韓国鉄道・京春(キョンチュン)線は、冬ソナの舞台としても有名な街・春川(チュンチョン)とソウルを結ぶ路線です。沿線は自然豊かで、ハイキングやMT(大学のサークルorゼミ旅行)の行き先として人気を集めてきました。
京春線に大きな変化が訪れたのは、2010年。これまでの単線非電化の線路をほぼ放棄して、複線電化の新しい路線に生まれ変わったのです。ディーゼル機関車の引くのんびりした「汽車」も、地下鉄スタイルの近代的な「電車」へ。本数も3倍以上と、一気に近代的な路線へと飛躍しました。
日本に比べ、鉄道は単なる「輸送機関」という意識が強い韓国にあって、旧京春線の廃止時には名残惜しむ声が多く聞かれました。それだけ、ソウルの人にとって思い入れの強い路線だったのでしょう。
僕にとっても、2001年の訪韓時に鈍行列車「統一」号で、ごとりごとりと2時間40分揺られた思い出の路線。生まれ変わった京春線の姿は? 春の陽気に包まれた5月4日土曜日、訪ねてみました。

始発駅、上鳳駅に新型電車が滑り込んできました。アウトドアスタイルの乗客が目立ち、市内の通勤電車のホームとはちょっと違った趣です。

最近の韓国の電車は、週末に限り自転車の持ち込みが認められています。日本でやったら大混乱になりそうだけど、自転車が普及していない韓国なら大丈夫…と思っていましたが、サイクリングに押し寄せる人で車内は自転車でいっぱい。早晩、今のやり方では限界になるかも…?

韓国では珍しい「ママチャリ」の姿も。

通勤時間帯並の混雑ですが、車内はなごやか。床に座り込む姿も、この路線ならどことなく馴染む気がします。沿線は、緑が濃くなってきました。

「汽車」の通った旧京春線の鉄橋が、車窓をよぎります。

北漢江沿いにはサイクリングロードが。自転車人口、確実に増えてきているみたいです。この人たちも、京春線に載せてきたのかな?

だいぶ車内にも余裕が出てきました。固定台にようやく自転車を留められた親子。

市内に近い、南春川駅で下車。通勤電車に変わっても、お出かけのウキウキ気分にあふれた列車でした。

市内でタッカルビを食べた後、帰路に利用したのは「準高速列車」と呼ばれるITX青春。時速180kmを誇る俊足ランナーで、ソウル市内まで1時間を切ります。「汽車時代」の2時間超を知る身にとっては、隔世の感があります。
週末を中心に予約の取りづらい列車で、午前中往路の列車は軒並み満席。復路も2日前の時点で、この後の電車は満席でした。

目玉にもなっている二階建て車両。韓国唯一の存在です。

2階建て車両の車内。なぜか窓は小さく、ワイドなパノラマとはいかないのが残念なところ。

自転車の固定台は、ITXにも。通勤時には立ち席スペースにもなるようです。
ちなみにITXは通勤電車とはまったく別の運賃体系になっていて、電車用の切符やカードで乗車した場合には即、不正乗車として扱われます。韓国の長距離列車乗り放題の「KR PASS」も、この列車に関しては適用範囲外です。
通勤電車と同じホームに発着し、ドアの傍には吊り革やロングシートもあるので、日本人の感覚だと、料金不要の私鉄特急電車のようにも見えますが、ここは韓国。駅に着くたび、警告の放送が流れますが、もちろん韓国語オンリー。通勤電車と誤って乗らないよう、日本人には要注意です。

途中駅には、MTに出かける大学生たちの姿も。昔も今も、「青春」を乗せて走る京春線です。

中央線に乗り入れ、龍山駅に到着。快適な1時間あまりの旅路でした。

ホーム上の機械にむらがる人々。ITXのきっぷを持ったまま地下鉄に乗り継ぐと入場記録が残らないため、ここで一旦カードをかざして、龍山駅から「乗車」扱いにするのです。
日本式に「運賃」+「料金」方式への転換も必要なんじゃないかな…と思わせるシーンでもありました。
一気に近代的になってしまった京春線に、さみしさを感じないわけではありませんが、一層身近に、ソウルの人々に愛されているようにも見えました。旧京春線の跡もレジャー施設として活かされているようで、またよい気候の時に訪ねてみたいと思います。
京春線に大きな変化が訪れたのは、2010年。これまでの単線非電化の線路をほぼ放棄して、複線電化の新しい路線に生まれ変わったのです。ディーゼル機関車の引くのんびりした「汽車」も、地下鉄スタイルの近代的な「電車」へ。本数も3倍以上と、一気に近代的な路線へと飛躍しました。
日本に比べ、鉄道は単なる「輸送機関」という意識が強い韓国にあって、旧京春線の廃止時には名残惜しむ声が多く聞かれました。それだけ、ソウルの人にとって思い入れの強い路線だったのでしょう。
僕にとっても、2001年の訪韓時に鈍行列車「統一」号で、ごとりごとりと2時間40分揺られた思い出の路線。生まれ変わった京春線の姿は? 春の陽気に包まれた5月4日土曜日、訪ねてみました。

始発駅、上鳳駅に新型電車が滑り込んできました。アウトドアスタイルの乗客が目立ち、市内の通勤電車のホームとはちょっと違った趣です。

最近の韓国の電車は、週末に限り自転車の持ち込みが認められています。日本でやったら大混乱になりそうだけど、自転車が普及していない韓国なら大丈夫…と思っていましたが、サイクリングに押し寄せる人で車内は自転車でいっぱい。早晩、今のやり方では限界になるかも…?

韓国では珍しい「ママチャリ」の姿も。

通勤時間帯並の混雑ですが、車内はなごやか。床に座り込む姿も、この路線ならどことなく馴染む気がします。沿線は、緑が濃くなってきました。

「汽車」の通った旧京春線の鉄橋が、車窓をよぎります。

北漢江沿いにはサイクリングロードが。自転車人口、確実に増えてきているみたいです。この人たちも、京春線に載せてきたのかな?

だいぶ車内にも余裕が出てきました。固定台にようやく自転車を留められた親子。

市内に近い、南春川駅で下車。通勤電車に変わっても、お出かけのウキウキ気分にあふれた列車でした。

市内でタッカルビを食べた後、帰路に利用したのは「準高速列車」と呼ばれるITX青春。時速180kmを誇る俊足ランナーで、ソウル市内まで1時間を切ります。「汽車時代」の2時間超を知る身にとっては、隔世の感があります。
週末を中心に予約の取りづらい列車で、午前中往路の列車は軒並み満席。復路も2日前の時点で、この後の電車は満席でした。

目玉にもなっている二階建て車両。韓国唯一の存在です。

2階建て車両の車内。なぜか窓は小さく、ワイドなパノラマとはいかないのが残念なところ。

自転車の固定台は、ITXにも。通勤時には立ち席スペースにもなるようです。
ちなみにITXは通勤電車とはまったく別の運賃体系になっていて、電車用の切符やカードで乗車した場合には即、不正乗車として扱われます。韓国の長距離列車乗り放題の「KR PASS」も、この列車に関しては適用範囲外です。
通勤電車と同じホームに発着し、ドアの傍には吊り革やロングシートもあるので、日本人の感覚だと、料金不要の私鉄特急電車のようにも見えますが、ここは韓国。駅に着くたび、警告の放送が流れますが、もちろん韓国語オンリー。通勤電車と誤って乗らないよう、日本人には要注意です。

途中駅には、MTに出かける大学生たちの姿も。昔も今も、「青春」を乗せて走る京春線です。

中央線に乗り入れ、龍山駅に到着。快適な1時間あまりの旅路でした。

ホーム上の機械にむらがる人々。ITXのきっぷを持ったまま地下鉄に乗り継ぐと入場記録が残らないため、ここで一旦カードをかざして、龍山駅から「乗車」扱いにするのです。
日本式に「運賃」+「料金」方式への転換も必要なんじゃないかな…と思わせるシーンでもありました。
一気に近代的になってしまった京春線に、さみしさを感じないわけではありませんが、一層身近に、ソウルの人々に愛されているようにも見えました。旧京春線の跡もレジャー施設として活かされているようで、またよい気候の時に訪ねてみたいと思います。