教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

明治30年度鳥取県小学校教員検定試験問題(女教員専門、教育・保育原理系)

2013年12月29日 13時32分08秒 | 日本教育学史

 山陰は雪にまみれております。

 さて、こないだの続きとして、家事裁縫科または家事科の専科教員検定の問題を紹介。この科目を受けたのは女性教員のみのはずなので、女教員(のみ)に必要とされた教育学を示している史料かな。

 育児科という科目がとっても興味深い。
 どういう意味で必要とされた科目なのか。幼稚園保姆として?それとも小学生に教える知識として? 


明治30(1897)年度 小学校教員乙種検定試験問題

【家事裁縫専科正教員 検定試験問題】

○ 教授科
1.初めて裁方をなす生徒に襦袢を裁たしむる教授法は如何

【家事専科正教員 検定試験問題】

○ 育児科
1.小児に与へて可なる食品は如何なる種数なるか
2.小児の知識を発達せしむるなかだちは何ぞ
3.家庭教育の必要を説け

【家事裁縫専科准教員 検定試験問題】

○ 教授科
1.尋常科生徒に端縫をなさしむる教授法は如何

【家事専科准教員 検定試験問題】

○ 育児科
1.小児に持たしむる玩具に付ての注意は如何
2.牛乳を以て小児を養育する時の総ての注意を問ふ
3.小児の発病せるを察するは如何なるしるしに因りてするか 

出典
「明治三十年度乙種検定試験問題」『山陰之教育』第31号、私立鳥取県教育会事務所、1897年12月、39~41頁。 

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