KKKの団員証がなかなか届かずに自ら電話をかけると最高幹部のカリスマ的男が出て、

早めに手配してくれるというエピソードは本当にあったことらしい。

 

スレスレな感じで潜入捜査は進む中、KKKの大集会が行われる。

そこに、ロンは黒人なのにKKKのその集会で最高幹部の警護をするというそんなん、あり得るんかい!

と突っ込みしまくりです。笑

そんな突っ込み入れたくなりながら面白く観られたので中盤からはOK。

 

エンドロール近くでは、抗議デモ隊と衝突になり死者まで出た、2017年8月の

シャーロッツビルラリーという白人至上主義者の集会の映像とそれに対するトランプ(大統領)の声明も出てきて

今のアメリカの現状が映し出される。

それと本編では「風と共に去りぬ」の他にも、KKKを正義の救世主として描き名作と言われる「國民の創世」という映画の上映がなされ

わいわいと黒人たちを殺していくシーンでKKKの白人たちは盛り上がりを見せる。

 

この後半場面で人種差別的な言論を講じる男を演じているのは、

近年トランプのモノマネでもはや有名になっちゃったアレック・ボールドウィンが。

現在のアメリカのトップになってしまったトランプのアメリカ至上主義、黒人差別だけではなくユダヤをはじめとする、とにかくあらゆる「人種」に対する「差別」が、

それ自体がなくなってくるどころか、よりまた偏見や差別社会を生み出している怖さ。

 

スパイク・リー作品の音楽は相変わらず良い選曲がされている。

興味ある方は「グリーンブック」と対でどうぞ

 

1970年代前半のアメリカ。コロラド州のコロラドスプリングス警察署初の黒人刑事となったロン・ストールワースは、過激な白人至上主義の秘密結社KKKのメンバー募集の新聞広告を見つけるや自ら電話を掛け、支部代表相手にまんまと黒人差別主義者の白人男性と思い込ませることに成功する。そしていざ面接の段になると、ロンは同僚の白人刑事フリップ・ジマーマンに白羽の矢を立てる。こうして黒人のロンと白人のフリップがコンビを組み、前代未聞の潜入捜査が開始されるのだった。

 

 

 

 

 

 

公式サイト

BLACKKKLANSMAN    2018年   アメリカ    128min

3月22日より、公開中〜

 

 

 


シンプル・フェイバー/A SIMPLE FAVOR

2019-03-13 20:04:44 | 劇場&試写★6以上

 

 

 

 アナ・ケンドリック&ブレイク・ライブリー共演であちらで話題になってた本作、やっと日本公開

監督は「ブライズメイズ」「ゴーストバスターズ」(リメイク)「デンジャラス・バディ」などのポール・フェイグ

原作はダーシー・ベルによる人気小説「ささやかな頼み」。

シングルマザーのステファニーは、息子を同じ学校に通わせているファッション業界で働くエミリーと親しくなる。

ある日、エミリーはステファニーに息子を預けたまま失踪。ステファニーは彼女の行方を追いはじめ、、、、

コメディ得意のポールフェイグ監督らしいどこかコメディ調、シリアスになりすぎないミステリー。

 

ブレイク・ライブリーはモデル風の美女、エミリー。

アナケンは世話好きのブロガーママ、ステファニー。

 

「トムフォードが俺に憧れてるんだ」というセリフで笑わす渋いこの男、(デザイナー役)

久々、ルパート・フレンドだった〜。

 

エミリーの夫には、話題作「クレイジー・リッチ!」でデビューのヘンリー・ゴールディング。

 

 

ゴージャスでミステリアスなママと、お人好しで世話好きママという対照的なふたりが

とても友達として合いそうにないのがまたいい感じ。

徐々に仲良くなっていくが、親友となったママ友の失踪で勝手に捜査を始めるステファニーは

果たして何か企んでいるのか、それとも夫が?誰が何の目的で?

 

 

7/10

 

ちょこっとネタバレあり

 

騙し騙され女同士のうちに秘めたしたたかさと承認欲求。

面白かった〜。 劇中2回ほど出でくるエミリーが作るカクテル、作り方の解説ありで飲みたくなっちゃう。

 

本作はもっとコメディかなと思ったら意外にも脚本がしっかりしたミステリー。

原作があるからそりゃそうか、とも思うけど

登場人物は少ないから犯人を探すことは容易なようで結構二転三転するのと、

誰かと誰かがグルである可能性もあるから意外と読めない。

W主演の一人、早々にブレイク・ライブリー死んじゃったよと思ったらやっぱり死んでませーん。という展開。

しかし実は双子でした〜っていうのはあるあるすぎるな〜もう一つ爽快なオチがあっても良かったけど。

 

ステファニーがブログを更新して情報集めたりアクセス増やしたり。ブログってのが古い感じだけど原作だから仕方ないのか 笑

 

先がわかってからは、その目的も別にありきたりだし面白いってほどではないのだけど

それでもわたしはアナケンもブレイク・ライブリーも好きなのでコロコロ変わる展開と二人の共演、

話題作「ドリーム」でも評価された衣装担当、レネー・アーリック・カルファスが本作で用意したという

50着以上の衣装を含め、楽しめちゃいました

 

それにしてもアナケンはいつ見ても何年経っても変わらず可愛らしく若いのはなぜ??笑

これからも応援します

あ、本作でもアナケンのお歌シーンがちょこっとあって運転中にラップ歌ってるのが可愛い

 

 

 公式サイト

A Simple Favor          2018年    アメリカ=カナダ      117min

3月8日より、公開中〜

 

プレミアにて。

アナケン、ブレイクライブリーとの身長差〜

 

ライアン・レイノルズとはいつでもラブラブ

 

 


アリータ バトル・エンジェル/ALITA BATTLE ANGEL

2019-03-03 14:40:16 | 劇場&試写★6以上

 

 

日本の木城ゆきとの伝説的コミック「銃夢」(知らない)をハリウッド実写映画化したSFアクション大作

ジェームズ・キャメロンの名前が先行してるから監督がそうかと思いきや、R.ロドリゲスが監督でした〜

キャメロンは長年「銃夢」のファンで映画化を熱望してきたということで自ら脚本とプロデュース担当。

 

バトルエンジェルってサブタイトルいらないしょって思ってたんけど、ほんとにバトルメインでした 笑

アカデミー賞などもあったから、観てから結構経ってからのレビューになっちゃった

 

アリータ役は全部がCGかと思ったら、ローサ・サラザールというカナダの女優がパフォーマンスキャプチャーで演じる。

確かにベースの顔は似てる。けど、CG感出すためなのか目が大きすぎて

 

サイバー医師、イドにはクリストフ・ヴァルツ。(ヴァルツさん目当て)

タラの「イングロリアス・バスターズ」でブラピを食う演技と評されブレイクして早10年ちょい

すっかりいい感じのおじいちゃんになってきた

 

 

その元妻で謎の女チレンに、ジェニファー・コネリー。

この存在感!相変わらず濃いわ〜

 

恋に落ちちゃうヒューゴには新人、キーアン・ジョンソン。

 

こんなとこにも出た!「ムーンライト」以後、引っ張りだこ、マハーシャラ・アリ!カッコイイ〜

オスカーとった「グリーンブックも公開中

 

ジャッキー・アール・ヘイリー、若返ってるぞ?

このキャラ良かったな。

 

 

5/10

 

 

アクション好きには良いんだろうけど、、、、

前半はまぁ良かったけどだんだんとめちゃめちゃ長く感じた〜話はふつう。

バトルシーンって結構そもそもあまり興味ないから致命的か しかも主演のアリータが

CGアニメってことで(パフォーマンスキャプチャー)人間がやってもいいんじゃない?って思っちゃった。

上にも書いたけど、目が大きすぎで可愛くないし、感情移入しずらい。そもそもサイボーグって設定だけど

キャラが可愛いと思えないからだめ。(個人的意見)

そしてお話がそもそも面白いってほどの見所がない。(ありがち、、、、)

もう少し話が面白ければ引き込まれるのに、テンポ悪いのか途中中だるみしちゃって退屈なところも。

ロドリゲス作品はこれまでどれも好きだけど、本作はあまりロドリゲステイスト感じずなのも残念なところ。

 

 

 世界が富裕層が暮らす天空都市“ザレム”と、そこから排出された廃棄物が堆積する荒廃したクズ鉄町“アイアンシティ”に二分された未来都市。アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドは、クズ鉄の山の中からサイボーグの少女を発見し、拾い上げる。頭部だけになっていた彼女は300年前のサイボーグで、長い休眠状態のために一切の記憶を失っていた。イドはそんな彼女に新たな機械の身体を与えると、“アリータ”と名付けて娘のように大切に育てていく。やがて町へ飛び出したアリータは、ザレムに行くことを夢みる青年ヒューゴと出会い、少しずつ心を通わせていくのだったが…。

 

 

公式サイト

ALITA: BATTLE ANGEL               2018年   アメリカ     122min

2019年2月22日より公開中〜




 


グリーンブック/GREEN BOOK

2019-02-24 23:47:45 | 劇場&試写★6以上

 

 オスカーはこれでキマリ

トロント映画祭にて観客賞(最高賞)受賞ゴールデングローブ賞でも作品賞(コメディ/ミュージカル)を受賞

本年度アカデミー賞最有力というか、今回個人的にもノミネート作品の中で一推し

ファレリー兄弟(ピーター・ファレリー)監督作。

 

というか、「メリーに首ったけ!「愛しのローズマリー」やなんか、おバカラブコメ多くて好きだけど

今回、兄弟で監督してないとすっかりアク抜けしてて?ファレリーっぽさがほとんどない!

真面目にいいのを撮ったら撮れるんだねー(何様)

ヴィゴ様演じたトニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子さん、

ニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情物語を、最近ほんと多いけどこちらも実話ベースで映画化。

試写にて鑑賞。アカデミー賞発表前に観れて良かった〜

 

タイトルの「グリーンブック」というのは、1936年から1966年までに毎年出版されていた、

黒人を受け入れてくれるビジネスやサービス機関のリストが記載された旅行ガイドブックのこと。

 

 

荒っぽく、ガサツだけど頼れる心ある男、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップに

渋いいい男、ヴィゴ・モーテンセン(アカデミー賞ほか主演男優賞ノミネート)

南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに

ムーンライト」で評価され出演作目白押しのマハーシャラ・アリ。

 

トニー・リップの妻、ドロレスにはリンダ・カーデリーニ。

妻への愛もしっかり描かれているのはさすが息子さんが脚本に携わっただけのことある。

 

性格も国籍も職業も全く違う二人が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、車で旅に出る。

 

一見マフィアにも見えるイタリア系?強面おじさん✖️黒人ということで差別を受ける時代に生きる黒人天才ピアニスト

一緒に過ごす時間の中で芽生えてくる暖かな友情。

って言っちゃうとよくあるなーって印象だけど、これはもう言葉云々じゃなく作品観て観なもらわないとわからない良さがある。

 

 

 

 

8/10

 

 

何と言ってもラストが一番好き。

ラストのそれぞれの笑顔が忘れられない。

舞台になっている1962年といえば、マリリン・モンローが亡くなった年で

かつてマリリンの旦那でもあった、ジョー・ディマジオも活躍していた直後くらいで劇中名前も出てた。

 

ドライブって打ち解けるには最適。(これはドライブではないが)

あのね、ケンタッキーがめっちゃ食べたくなります。

 

 

ケンタッキーうまかったなぁ。(違)

アカデミー賞はもち、俺たちだよな。

 

黒人がお洒落なスーツ着て、白人の運転手を雇い、なんていうのは同じ黒人の目から見ても奇異に見られる時代。

黒人は、レストランだってトイレだって白人のいる通常の場所ではできなくて

どんなことにも耐えなきゃいけなかった時代。

ピアニストとして成功していた黒人である彼ですら、そのくだらない社会的ルールに従わなきゃいけないという

本当に馬鹿げた話だなぁと当時を描いた映画を観るたびに呆れながらも哀しくなる。

社会的地位や、国籍、性格の違いを超えてお互いに不足しているところを教え合い、補っていきながら

自分にはなかったところ、お互いのいいところを見つめ、理解し合い、尊重しあって作られていく絆。

それは何にも代え難い友情という宝物になる。

 

こういう風に、ある一つの実話が映画化し、観ることで得る映画としての宝物

こんな映画に出会うことは、自分が体験するのと同価値ともなりうる得難いもの。

そんな気持ちにさせてくれる心通った素敵な1本。

ぜひ公開後には劇場で 

わたしも公開したらまた観ちゃおう。

 

明日、アカデミー賞発表だけど作品賞も主演男優賞も助演男優賞も脚本賞もぜーんぶかっさらって盛大に受賞してほしいなー

 

あ、音楽も良かったよき映画にはよき音楽がやっぱり必要

 

1962年、アメリカ。ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無教養だが家族思いのイタリア系男。店の改修で仕事がなくなり、バイトを探していた彼のもとに運転手の仕事が舞い込む。雇い主はカーネギーホールに住む天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー。黒人差別が色濃く残る南部での演奏ツアーを計画していて、腕っぷしの強い運転手兼ボディガードを求めていた。こうして2人は、黒人が利用できる施設を記した旅行ガイドブック“グリーンブック”を手に、どんな厄介事が待ち受けているか分からない南部へ向けて旅立つのだったが…。

 

 公式サイト 

GREEN BOOK            2018年      アメリカ      130min

3月1日より、ロードショー

 

トロント映画祭にて

 

 

プレミアにて。

 

 

こうなったらファレリー兄弟としての次回作品がプレッシャーですな。笑 楽しみ〜。

 

 


女王陛下のお気に入り/THE FAVOURITE

2019-02-19 23:22:36 | 劇場&試写★6以上

 

女同士のバトルって、恐ろしくも滑稽。だから面白い。

他人事ならね 

ここからのレビューは、今年ももうすぐ開催される米国アカデミー賞の作品賞ノミネート作を続けて数本up予定

去年、個人的に好きでベスト10に入れた「聖なる鹿殺し」を撮り、

才能があると認めざるを得ない、独特なセンスもまた侮れない、と再確認したヨルゴス・ランティモス監督作

オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ

3人のメインキャストが全員アカデミー賞の主演、助演女優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた

 

こういう、貴族ものって観る気がしないというお方も多いでしょう。

わたしも、え?こんな作品がオスカーにノミネート?と思ってた。観る前までは。

観た後も、確実にこれはとるかもよ?っていうような面白い名作か?と言われたらわかんないんだけど、笑

とりあえずこのタイトルとポスターで、観る気がしないという印象ならそれはちょっと思ってるのと違うよ、って言いたい。

 

「籠の中の乙女」「ロブスター」の監督でもあるこのヨルゴスさん、ほんとフツーの映画は撮りません。

独特な感性が炸裂。一筋縄でいかない作品が多い。

けど、本作実在の人物と史実を描くということでどこまで本当にあったかはさておき、

この監督にやらせたら、どの人物もアク強めにさせちゃうような キャラ味の強い3人の思惑が入り乱れて面白い。

 

アン女王に、とても女王に見えないというか、召使いのおばちゃんの方が似合ってる感じのオリヴィア・コールマン(失礼)

ヨルゴス監督の「ロブスター」にも出てたのね、(覚えてない)

子供のようにワガママで、泣いたり欲求が露わなのがすごい

でもそこは孤独からくるもので誰より愛されたい人であったことも哀しくもあり。

 

幼なじみで女官長、レディ・サラにレイチェル・ワイズ。 こちらも同じく「ロブスター」に出演。

 

没落貴族のアビゲイルには、2年前に見事「ララランド」で主演女優賞をとったエマ・ストーン。

この、没落というのがポイント。

もう大女優の貫禄演技です(元々うまいけど)

 

そして、モコモコ貴族ヘアのカツラつけて登場、ニコラス・ホルトくん。

 

 

孤独な女王の寵愛をめぐる、二人の側近の蹴落としバトル

可笑しくも笑えない、宮廷喜劇。

 

 7/10

 

予備知識なく観たんだけど、いつもながら普通ではない描かれ方に興味惹かれる展開と演出。

側近の幼なじみの方が立場上みたいな感じの言いなりだったり、ワガママだったりで

王女ってよりフツーのおばちゃんに見えるんだけど、そこ含め可笑しいやら哀しいやら。

愛を求めるも、手に入れることができない王女の悲しみと絶望と諦め、

本当にそれは果たして愛だったのか、それとも負けられないプライドの高さゆえ、本当に手にしたいのは権力だったのか。

そして、アビゲイルは何に対し負けたくなかったのか、彼女は地位を取り戻すことだけで満足なのか。

 

まず、王女と側近であるその幼なじみとが、愛し合ってるという関係性で描かれるのが面白い。

もちろん秘密の関係。(バレるでしょというツッコミはさておき)

歯にもの着せずにズバズバと本音をぶつけるサラ、

一方、対照的に自分をおだてまくってくれて居心地のいい思いをさせてくれるアビゲイル。

あらゆるものを利用しながら、サラに変わるように着々と女王の寵愛を得て、

サラと敵対する存在になっていく過程が面白い。

 

王女の孤独の理由も明らかになっていくと、このワガママな王女がかわいそうにも思えてくる。

その象徴として、失った子供と重ねて出てくるのが部屋で飼う17匹の「うさぎ」

 

ここからネタバレ

一瞬よくわからないけど、何か意図があるんだろうと考えさせられるラストカット。

部屋でいつものように王女の付き添いで静かに本を読んでいたアビゲイル。

足元にまとわりつく王女の子供たちとして可愛がるうさぎを足で途中まで踏みつけるところを見てしまった王女。

信用していたアビゲイルの本性がついに露呈された途端、失ったものに気づき絶望と諦めが入り混じった感情。

そして足を揉むように命じ、仕方ないというような顔でさするアビゲイル。

フェードアウトしつつ、二人の顔とそこにいるうさぎたちの群れが重なる。

 

 

うさぎは寂しいと死んじゃうっていうのがあるけど、あれは嘘らしい。(一つ屋根の下の影響ね)

あと、うさぎは唯一人間と同じ、生涯発情期が続く生き物で動物の中で一番生欲が強いとされるのも

うさぎらしいんだけど、それは関係ないのかな?

なんの象徴として捉えるかは観る人次第ということかな。

 

 どんな状況も権威で変わる恐ろしさと哀しさ。

音楽も良いし、ゴージャスな調度品などの美術や、煌びやかな衣装など目にも美しいのでそちらも堪能できる作品

 

 

18世紀初頭、フランスと交戦中のイングランド。宮廷では、アン女王の幼なじみの女官長レディ・サラが、病弱で気まぐれなアン女王を巧みに操り、絶大な権力を握っていた。ある日、サラの従妹だと名乗る没落貴族のアビゲイルが宮廷を訪れる。サラの計らいで召使いとして雇われたアビゲイルは、その働きぶりにより、侍女に昇格する。戦争の継続か、フランスとの講和かで揺れる議会に、女王の代理としてサラが出席している間、女王の遊び相手を命じられたアビゲイルに、女王は徐々に心を開いていく。

 

 

 公式サイト 

THE FAVOURITE      2018年      アイルランド=アメリカ=イギリス   120min

2019年2月15日より公開中〜

 

 

プレミアにて

 

 

観てから見るとこの女王陛下が愛おしくなる、かも。

 

 

 


アクアマン/AQUAMAN

2019-02-18 23:24:24 | 劇場&試写★6以上

 

 

ジェームズ・ワン作品にハズレなし

 

 「ジャスティス・リーグ」に登場したジェイソン・モモア扮したDCコミックス原作、

スーパーヒーロー“アクアマン”のスピンオフ。アクション・アドベンチャー。

しかし、アクアマンなんてあちらでいうとダサくないのか?? 水という意味のラテン語ですからね、 水男。笑

 

 あまり興味なかったんだけど、ジェームズ・ワンが監督というので観てきました〜(「ソウ」の時からジェームズ・ワン信者

 

アクアマン=アーサー(地上名)には、全米のセクシーな男ナンバーワンにも輝いたワイルド系ロン毛セクシー、ジェイソン・モモア。

特殊能力は、水陸両棲・テレパシーの他に、時速160キロで泳ぎ、怪力と耐久力に秀でている。

日本でもファン増やしたかな?

 

海底に沈む、アトランティス王国に住むメラ。

実生活では不倫略奪でアンジーからジョニー・デップを奪った上、DV問題とか色々で話題になって果ては離婚したので

イメージ悪いアンバー・ハード。バービー系の美女だけど性格キツそう。(←ファンの方ごめんなさい)

10年前ならアンバー・ハードじゃなくてスカちゃん(スカーレット・ヨハンソン)やってたであろうキャラ。

赤毛にグリーンの衣装というとわたしの中ではバットマンのポイズンアイビーなんだけどな。(ユマ・サーマン)

 

そして敵対する腹違いの弟には、ジェームズワン作品常連のパトリック・ウィルソン。

加工したのか?若く見えてイケメン登場と思ったらパトリックでした(いや、イケメンですけど)

いつものサラリーマン風?ヘアスタイルよりひっつめ髪お似合い。

 

華やかにジェームズ・ワン監督作デビューしたのはニコール様(海底人であるアクアマンの母)と、

まさかのデフォー様(嬉しい)

アクアマンの師匠でもあり子供の頃から爺やみたいな存在。

 

海底帝国アトランティスの女王と人間の血を引くアクアマンが、

地上征服を目論むアトランティスの野望を阻止すべく海中を舞台に繰り広げる壮絶なバトルの行方。

 

 

6/10

 

 

ハズレなし!って最初に叫んだ割には6ですか?と言われそうですが 笑

6はフツーよりもいい方です。(6以上はオススメはできるレベル)

マイティソーでも親への愛憎、妬みなど兄弟確執あったけど、そもそも原作の話がワンパターン。

めっちゃ面白いってほどではないかなー、あとちょっと長すぎ。

途中の地上でメラとアーサーが追いかけられたり、

地球を堪能するシーンが長かったそもそもこの手の物語って戦いメインでそこにあまりのめり込めないたちなので仕方ないのだけど、

でもさすがジェームズ・ワン作品、やっぱり最終的に愛をきちんと描くそこが好き。

妻をずっと待ってるお父さんと海底人であるニコールとの愛にはうるっと泣かされる。(実際は泣いてない)

 

海底での撮影は、実際は水がない中での演技と演出ということと

映像的には海底が特に美しいので大画面での鑑賞をオススメ。

 

海底には知られざる巨大な帝国アトランティスがあった。ある日、アトランティス王国の女王アトランナと灯台守が出会い、やがて2人の間に、海の生物すべてと意思疎通できるアクアマンが誕生する。2つの世界をひとつにまとめる使命を託され、たくましく成長したアクアマン。そんな彼の前に、海底国ゼベルの王女メラが現われ、アクアマンの異父弟でありアトランティス王国の若き王オームが、海を汚し続ける人類に怒り地上征服に乗り出したと告げる。オームの暴走を止めてほしいというメラに懇願され、渋々ながらも過酷な戦いに身を投じていくアクアマンだったが…。

 

 公式サイト

AQUAMAN         2018年     アメリカ     143min

 2019年2月8日より、公開中〜

 

 

プレミアにて

 左・ジェームズ・ワン監督

 

両手に華

 

笑うと可愛いおちゃめさん

 

 こりゃ間違いなくいい人だ

トロント映画祭にて。

憎めません

 

 


七つの会議

2019-02-14 17:30:18 | 劇場&試写★6以上

 

名優オッサンたちの顔芸対決が後引く面白さこれは立派な大人向けエンターテインメント作品。

 

原作は半沢直樹シリーズ、「陸王」「下町ロケット」などの池井戸潤の同名小説「七つの会議」。

結果がすべてという考え方が今なお続く中堅メーカー東京建電を舞台に、

あるパワハラ事件に端を発して浮き上がる会社の“闇”を通し誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤を描く。

監督は「半沢直樹」シリーズの福澤 克雄。

 

キャストがこれまた豪華で、劇場予告を観た時から、そのオッサンたちの顔芸のやりとりが面白くて

楽しみにしてました〜。原作もその他の池井戸ドラマも未見。

 

 

いや近いっしょ

 

野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也池井戸作品常連キャストらしい、

だったら滝藤賢一さんもここで見たかったな。大御所や曲者俳優がこの相関図以外にもずらり出演。

八角民夫(野村萬斎)
東京建電の万年係長。苗字はヤスミと読むが実際にはハッカクさんと呼ばれるぐうたら社員、通称“居眠りハッカク”。

北川誠(香川照之)
東京建電営業部長。結果第一主義のいわゆるモーレツ社員タイプ。

原島万二(及川光博)
東京建電営業二課課長、名前の通り常に二番手の男。

坂戸宣彦(片岡愛之助)
東京建電営業一課課長、エースと呼ばれる男だったが…。

浜本優衣(朝倉あき)
営業一課の課員。寿退社を控えている。

三沢逸郎(音尾琢真)
4代続く町工場ネジ六の社長。東京建電に契約を切られた過去が。

江木恒彦(立川談春)
東京建電の下請け、トーメイテックの社長

村西京助(世良公則)
親会社ゼノックスから出向している東京建電副社長

梨田元就(鹿賀丈史)
ゼノックス常務、東京建電に出向していた時は北川・ハッカクの上司

宮野和広(橋爪功)
東京建電社長、たたき上げで社長に上り詰めた

徳山郁夫(北大路欣也)
ゼノックス社長。彼が出席する会議は御前会議と呼ばれる

 

紅一点で頑張る朝倉あきさんも良かったし、

粗探しに執着しすぎ徹底的にムカつく経理の男を演じる藤森さんも、及川ミッチーも、

ラブリンこと片岡愛之助さんも、もちろん香川さんも素晴らしいのだけど、

やっぱりこの方、

萬斎さんの演技って初めて見たのだけど

もう独特の世界を確立しちゃってる。

話の面白さもそうだけど、その演技力=魅力にかなーり引き込まれちゃいました

 

8/10

 

 

公開後すぐに観てたのにやっとレビュー。

サラリーマンとしてある企業で生きる中での男たちの奮闘、葛藤、企業そのものの仕組みや

隠蔽に次ぐ隠蔽、明らかになっていくその実態。

誰が悪いのか、そもそもの体制がいけないとか見ていてうんざりする日本企業のあるある、もしくは

考えもしたことのなかった嘘やごまかしが見えてきて純粋にエンタメとして面白い。

これはドラマだと割り切れない、本当に起こりうることだったりするその怖さ。

同じく公開中の「12人の死にたい子どもたち」が今の若手キャストの演技バトルというのに対して

こちらは大人たちの演技バトルが楽しい作品でした

気になる方はぜひ

 

去年公開された「空飛ぶタイヤ」は、「三菱自動車リコール隠し事件」を基にしたと言われている池井戸潤原作の映画

ということらしいのでそちらも機会あったら観て見ようっと。

 

 

都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫はどのこの会社にもいる、所謂ぐうたら社員。

トップセールスマンである課長の坂戸からはその怠惰ぶりを叱責されるが、ノルマも最低限しか果たさず、定例の営業会議では傍観しているのみ。
絶対的な存在の営業部長・北川が進める結果主義の方針の元で部員が寝る間を惜しんで働く中、1人飄々と日々を送っていた。

ある日突然、社内で起こったパワハラ騒動。そして、下された異動処分。訴えた当事者は年上の部下、八角だった。北川の信頼も厚いエース・坂戸に対するパワハラ委員会の不可解な裁定に揺れる社員たち。

そんな中、万年二番手に甘んじてきた原島万二が新課長として着任する。会社の顔である一課で、成績を上げられず、場違いにすら感じる原島。
誰しもが経験するサラリーマンとしての戦いと葛藤。だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

 

  公式サイト

 2019年2月1日より、公開中〜

 

 

 

 


笑顔の向こうに

2019-02-09 23:10:02 | 劇場&試写★6以上

 

高杉真宙主演、公益法社団法人日本歯科医師会の全面協力もと制作された歯科医療をテーマとする青春ドラマ。

 

公開を前に行われた、キャストと監督の舞台挨拶付き完成披露上映会に行ってまいりました〜

 

歯科技工士、大地に高杉真宙くん。

幼馴染の新米歯科衛生士、真夏に安田聖愛さん

大地の母親に佐藤藍子さん

患者さんに藤田朋子さん、その父親に丹古母鬼馬二さん、大地のおばあちゃんに松原千恵子さん。

 

(以下、敬称略)辻本祐樹、西方凌、濱田英里、ayanonono、木村祐一、池田鉄洋、聡太郎、阿部祐二、善知鳥いお、

中村昌也、阿部桃子、大出俊、熊切あさ美、大平サブロー、児島美ゆき、中山秀征(友情出演)、秋吉久美子、

監督は同作が初長編作となる榎本二郎さん。

 

 

歯科技工士の大地は美しい義歯を作ると評判で、見た目から「王子」と呼ばれていた。

ある日、新人歯科衛生士として都内の歯科クリニックで勤務し始めた幼馴染の真夏と偶然にも再会する。

クリニックの院長・歯科医たちからは信頼される存在であったが、地元の金沢で歯科技工所を営む父からは、大地はまだまだ「半人前」だと言われてしまう。更に、同じ時期に義歯を提供した患者にも、自分の歯形に合っていないと突き返されてしまう。

厳しい現実の壁にぶつかった大地は、力になってくれようとする真夏にも素直になれず…そんな折、おばあちゃんがいきなりやってきて、、、。

 

6/10

ストーリーはありがちというか、王道な感じで驚きなどはないけど

歯は一生付き合っていくものだから大事に、とか一つの歯、をとってもこういう、歯科技工士という方がいて

一点一点、その人に合わせて作ったもの、

入れ歯だったり差し歯など、患者さんにつけてもらう為の苦労や

ちょっと普段考えないような(普段の生活ではあまり気にしていないような)部分を見ることができる。

入れ歯を必要とする年取った親を介護しながら生活する藤田朋子さん演じる患者さん、

新しい仕事につき、自分なりに必死に頑張っていこうとする新人歯科衛生士、

仕事に打ち込みながら、自分の夢に向かって突き進もうとするも現実の壁に立ちふさがってしまい戸惑う主人公など

それぞれの立場から描かれ繋がっているストーリーは、誰もが誰かに共感できる部分があるような。

幼馴染が偶然再会し、お互いに好きだと気づくも素直に言い出せない関係性は

ラストにいきなりキスとかで終わらず、(笑)淡い恋の始まりを予感させるシーンで終わり、

ラブストーリーではないわけだし、どこか清涼感があって微笑ましい。

タイトルの平凡な感じから受ける印象よりも、なかなか良い作品でした〜

わたしは真宙くん目当てで観たわけだけど、これまで観たクセのある役、トンがった役、真面目、クール、おとなしい、不良など

毎回、様々な顔が見れて新しい発見があって楽しいのだけど、

本作では割と普通の等身大のちょっと嫌味で思いやりのない男の子、という感じがリアルでまた良かった。

 

第16回モナコ映画祭にて最優秀賞である、エンジェルピースアワード受賞。

2019年2月15日より、ロードショー

公式サイト

 

 

舞台挨拶にて

 

緊張のあまり途中で背中をかく(手グセ)真宙くん 笑

にツッこむ(君の瞳に恋してる!)の照代こと藤田さん。ナイス

母親のような目線で突っ込み入れたり、助け舟を出してあげる共演者の藤田朋子さん、優しさが伝わる素敵な人でした〜

そして真宙くん「大地という思いやりのない人間を思いやりを持って演じました」というのが印象的。

ぜひ気になった方は劇場で。

 

どんどん新作の公開が発表される真宙くん

今わたしがハマってる「賭ケグルイ」のドラマのシーズン2が春にスタートし、5月には映画化で出演ってことで

そちらがもう特に楽しみすぎ他にも出演作続々。今年もガンガン応援しております

 

 


サスペリア/SUSPIRIA(2018)

2019-02-07 15:25:03 | 劇場&試写★6以上

 

最近は「え!これまでもリメイクしちゃうの??」って思わず言ってしまうことも多いけど

サスペリアまで?!と思ったのが制作を知った去年のこと。

どちらも好きなダコタ・ジョンソン&ティルダ・スウィントンの再共演ということも決まって楽しみにしてました〜。

 

ホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェントの1977年のホラー映画の金字塔的作品。

リメイク、というか「再構築」をしたのは「君の名前で僕を呼んで」で世界中から評価を得たルカ・グァダニーノ監督。

オリジナルの公開当時に流行った「決してひとりでは見ないでください」というキャッチコピーが今回も使用される。

 

 舞台はドイツが二つに分断されていた時代、1977年のベルリン。

世界的な舞踊団“マルコス・ダンス・カンパニー”で起こる不可解な出来事と失踪事件を描いたホラー。

 

主演のスージーにはダコタ・ジョンソン

おでこ広すぎで、デコ出しよりもぱっつん前髪の方が可愛いんだけどな〜。

 

ルカ監督のお気に入りでもあるティルダ様は今回四度目のタッグ。

ダコタとも「胸騒ぎのシチリア」で共演済み。

ダンス・カンパニーを牽引するカリスマ指導者、マダム・ブラン。

患者でもあった失踪したダンサー、パトリシアの謎を追う心理療法士クレンペラー博士、

そしてもう一人(これまた強烈)、、、という

なんとティルダ様、一人三役!!2回観たのに気づかなかったー

いやおじいさんにまでなってるなんて気づかんわ! 笑

 

その、冒頭から登場のダンサーには、クロエ・グレース・モレッツ!

出演は知ってたけどこちらも二度観ても気づかなかった 笑

あ、確かによくみたらクロエ。

 

ダンサー、サラには4月公開「ハイ・ライフ」にも出演のミア・ゴス。シャイア・ラブーフの奥さんだったけど去年離婚。

 

そしてそして、オリジナル版の主演、スージーを演じたジェシカ・ハーパーが

本作にはクレンペラー博士の最愛の妻としてちょこっと出演なのもダリオ版のファンには嬉しいポイントかな。

 

 

 

スージーは世界的な舞踏集団「マルコス・ダンス・カンパニー」への入団オーディションを受ける為アメリカからやってくる。

舞踏集団は振付師マダム・ブランが圧倒的な権力を持ち、ダンサーたちは洗脳され、支配されている。

スージーはマダム・ブランに認められ才能を発揮していく中で重要な演目のセンターを命じられる。

が、集団生活の中で奇妙な出来事が次々と起こり、ダンサーたちは謎の失踪をしていく、、、、。

このラスト近くのベージュの下着と紐のみでのダンスは圧巻。

 

今年のハロウィンはこのメイクでキマリ!! (誰もわからんわ)

 

 

 8/10

 

リメイクのこっちも好きだなー。二時間半も面白いから全然苦にならない。

 

ダリオ・アルジェント版オリジナルの「サスペリア」は人生で二度観たけど

観てからしばらく経ってるし魔女三部作と言われて続いたこのシリーズの第1作目こんなだった??

というくらい覚えてないからまた見直したいんだけど、ルカ監督がサスペリア大ファンで温めていた今回の「再構築」らしい。

それだけに、全く同じことをやっても仕方ないということなのだろうけど

こちらはこちらならではの良さが。

まずダンサーたちの見事なダンスと、遠隔殺人とも言える

離れた場所からのダンスによる狂気の殺人。(それもやってる本人は殺人の自覚なし)

ボキボキ、グキグキと身体があり得ない形に変形しながらねじれていく恐怖。

最高に恐ろしくゾクゾクするシーンとなって観るものを惹きつける。

そして、トム・ヨーク(レディオヘッド)の音楽もこの作品の持つ世界観にピタリとハマる。

 

時代背景は史実に基づいてて、作中では1977年に起こったドイツ赤軍によるルフトハンザ航空のハイジャック事件も話のキーとして使われていて

ラスト近くでは単なる恐怖を描いただけのホラーとは違う、切ない愛の物語としても受け取れる。

ティルダ様のカリスマ性と、ダコタをはじめとするキャストの素晴らしいダンスを堪能できる1本です(また観たい)

いやこの映画は中毒性があるかも。

 

 

 

公式サイト

2019年1月25日より、公開中〜

←ヒグチユウコさんvr. も素敵。

 

LAプレミアにて。

大女優で実祖母、ティッピ・ヘドレン同伴で出席。

 

 素敵ショット

 

 

こちらベネチア映画祭にて。

 

 

二人の絆は強い。ルカ監督次回作にもティルダ様かな?

 

 

 


十二人の死にたい子どもたち

2019-01-31 22:55:54 | 劇場&試写★6以上

 

ホラーっぽいけど、ホラーではありません。

もちろん、若者たちの「死」を煽るような映画でもない。

杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈という6人と

さらに6名の若手が集結した演技合戦が見どころのミステリー・サスペンス。


原作は冲方丁の同名ベストセラー。

監督は「トリック」「SPEC」の堤幸彦。

 

 

ネットで募集し、元病院の廃墟に集まった「集団安楽死」を望む子供たち。

実際そういうサイトがあったり、事件をニュースで見たりもする昨今。

それが未成年たちが集まって、、、、というところで気になっていた本作、本は未読。

 

正直、本当に「死にたい」なら皆で集まってやらなくても勝手に一人でやれば、、、と思ってしまうのが

普通の人(死を考えてない人)なんだけど

やっぱりいざとなると一人じゃ怖いのかな、誰かと道連れならと思うのかな、とか思ったり。

 

もちろん全員、訳あって「死にたい」んだけど

単に「死ぬ」ということを希望するということ自体に興味がある、という1番の高杉真宙くん演じるサトシのようなキャラもいる。

彼はこの集いの主催者であり、進行役。

真宙くん、メガネがいつもお似合いで優等生に見えちゃうからぴったり。

 

そして推理大好きキャラは千葉真一さん息子のイケメン、まっけんゆー。笑

 

9番、ノブオ。最近話題の?北村匠海

イケメン枠3人ともメガネっておかしいでしょ。

だいたいいま、コンタクトやろ!ってツッコミは置いといて。

 

全身黒の杉咲花と

 

 6番、黒島結菜のトークバトルや

 どうやっても可愛い橋本環奈ちゃん、(現役アイドル役)も良かったし

 

人気バンドの死で後追いをしたいゴスロリちゃんミツエを演じた古川琴音ちゃんも良かった

 

12番、ユキを演じた竹内愛紗さんも唯一、普通の子っぽくて良かった。

 

ちなみにあるはずのない死体0番を演じたのはとまんさんというモデル。無駄に綺麗な子だったのね。

 

 

ご丁寧に準備された銭湯のロッカーの木札(笑)みたいなのを入った順に持つとか

死ぬのにいちいちやることが細かい。

 

 

6/10

 

 

まっけんゆーがだいたい後半で推理した通りなのだけど、

誰と誰が実は絡んでいて、という次第に謎解きしていくのが面白い。

そしてやっぱりそれぞれのキャラの顔がズームで映し出される描写、注目の若手キャストたちの演技合戦が見どころ。

 

死にたいわりに思い詰めた感がないような人もいて

2番の空気読めない感や、金髪ギャルの騒がしい感などは本当に死ぬ気あんの?

とかつっ込みたくなるし 死ぬ死なないで多数決とったりしてるとこ見ると

なんのための集まりやねん!と言いたくなるし、そんなに死にたいなら勝手に死ねや!ともなるのだが 笑

 

話としては面白い、ってほどのものではないけど彼らの演技バトルでトータルで楽しめたのでOK

予想通り、「生きよう」という展開になるのは見えてるのだけど

そこに持ってく過程と、1番サトシのくだりは読めなかったので着地も良し。

気になっている方はぜひ劇場で〜

 

それぞれに事情を抱え、廃病院の一室に集まった12人の未成年たち。彼らの目的は集団安楽死をすること。ところが12人だけのはずのその部屋には、すでに死体となった13人目がいた。彼は何者で、なぜここにいるのか。そして一体誰が殺したのか。互いに議論を重ねる中で、次第にそれぞれの死にたい理由が明らかになっていくとともに、疑心暗鬼を募らせていく12人だった...。

公式サイト 

 2019/1/25〜より公開中