Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

跨年!台湾・環島鉄路之旅【5日目】台北~高速鉄道~内湾線~海線~台中

2014年01月13日 | ■旅と鉄道
 新年明けまして、1月1日は旅の5日目。4日間かけて、主に在来線を使いながらじっくりと台湾をぐるり1周します。


 昨夜は2時就寝でしたが、気合いを入れて7時に起床。第一ランナーは、8時発の高速鉄道列車です。
 高速鉄道の切符は有人窓口でも買えますが、自動券売機でもOK。漢字が読めればさほど難しくもないので、並ぶ人の少ない券売機の利用がおすすめです。


 台湾の高速鉄道(高鉄)の車両は、日本の700系新幹線がベースです。
 厳密に言えば、線路や信号は諸外国の方式を取り入れているため「新幹線」とは別物。『新幹線の車両が走る高速鉄道』ということになりますが、メカに詳しくなければ新幹線以外の何物でもありません。


 3―2列の座席が展開する普通車も、新幹線そのもの。色使いはJR東海とも西日本とも違う、爽やかなグリーンがベースの配色です。


 台湾の鉄道では一般的ではない、座席の背面テーブルも踏襲しており、テーブルにプリントされた車内案内のデザインも同じです。
 車端部に荷物置き場があるのは日本との違いで、大いに活用されていました。


 停車駅が多いタイプの列車で、板橋、桃園とこまめに乗客を拾っていきます。東海道新幹線と同じで始発駅に乗客が集中しているわけではなく、桃園からは日本人の団体さんも乗ってきました。
 高架の線路を300km/hで快走!ビルは途切れず、東海道メガロポリスを走っているような錯覚に陥ります。


 66km離れた新竹駅へ、わずか35分で到着。駅周辺には真新しいビルが並び、副都心を形成し始めています。
 注意すべきは台鉄の新竹駅とはまったく違う場所にあり、台鉄の接続駅は六家駅であること。分かりにくいですが、高鉄は民間会社の経営であることを考えれば合点がいきます。東海道新幹線の岐阜羽島駅と、名鉄の新羽島駅の関係ですね。


 六家駅のある六家線は、内湾線の竹中から1駅間別れた盲腸線で、2011年に開業したばかりです。
 ただ電化区間は新竹~竹中~六家のみで、内湾線の竹中~内湾は非電化で残されています。運転系統も新竹~六家間の直通電車が中心で、逆に竹中~内湾間が支線のような扱いになっています。ガラガラの電車で、竹中へ。


 竹中始発の六湾行きに乗り換え。平渓線と同じ、軽快型のディーゼルカーが活躍します。最後部の特等席をゲット、流れる車窓を楽しみました。
 1時間間隔のローカル線とはいえ、4両編成で座席も埋まっています。祭日の観光客の他、学生や用務客の姿も目に付き、日常の足として活躍する路線です。


 横山駅は駅舎もなく、駅前の道路とホームが一体になっていました。ただ上屋は立派です。
 紅葉も始まったばかり。列車にカメラを向ける人の姿もありました。


 合興駅には、旧型客車が展示されていました。駅の利用者だけではなくドライブの休憩場所にもなっているようで、多くの人の姿がありました。
 ここでも列車を撮影する人が目立ち、鉄道趣味が一般に浸透している様子が伺えます。


 南国らしい雰囲気の、内湾着。大勢の観光客が降り立ちます。


 RC造の立派な駅舎ですが、ローカル線のターミナルらしい雰囲気も感じられます。


 古い駅舎に、ICカード読み取り機。日本のローカル線のようです。


 駅周辺は散策コースになっています。吊り橋で、清流の対岸へと渡りました。


 温泉施設があり、山間の温泉もいいなと思ったのですが、個室湯専門のようで1,000NT(3,700円)からとかなりの高値で断念。
 雰囲気のいいカフェも点在していますが、10時過ぎとあってまだ準備中でした。


 南坪古道へ、足を踏み入れます。よく見れば植生がだいぶ異なるようですが、九州の山と比べてもさほど大きな違いは感じられません。
 聞いたことのない野鳥の声が聞こえてきて、季節を忘れそうです。


 展望台まではかなりの距離があるようなので、そこそこ眺望の広がったところで断念。山の空気を吸って、引き返しました。


 駅前はいわゆる「老街」で、店がひしめき合い、いい雰囲気。猪の腸詰やフレッシュジュースを買い求め、列車の時間までのんびりと散策しました。


 11時の列車で、竹中へと戻ります。ワンデイトリップから帰るにはまだ早い時間で、冷房の効いたガラガラの車内でくつろぎました。
 一方で竹中で乗り換えた電車は、街へ出かける人で混雑。六家線の開業と電化とともに大増発された区間ですが、すっかり根付いているようでした。


 新竹駅着。日本統治時代に建てられた立派な駅舎が、今も現役です。


 狭い改札の間口もそのままで、自動改札も遠慮気味に1台ずつ設置されています。




 駅前広場の公園は、線路を模したしつらえになっていました。


 新竹駅からは在来線長距離列車の旅。急行格の莒光号に乗って2時間、彰化駅まで下ります。


 急行格とはいえ、車内は足置き付きのゆったりしたシートが並びます。14系客車のハコと、国鉄時代のグリーン車の座席を思い出しました。


 折り戸の出入口も14系テイストですが、手動です。走行中に開けたり、列車が停車する直前に飛び降りたりすることもできます。線路が見通せる連結面も、なかなかスリリング。


 新竹駅で買った駅弁をほおばりつつの、汽車の旅。


 台湾西部を縦断する西部幹線は、九州なら鹿児島本線に相当する大動脈。しかし竹南~彰化では、内陸を走る山線、海沿いを走る海線に分かれ、今回はあえて海線の列車を選んでみました。
 主要都市の台中を通らない海線は、ローカル線の風情。しかし一部では立派な高架になっており、幹線としての格を見せていました。


 海線とはいえ、海岸沿いをつかず離れず走るわけではなく、海は一部で望むだけです。
 どこでも冷房がガンガン効いていて、省エネには無頓着なのかなと思う台湾ですが、クリーンエネルギーの活用も進んでいました。


 約2時間、彰化駅着。南に下るに従って、空気も変わってくるようです。南国の感を、強くします。


 側線には、貴重な旧型の自強号電車が停車中。バックの旧型客車も絡めてカメラを向けていたところ、鉄っちゃんと思しき少年から声を掛けられました。
 「日本 鉄道迷」(鉄っちゃんのことです)と筆談で伝え、後はたどたどしい英語と筆談での会話。それでも趣味を同じくする者同士で、国境を越えた楽しい鉄談義ができました。


 台中へ向かう電車の中ではお仲間さんも加わり、記念切符を見せて頂きました。何でも彰化にある扇型機関庫が、工事を終え今日から一般公開を再開したとのことで、各地から鉄っちゃんが集結。切符の即売も行われたようです。
 切符も朝から行列して手に入れたものだったとのことですが、記念にと手渡して頂き感動。

 鍾先生、謝謝!


 台中駅着。こちらも日本時代の面影を残す、赤レンガの駅舎です。台湾では、日本よりも日本時代の建築物が大切にされている印象ですが、駅舎建築も例外ではありませんでした。


 台中では宿の予約をしていませんでしたが、目星を付けていた駅前ホテルに飛び込みでチェックイン。600NT(2,200円)と、台北のドミと同額でした。
 部屋は、値段を考えれば立派なもの。窓がなくてもガマンです。火災時の二方向避難は確保されていましたが、2つ目の避難経路が分かりづらかったので、よく確認しておきました。


 部屋に荷物を置き、郊外の亜州大学を目指しました。無料シャトルバスがあるとの情報を得ていたのですが見つからず、一般路線バスも分かりづらかったので、タクシーへ逃避。郊外へかなり走り、邦貨で1,000円を超えてしまいました。
 大学に近付くと菜の花が咲き乱れ、菜の花がりをする人の姿も見られました。すっかり春の陽気、春の光景です。




 亜州大学で今注目を集めているのが、安藤忠雄の設計による亜州現代美術館。三角形を微妙にずらし、三層に重ねたような平面が特徴です。


 入場券は100NT(370円)。
 写真は撮影OKの場所のみで撮影しましたが、現地の方はNGの場所でもガンガン撮影していて、職員の方も咎める様子はありませんでした。




 光の入れ方や、空間の切り取り方が面白い。




 設計者の建築展も開かれていました。


 バス停には、氏の笑顔が輝いていました。
 敷居の高そうな現代美術館とはいえ、訪問者は地元の方々が中心。周囲でも、和やかに遊ぶ人々の姿が見られました。現代に生まれた台湾の日本建築は、統治時代の建築物と同様、大切にされていくのでしょう。


 今度は路線バス(カードも使えます)で一旦ホテルに戻り、夜の市内散策に出発。
 市内へ向かうバスに乗るつもりが方向を間違えてしまい、イケネエと とっさに降りた場所は台中公園でした。台中を代表する公園で、美しくライトアップされています。


 池の周囲にはマンションが固まり、大濠公園を思い出しました。


 改めてバスを捕まえようと、路線図を解読して繁華街へ向かうバスを見つけましたが、なかなか止まってくれません。乗る意思を見せない限り止まってくれず、瞬時に系統番号を判断してバスへ突進するのは、外国人にとっては至難の業です。
 自分で頑張ってみたものの、結局成功せず、地元の方が捕まえたバスに「便乗」させて頂きました。繁華街で下車。台湾に来ると、「そごう」は日本より輝いて見えます。


 繁華街の精明一街へ。オープンカフェがならび、なかなか洗練された雰囲気です。周辺にもイタリアンやバーなど、お洒落な店が並んでいました。
 ただあまり賑わいには薄く、地方都市ゆえかなとも思いました。


 おしゃれ繁華街では一人で入れるような店もなく、空腹を抱えたままバスで台中駅前へ。路地裏にオープンな飲食店を見つけ、引き寄せられるように飛び込みました。
 メニューも分からず、おばちゃん店主に翻訳アプリで「魚の夕食」と表示させてみたら、野菜を3品、魚を1品選ぶように言われました。


 出てきた定食がこの通り。70NT(260円)でした。
 後から入ってきたおじちゃん連中は、ご飯と一緒にお酒も楽しんでいて、なるほどこういうトコで飲むのですね。ただ酔っぱらうほどではなく、お酒に節度ある印象は変わりませんでした。

 早起きは続くので、11時前には就寝です。

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