なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

化膿性脊椎炎

2024年06月15日 | 整形外科疾患

 5月27日に記載した88歳女性のその後。これまでの経過は、著しい低ナトリウム血症で大学病院に紹介→当院に戻ってから深部静脈血栓症→出血性十二指腸潰瘍・貧血という経過だった。

 5月21日にCVカテーテル(PICC)が挿入されて、高カロリー輸液が開始された。その後、微熱と腰痛が出現した。5月31日に腰椎のCTが施行されて、L1/2の溶骨性変化から化膿性脊椎炎が否定されずという読影レポートが出た(遠隔診断)。

 腰椎MRIが行われて、腰椎(L1/2)に化膿性脊椎炎(椎体炎+椎間板炎)の所見を認めた。血液培養2セットが提出されたが、なんと整形外科医が腰椎の穿刺培養も提出してくれた。

 抗菌薬はセフトリアキソンが開始されていた。その後、血液培養2セットからグラム陽性球菌が検出された。菌名はまだ判明していない。

 心エコーは経胸壁だが、明らかな疣贅は認めなかった。

 

 プラチナマニュアルによれば、化膿性脊椎炎では「安易な経験的治療は避け、まずは血液培養を行う」「血液培養が陰性なら、可能な限り穿刺組織培養採取を行う」とある。

 「経験的治療を行うならば、CEZ2gを8時間ごとで開始する」、「敗血症で血行動態バイタルが悪い、神経的な合併症(脊髄圧迫症状)が出現し、進行しているなど非常に重篤ならばVCM1g12時間ごと+CFPM2g8時間ごとあるいはPIPC/TAZ4.5g6時間ごとを開始することもある」。

 血液培養でグラム陽性球菌が検出された場合、バイタルが不安定で緊急を要すればグラム陽性球菌(フル)カバーのVCMを使用するが、安定していれば当初の抗菌薬で結果を待ってもいいのかもしれない。

 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)を予想していたが、Staphylococcus epidermidis(MRCNS)だった。

 

 

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