なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

降圧薬の点滴静注

2022年06月16日 | Weblog

 月曜日に外来(内科再来)を診ていると、耳鼻咽喉科医から連絡が来た。顔面神経麻痺で市内の耳鼻咽喉科クリニックから、顔面神経麻痺の76歳男性が紹介されてきていた。

 高血圧症と糖尿病があるが、まったく未治療だった。仕事を引退してからまったく健診は受けていない。外来受診時の血圧が200以上で測定できない、といわれた。血液検査で随時血糖399mg/dl・HbA1c8.7%だった。

 翌火曜日に入院して、ステロイド短期大量療法(抗ウイルス薬も)を行う予定だが、血圧と糖尿病の治療を内科でお願いしたい、と依頼された。

 内科外来に来てもらうと、やせた男性が診察室に入ってきた。自覚的には無症状で特に困ってはいない。頭痛・頭重感や嘔気はないかと尋ねたが、ないそうで飄々としている。

 血圧を診察室で測定すると、170/90mmHgだった。とりあえず、アムロジピン5mgとトラゼンタ5mgを処方して、院内薬局でもらったらすぐにその日の分を内服してもらうことにした。

 ステロイド大量に使用するとさらに血糖が上昇するので、入院後はインスリン注で調整することにした。

 

 火曜日に外来を診ていると、耳鼻咽喉科医から連絡がきた。その日入院して血圧を測定すると、214/114mmHgと著しく高いという。

 前日急遽入院した上行結腸癌術後再発の男性のことや(鎮痛と鎮静)、コロナ診療で忙しく、降圧薬の点滴を始めるかと思うと気が重かった。腎臓内科の若い先生に、その患者さんのことをお話すると、こちらで診ましょうといってくれた。糖尿病もまとめて診ますということで、ありがたくお願いした。

 夕方になってカルテを確認すると、生食50ml+ニカルジピン注50mg/50mlを開始して(4ml/時)、血圧はしだいに140から120台まで低下してきていた。

 頭部MRIで病変の有無を確認して、翌日には二次性高血圧症の検査(血液検査と画像)もオーダーしていた。血清クレアチニン1.70mg/dlと腎症もあるので、腎臓内科の外来で継続して診てもらう方がいい。

 

 「救急ICU薬剤ノート」(羊土社)によると、ニカルジピン注は、緊急降圧時は2mL(2mg)静注、持続点滴では現液を0.5~1mL(1~2mg)/時で投与する。静脈炎などを起こす場合は希釈して使用して、ニカルジピン50mg/50ml+生理食塩水50mL4mL/時(2mg/時)で開始する。(10倍くらいまで増量できることになっている)

 ニカルジピン注は2mg/2mL、10mg/10mL、25mg/25mLがある。腎臓内科の先生は25mg/25mLを使い慣れているらしく、当院にはないんですね、といっていた(当院は2mg/2mLと10mg/10mLだけ)。(3月までは他県の県随一の病院におられた)

 

 当方が当院に来たばかりのころに、他院で顔面神経麻痺の治療(ステロイド)を受けた後に、糖尿病性ケトアシドーシスになった40歳代の男性が入院した。糖尿病は未治療だった。

 インスリン持続点滴(と大量点滴)からインスリン強化療法にして血糖は改善した。退院後は確か他院(糖尿病専門医)に紹介したはずだが、忘れてしまった。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 4回目の新型コロナワクチン | トップ | 閉塞性腎盂腎炎、さらに »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事