オムニバス映画はわりと好きで、大好きな「アスファルト」は別格として、
もっと短いスケッチ風の作品で構成された「美しいひと」も好みの映画だったんだけど、
それと似た感じの映画かなと予告を見て楽しみにしていました。
最初の2篇は事実を元にしたスケッチでどちらも精神疾患のある女性が出てくるので
そういうテーマでまとめてるのかなと思ったけど、その後の作品はフィクションで
国もシチュエーションもそれぞれ違うし、
最後の二つはファンタジーっぽかったりアニメだったりしてバラエティに富んでいました。
どれも大きなドラマや膨らみはない短い話なんだけど監督も全部違う人なので、
いろんな国のいろんな味の美味しい料理を小皿に少しずつ何種類も食べたような満足感。
中でも日本が舞台で杏が二人の子供のシングルマザー役をしている一編は、
忙しいシングルマザーの1週間を過剰な演出なしに静かに丁寧に描き出して、
大きな物語は何もないのに最後まで見せます。
そして見終わった時に物語の盛り上がりとは別に子育てをしていた過去の自分の思いが重なった涙が出て
鼻を啜っていたら、席2つ置いて横に座っていた女性も鼻を啜っていて、
暗闇の中、言葉は交わさなくても同士よ!という思いでいっぱいになった。
日本が舞台だからでなく、この話がいちばん好きだなぁ。
>女性のエンパワーメントやジェンダーの多様性が叫ばれ<寛容な心>が求められる現代。世界の映画界で活躍する女性監督と女優が集結し、女性が主人公の7つのショートストーリーを紡ぎ出した映画『私たちの声』。「映画、芸術、メディアを通して女性を勇気づける」をスローガンとして掲げる非営利映画製作会社<We Do It Together>が企画し、実際の出来事に着想を得たエピソードから、物語仕立てのフィクション、さらにはアニメーションまで、世界各地を舞台に感動的で力強い物語が描かれる。各話の主人公たちは、強い決意と勇気をもって人生の難局に立ち向かい、より強く、より自己認識を高め、スクリーン越しに観る者へ称賛を贈るような7つの珠玉のヒューマンドラマに仕上がっている。(公式サイト)
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