家具産業の街として有名な大川市ですが、その他の見どころも、市内の歩いて回れる範囲に集まっています。
木工まつりの期間でもある4月9日(日曜日)、木工まつり会場以外の大川を巡ってみました。

西鉄沿線から大川に行くには、主に3ルートがあります。15番バスは直行でラクですが1時間に1本、八丁牟田経由は早くて安いものの本数はさらに限られます。
柳川以北からだと、もっとも遠回りに見える柳川ルートは、30分に1本の特急に接続するので、結果的には早くなるというパターンが多いです。クルマに乗り慣れていると、なかなか思いつかないルートではあります。

というわけで、柳川までは西鉄特急で。運よく、観光電車「水都」の運用でした。
ひさびさに、8000形のゆったりしたロマンスシートを満喫。8000形は夏頃の引退が発表されており、今後乗る機会はそう何度となかろうと思います。

柳川駅に到着。さすがは桜真っ盛りの観光シーズンだけあって、特急の乗客の8割近くが降りた感じです。川下り乗船場行きのバスもすぐに満席になり、続行便待ちの行列ができていました。
中国からの観光客も多く、西鉄電車の観光戦略も功を奏しているようで何より。

一昨年、新駅舎になった柳川駅。駅前広場の整備も進み、木の香りがするバスロータリーが完成しました。
さすがは観光地の玄関口。西鉄の駅と駅周辺としては、ピカイチの仕上がりだと思います。

観光地の喧騒を横に見ながら、僕らは大川経由、佐賀行きのバスに乗りました。さすがは幹線系統で、昼間のローカルバスにしては空席が少ないです。
車窓には、国鉄佐賀線の跡が平行。佐賀柳川線は、国鉄代行バスとしての役割も担っています。

大川市街地を抜け、まずは県境直前の大川橋で下車。さすがは木工の街、バス停のベンチも木製です。
筑後川沿いを下って来た久留米からの15番バスも、大川橋が終点。15番も大川市街地まで行ってくれれば何かと便利なんだろうけど、それはまた別のお話し。

家具産業と水運で栄えた街の栄華を残す、旧三潴銀行。今は三潴銀行記念館になっているはずだけど、扉は開いていませんでした。

昇開橋の袂まで下ると、なにやら新しい施設ができていました。その名も大川テラッツァ。観光案内所やものづくり体験場、カフェなんかも入るとかで、オープンは来週(2017年4月15日)だとか。
しまった、来週以降に来ればよかった!

施設は白いコンテナを並べたもので、上越妙高駅前のフルサットを思い出します。大川市が事業主体の、公共施設のようです。
公共施設の維持管理が、自治体にとって重荷になっている昨今。撤退の決断や民間譲渡が容易なコンテナは、案外公共施設にも向いているのかも。いい意味で、新時代のハコモノ行政!?

大川橋バス停から徒歩10分、大川昇開橋温泉にやって来ました。車持ちの頃は月1以上のペースで通っていた、お気に入りの温泉です。

何種類もの浴槽があったり、サウナも完備していたりする大型施設なのに、お湯はかけ流しの本格温泉。ちょっと塩っ気のある、よく温まる湯です。

入浴料は普通湯600円、家族湯1,800円と良心的。でも僕はいつも、ハンバーグやカツ煮など8種類から選べる定食がセットになった、「選べる定食セット」にしています。
普通湯とセットで1,000円、家族湯2名でも3,000円で風呂とご飯が済んでしまうのだから、かなりお値打ち。しかも定食が、なかなかおいしいのです。バスで来れば、ビールだって飲めます。

ひさびさに、昇開橋も渡ってみました。旧国鉄佐賀線の橋梁で、背の高い船を通すために、中央部が昇降する構造です。
廃線後、赤さびたまま放置されてきたのを知っている身としては、歩道橋に再生された姿を嬉しく思います。今や重文です。

巨大な橋げたが昇降する姿は、子どもならずともワクワクします。老体だけに、ギシギシ音がしそうなイメージですが、実際は音もなく動きます。

橋げたが上がってしまうと、さっきまで間近にいた対岸の人が急に遠くなったようで、なんだか寂しくなります。

昇開橋から大川市内方面の佐賀線跡は、デザインプロムナードという名前の遊歩道になっています。

プロムナードの終点では、桜がキレイでした。


さらに歩いて10分少々。花宗川を渡り、小保・榎津の藩境のまちへやって来ました。

文化財の歴史ある家々が並びます。旧吉原家住宅は休業中で、理由を見てみれば、熊本地震の被害からの復旧作業のため。思わぬ場所が、被災していました。

町内の家々の表札は、大川組子。

ちょっと老朽化が進んでいるようにも見える(失礼!)、昔ながらの住宅の正体は…

WAZA DEPARTMENT CAFE。古民家を改装したカフェです。
もともとは昨年、イベントに向け期間限定でオープンしたそうですが、もったいないとばかりに営業続行中なのだとか。

和でもあり洋でもある、大人な空間のカフェです。

カウンターの上部には、わらぶき屋根がのぞきます。本当は外部のトタンを外して、わらぶき屋根の外観を復元したかったそうですが、防火上の要請から かなわなかったとか。


ソファや壁は、彩色された畳。畳に、こんな使い方があるのだと感嘆します。畳職人の技の世界です。

床の間に飾られた皿は、木製。大川の木工職人の作品です。まさに技のデパート。

おいしいケーキや丁寧に淹れられた珈琲にも、もちろん技が効いていました。

藩境石。この石を境に、有馬藩と柳川藩の領地に分かれます。

柳河藩側には、おしゃれなパン屋さんが。表札は壁に施されたコテ細工で、大工さんの技が光ります。

フランス食パンを買い出し。おかげで一週間、おいしいパンの待つ朝を迎えることができました。

花宗川を、国道208号線に向け遡上。欄干には、大川組子のデザインが施されていました。

分岐する川に水門と、川沿いに続く遊歩道が見えたので右折。

その名はメロディロード。ところどころで、大川ゆかりの作曲家・古賀政男の音楽が流れる、遊歩道です。
木橋がいくつもかかり、ベンチの休息場も用意されていて、のんびり散策できます。

ただ木製の工作物は、維持管理が大変。老朽化したまま、立ち入り禁止になっている箇所もいくつか見られました。

散る桜は、はらはらと水路に落ちていきます。願わくば もう少しきれいな水路ならば、流れる花びらも美しかったろうと思います。

国道208号線を渡り、おおかわ交流プラザにやってきました。リハビリセンターや病児保育、認定こども園などが入る複合施設です。
福祉的な色が濃い施設なのに、大型書店とコーヒーチェーンが入っているのがユニーク。地方都市の本屋が厳しい経営を強いられる中、ショッピングセンターでもない場所への出店は、異例なことだと思います。

さらなる驚きは、映画館まで入っていること。最新の映画ではなく、少し時期の過ぎたものや、上映館の少ない名画の上映が中心です。
「この世界の片隅に」も、いち早く上映館に名を連ねていたことを思い出します。



映画館のホールには、組子の作品が幾つも飾られています。映画は見らずとも、一見の価値があります。

プラザから歩いて15分ほどの、風浪宮へとやって来ました。地元では「おふろうさん」の名で親しまれている、創建1,800年の神社です。

楼門には、大きな大川組子の絵馬が。細やかな幾何学のデザインは、神社にもよく似合っています。

本殿は、国の重要文化財。

ご神木の楠の木も、長い神社の歴史の証です。

道路向かいの大川公園も、桜の盛りを迎えていました。風浪宮の外苑にあたり、池を中心にした庭園に咲く桜は、よく似合います。

地元でも一番の花見スポットらしく、赤ら顔の人で大賑わいでした。盛り上がるのはいいけど、スピーカーでガンガン音楽を鳴らしてさわぐのは、さすがにちょっと…
ゆっくり桜を眺めていたかったけど、早々に退散しました。

帰路は、羽犬塚線で八丁牟田駅へと出てみました。午後5時台にして終バスです。
八丁牟田駅は、駅前広場にバスが乗り入れていて、乗り換え距離は最小限。構内踏切なので上下移動もなく、時間さえあえば経済的でラクなルートです。

下り電車はタッチの差で間に合わないダイヤですが、上り電車はほどなくやって来ました。
大川のさまざまな技に触れられた1日、こんな休日の楽しみ方も一つの「技」かも!?
木工まつりの期間でもある4月9日(日曜日)、木工まつり会場以外の大川を巡ってみました。

西鉄沿線から大川に行くには、主に3ルートがあります。15番バスは直行でラクですが1時間に1本、八丁牟田経由は早くて安いものの本数はさらに限られます。
柳川以北からだと、もっとも遠回りに見える柳川ルートは、30分に1本の特急に接続するので、結果的には早くなるというパターンが多いです。クルマに乗り慣れていると、なかなか思いつかないルートではあります。

というわけで、柳川までは西鉄特急で。運よく、観光電車「水都」の運用でした。
ひさびさに、8000形のゆったりしたロマンスシートを満喫。8000形は夏頃の引退が発表されており、今後乗る機会はそう何度となかろうと思います。

柳川駅に到着。さすがは桜真っ盛りの観光シーズンだけあって、特急の乗客の8割近くが降りた感じです。川下り乗船場行きのバスもすぐに満席になり、続行便待ちの行列ができていました。
中国からの観光客も多く、西鉄電車の観光戦略も功を奏しているようで何より。

一昨年、新駅舎になった柳川駅。駅前広場の整備も進み、木の香りがするバスロータリーが完成しました。
さすがは観光地の玄関口。西鉄の駅と駅周辺としては、ピカイチの仕上がりだと思います。

観光地の喧騒を横に見ながら、僕らは大川経由、佐賀行きのバスに乗りました。さすがは幹線系統で、昼間のローカルバスにしては空席が少ないです。
車窓には、国鉄佐賀線の跡が平行。佐賀柳川線は、国鉄代行バスとしての役割も担っています。

大川市街地を抜け、まずは県境直前の大川橋で下車。さすがは木工の街、バス停のベンチも木製です。
筑後川沿いを下って来た久留米からの15番バスも、大川橋が終点。15番も大川市街地まで行ってくれれば何かと便利なんだろうけど、それはまた別のお話し。

家具産業と水運で栄えた街の栄華を残す、旧三潴銀行。今は三潴銀行記念館になっているはずだけど、扉は開いていませんでした。

昇開橋の袂まで下ると、なにやら新しい施設ができていました。その名も大川テラッツァ。観光案内所やものづくり体験場、カフェなんかも入るとかで、オープンは来週(2017年4月15日)だとか。
しまった、来週以降に来ればよかった!

施設は白いコンテナを並べたもので、上越妙高駅前のフルサットを思い出します。大川市が事業主体の、公共施設のようです。
公共施設の維持管理が、自治体にとって重荷になっている昨今。撤退の決断や民間譲渡が容易なコンテナは、案外公共施設にも向いているのかも。いい意味で、新時代のハコモノ行政!?

大川橋バス停から徒歩10分、大川昇開橋温泉にやって来ました。車持ちの頃は月1以上のペースで通っていた、お気に入りの温泉です。

何種類もの浴槽があったり、サウナも完備していたりする大型施設なのに、お湯はかけ流しの本格温泉。ちょっと塩っ気のある、よく温まる湯です。

入浴料は普通湯600円、家族湯1,800円と良心的。でも僕はいつも、ハンバーグやカツ煮など8種類から選べる定食がセットになった、「選べる定食セット」にしています。
普通湯とセットで1,000円、家族湯2名でも3,000円で風呂とご飯が済んでしまうのだから、かなりお値打ち。しかも定食が、なかなかおいしいのです。バスで来れば、ビールだって飲めます。

ひさびさに、昇開橋も渡ってみました。旧国鉄佐賀線の橋梁で、背の高い船を通すために、中央部が昇降する構造です。
廃線後、赤さびたまま放置されてきたのを知っている身としては、歩道橋に再生された姿を嬉しく思います。今や重文です。

巨大な橋げたが昇降する姿は、子どもならずともワクワクします。老体だけに、ギシギシ音がしそうなイメージですが、実際は音もなく動きます。

橋げたが上がってしまうと、さっきまで間近にいた対岸の人が急に遠くなったようで、なんだか寂しくなります。

昇開橋から大川市内方面の佐賀線跡は、デザインプロムナードという名前の遊歩道になっています。

プロムナードの終点では、桜がキレイでした。


さらに歩いて10分少々。花宗川を渡り、小保・榎津の藩境のまちへやって来ました。

文化財の歴史ある家々が並びます。旧吉原家住宅は休業中で、理由を見てみれば、熊本地震の被害からの復旧作業のため。思わぬ場所が、被災していました。

町内の家々の表札は、大川組子。

ちょっと老朽化が進んでいるようにも見える(失礼!)、昔ながらの住宅の正体は…

WAZA DEPARTMENT CAFE。古民家を改装したカフェです。
もともとは昨年、イベントに向け期間限定でオープンしたそうですが、もったいないとばかりに営業続行中なのだとか。

和でもあり洋でもある、大人な空間のカフェです。

カウンターの上部には、わらぶき屋根がのぞきます。本当は外部のトタンを外して、わらぶき屋根の外観を復元したかったそうですが、防火上の要請から かなわなかったとか。


ソファや壁は、彩色された畳。畳に、こんな使い方があるのだと感嘆します。畳職人の技の世界です。

床の間に飾られた皿は、木製。大川の木工職人の作品です。まさに技のデパート。

おいしいケーキや丁寧に淹れられた珈琲にも、もちろん技が効いていました。

藩境石。この石を境に、有馬藩と柳川藩の領地に分かれます。

柳河藩側には、おしゃれなパン屋さんが。表札は壁に施されたコテ細工で、大工さんの技が光ります。

フランス食パンを買い出し。おかげで一週間、おいしいパンの待つ朝を迎えることができました。

花宗川を、国道208号線に向け遡上。欄干には、大川組子のデザインが施されていました。

分岐する川に水門と、川沿いに続く遊歩道が見えたので右折。

その名はメロディロード。ところどころで、大川ゆかりの作曲家・古賀政男の音楽が流れる、遊歩道です。
木橋がいくつもかかり、ベンチの休息場も用意されていて、のんびり散策できます。

ただ木製の工作物は、維持管理が大変。老朽化したまま、立ち入り禁止になっている箇所もいくつか見られました。

散る桜は、はらはらと水路に落ちていきます。願わくば もう少しきれいな水路ならば、流れる花びらも美しかったろうと思います。

国道208号線を渡り、おおかわ交流プラザにやってきました。リハビリセンターや病児保育、認定こども園などが入る複合施設です。
福祉的な色が濃い施設なのに、大型書店とコーヒーチェーンが入っているのがユニーク。地方都市の本屋が厳しい経営を強いられる中、ショッピングセンターでもない場所への出店は、異例なことだと思います。

さらなる驚きは、映画館まで入っていること。最新の映画ではなく、少し時期の過ぎたものや、上映館の少ない名画の上映が中心です。
「この世界の片隅に」も、いち早く上映館に名を連ねていたことを思い出します。



映画館のホールには、組子の作品が幾つも飾られています。映画は見らずとも、一見の価値があります。

プラザから歩いて15分ほどの、風浪宮へとやって来ました。地元では「おふろうさん」の名で親しまれている、創建1,800年の神社です。

楼門には、大きな大川組子の絵馬が。細やかな幾何学のデザインは、神社にもよく似合っています。

本殿は、国の重要文化財。

ご神木の楠の木も、長い神社の歴史の証です。

道路向かいの大川公園も、桜の盛りを迎えていました。風浪宮の外苑にあたり、池を中心にした庭園に咲く桜は、よく似合います。

地元でも一番の花見スポットらしく、赤ら顔の人で大賑わいでした。盛り上がるのはいいけど、スピーカーでガンガン音楽を鳴らしてさわぐのは、さすがにちょっと…
ゆっくり桜を眺めていたかったけど、早々に退散しました。

帰路は、羽犬塚線で八丁牟田駅へと出てみました。午後5時台にして終バスです。
八丁牟田駅は、駅前広場にバスが乗り入れていて、乗り換え距離は最小限。構内踏切なので上下移動もなく、時間さえあえば経済的でラクなルートです。

下り電車はタッチの差で間に合わないダイヤですが、上り電車はほどなくやって来ました。
大川のさまざまな技に触れられた1日、こんな休日の楽しみ方も一つの「技」かも!?