2月21日に退院サマリー未記載の連絡が来た。1月17日の当直の時に救急搬入された腰椎圧迫骨折の76歳女性だった。X線・CTで圧迫骨折がはっきりしなかったので、内科で入院させていた。
翌18日に整形外科医に伝えると、MRIはその翌日にしかできないが、腰椎圧迫骨折として整形外科入院にした。事務に最初から整形外科入院に修正してもらうよう伝えたが、内科から整形外科転科の形になっていた。そうなると2日分の退院サマリー記載になってしまう。
患者さんは自宅で後ずさって、襖を掴もうとした掴めず、そのまま尻餅をつく形で転倒した。直後から腰痛が出現して立てなくなった。それでも何とか動いて自分で救急要請していた。
圧迫骨折を判断されたが、X線・CTでははっきりしなかった。痛みは下部腰椎に感じているようで、圧迫・叩打でもはっきりしなかった。痛みを訴える場所は下部腰椎だった。
19日に腰椎MRIが行われて、第2腰椎(L2)の圧迫骨折がきれいに描出された。鎮痛薬投与とリハビリを行って、2月5日に退院していた。
林寛之先生と今明秀先生の看護師さん向けの本に、圧迫骨折についての記載があった(担当は林先生)。「背中は二点識別がとても鈍く、4~5cmくら離さないと識別できない」とある。また診察の叩き方にもコツがあり、「”どん”と最後に押し込んで、骨に響くようにたたいてください」とあった。
MRIでみないと、骨折の有無と新旧の区別が判断し難いとあり、それはその通り。当院では時間外は基本的に頭部以外のMRIは撮影しないことになっている。緊急性はないので、臨床的に判断して撮像は翌日の日中でもいいのだろう。
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