sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:スクラッパー

2024-08-03 | 映画


84分と短めの映画なので、物語が一つちゃんと入ってるというより、
長い物語のその途中の一部分を取り出して丁寧に描いている感じの映画でした。
映画はつい物語に目がいくし話の筋を追いかけてしまうけど、
さらりとしたディテールを繋いで見せていくような映画は好きです。
色のセンスがよくて画面が気持ちいし、何気ないシーンをうまく撮ってあると思う。

心を閉ざして人を信じない頑固な子どもと、大人になり切れずにきた言葉の足りない大人と、
二人の関係(どっちもまあ褒められるタイプではない笑)を優しく見守るような映画。

母娘二人暮らしだったのに母を亡くして一人になった少女が主人公。
なんとかうまく誤魔化し福祉の目を逃れて一人暮らしをしている。
盗みでお金を稼いだり、役所の人を騙したり、なかなかの悪ガキです。
誰にも助けられたくない、一人で生きられるのだと強い決意のある子で
この子がもう親友のアリ以外は誰も信じずとにかく頑なで、かわいげもない。
それじゃ誰にも好かれないし助けてもらえないよと思うけど
誰にも好かれたくなんかない!と思ってるんだろうな。
一方、父親の方はよくある話で、ごく若くして父親になって
自分自身がまだ子供のようなものでしかなくて、妻子への責任を果たせなかったダメ男。
今もダメなままで娘が盗みを働いても叱るどころか手伝う始末。
この父娘、ダメダメ父娘として揃ってワルになっていくんだろうなぁとも思うけど
そういう父親らしくない接し方が良かったのか少しずつ心が通い出す。
二人でちょっと遠出して、子供同士のように遊んだり踊ったりするシーンの
優しい時間ながらまだ違和感や不信感は残ってる感じの微妙さが良かった。

物語もシンプルだけど、登場人物もごく少なくて、主人公と父親以外は友達のアリくらいです。
誰も寄せ付けず一人で生きていこうとしてる主人公だけど
この近所のアリという名前の男の子だけは無二の親友で一日中一緒に遊んでいられる仲良し。
このアリがちょっとヘタレで、なんかいいです。
途中主人公と大喧嘩するシーンがあるんだけど、その喧嘩の後の二人がかわいかった。

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