sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

「一度きりの大泉の話」

2021-05-18 | 本とか
萩尾望都さんの話題の新刊を友達に借りて読みました。
面白くて一気に読んでしまった。

あれだけの漫画家だけど文章は上手い感じじゃなくたらっとしてて、
聞き書きとかインタビューとかなのかなと思ったら、
信頼できる人にインタビューしてもらったのを構成し直してかいたものらしい。
でもそれ以前に、しがらみが多い人が過去のことを人を傷つけず貶めないようにに書くと
こういう感じになるのかもな。な
んともまどろっこしい奥歯に物が挟まってる遠回しな感じがあるんです。すっきりしない。
でも文章はそんな感じだけど内容はやっぱり面白かった。
萩尾望都も竹宮恵子も学生時代に読んだ大御所の漫画家で
特に萩尾望都は神のような存在でした。
すっかり漫画を読まなくなって何十年にもなるけど
今思い出してもこの二人の作品の印象は圧倒的です。
その二人が一緒の家に住み、そして決裂したことについての話で、
嫉妬をされた、嫉妬というもののわからない人の話、かな。

木原敏江さんは「あなたね、個性のある創作家が二人、同じ家に住むなんて、
考えられない、そんなことは絶対ダメよ」とキッパリ言ったそうだけど、そうよね。
(木原敏江さんも大好きな漫画家でした。「摩利と新吾」すごい切なかったな〜)

男の漫画家のコミュニティの話はよく聞くけど女の漫画家にもあったんだなと、
本書で、きらめく才能がゴロゴロ出てきて交流してるのを見て思ったけど、
やっぱりトキワ荘的な感じとは遠いんだなぁと思いました…男と女はほんとに違うなぁ。

本筋に関係ないけどいくつか引用
漫画家になるには?と聞かれたらこう答えるそうですが、ほんとそうね、と思ったところ。
>「作品を描いて完成したら、人に読んでもらうといい。人の意見を聞くことは大切なことです」「もう一つ大切なことは、人の意見を聞かないことです」

>増山さんのこういう感覚は詩だな、と思いました。豊かな感性を持っている人なのです。豊かな感性は持っているのに、表現の手段を持たない。そういう方はたくさんいるのかもしれません。

人にずけずけいわれると何も言えなくなったことに対して
>たぶん今なら、私はもっとうまく意見を話せるでしょう。それは、前は何とか伝えようと焦ったりしていたのですが、今は「いくら言っても伝わらない場合がある」という覚悟ができたからです。

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