なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性細菌性前立腺炎

2022年04月14日 | Weblog

 土曜日の日直(日当直で来ている)は大学病院の外科医が来ていた。夕方に、高熱で救急搬入された92歳男性を入院させたいと連絡がきた。(当方はベローチェにいた)

 肺炎はなく、尿路感染症でもなく、造影CTを行ったが熱源は不明、ということだった。バイタルはショックではない。「培養を」と言うと、「血液培養2セットと尿培養は提出しています」、と答えた。

「抗菌薬はゾシンでいいですか」と言われて、セフトリアキソンかなと思ったが、ゾシンで開始してもらうことにした。1日分の点滴指示を

 日曜日に病院に患者さんを診に行った。(午前中に胃癌末期の入院があり、ちょうどよかった)解熱してきていて、患者さんは案外元気だった。

 どこかで診た患者さんと思ったが、大腸憩室出血の既往が何度かあり、一度入院で診たことがあった。今回は血便・腹痛はない。

 別の病院に通院していたが、大腸憩室出血の既往があり、当院内科に紹介されて現在は別の内科医が診ていた。当院の泌尿器科にも前立腺肥大症で通院している。

 尿所見が全く正常な所見だったが、前立腺炎だと所見が出ないこともある。血清PSAを確認すると、6.353ng/mlと軽度に上昇していた。ただ、昨年6月の泌尿器科での検査でも5.269だった。

 血清PSA値は前立腺炎のマーカーとして使えるが(以前が正常域で、発熱時に上昇していれば)、この経過だと前立腺癌疑いとしか言えない。培養結果を待つことにしたが、尿培養はおそらく陰性だろう。

 造影CTを放射線科の読影依頼にしておいた。火曜日に結果が出て、前立腺右葉に造影効果があり、「前立腺炎疑い」となっていた。(前立腺炎疑いで診てもらうようにしていた)

 

 血液培養1セットからグラム陽性球菌が出ていると報告がきて、陰性桿菌でなければ、コンタミかもしれないと思った。その後、Streptococcus dysgalactiaeが検出されていた。この菌だと起炎菌としてありえる?。

 

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