なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

閉塞性腎盂腎炎、さらに

2022年06月17日 | Weblog

 腎臓内科の若い先生が今月初めに診た患者さん(67歳女性)のことを教えてくれた。以前当院に勤務していて現在は開業された循環器科の先生から、急性腎盂腎炎で紹介されていた。

 白血球14000・CRP2.4と炎症反応が上昇していた(発症間がない時の値)。尿検査は白血球>100/HPF・細菌(2+)と尿と観戦の所見があった。

 腹部CTで右腎盂に結石(石灰化)があり、尿路閉塞を伴う閉塞性腎腎炎なので、泌尿器科救急になる。地域の基幹病院泌尿器科に連絡すると受けてくれたので、そのまま紹介していた。

 その後、右副腎に腫瘍があることに気づかれた。内部に脂肪と思われる部分があり、腺腫疑いだった。

 この患者さんは高度肥満があり、糖尿病・高血圧症、さらに睡眠時無呼吸症候群(CPAP使用)・心臓ペースメーカー植え込み術後(完全房室ブロック)と盛りだくさんの疾患がある。

 それで副腎腫瘍とならば、クッシング症候群が疑われる。腎臓内科の若い先生は、紹介先の病院と患者さん本人に連絡して、内分泌の専門医の外来受診を手配した。

 

 これまでの経過は2015年に市内の内科クリニックから、心不全で当院循環器科(当時、その後閉科→再開→閉科)に紹介された。入院時の検査で胸腹部CTが撮影されていて、その時の放射線科の読影レポートで右副腎腫瘍疑いが指摘されていた。

 副腎ホルモンの検査が行われて、レニン・アルドステロンとカテコラミンは問題なかった。血清ACTHは正常域で、血清コルチゾールは正常域を少し上回っていた。

 23.2μg/dLで20μg/dL以上でクッシング症候群疑いになる。専門医による精査で診断される可能性がある。

 退院後は当院の循環器科外来に通院していたが、担当の先生が開業した時に、自分のクリニックに紹介として現在に至っている。再検査や紹介をしたかは不明だ。

 

 今回は精査されて、診断がつくかもしれない。負荷試験・抑制試験、さらに静脈サンプリングなどが必要なのでs、疑いが濃ければ最終的には大学病院紹介になると思われる。

 

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