白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

今月のモンコレ話:制限希望カードになにを書いたか

2015年08月31日 23時49分28秒 | モンコレ
月に1回はモンコレの話を書くと言ったが
今月はデックの公開はやめにして、
全国予選のデックシートにあった制限化カードについて書くことにする。

大会に出場すると2枚のカードを制限に希望する欄がありましたけど
みんなは何か書きました?
わたしは2つとも書きましたよ。
「ミノタウロスの戦斧」と「亡霊の魔導円」の2枚だ。
厳密に言うなら、ここまで制限カードなしでやってきたのなら
(再スタートされるまでは)これからも制限限なしが正解だとは思うが、
あえて何かのカードを制限カードにするとしたら、この2枚しかないと思う。
ちなみに2枚書くスペースがあったから2枚書いたが、1枚しかスペースがなかったら
断然「ミノタウロスの戦斧」しかない。

じっくりモンコレの話をする機会も無くなってしまったが
モンコレの話題のほうがコメントが付くところを見ると需要は全然あるみたいなので
今回は長い話をします。
ブロック4~6の大会環境を総括した部分もあるので。


ブシロードの運営は、良い面も沢山あったけど負の面を上げるとしたら
ブロック4以降のレベル2以上の大会でミノタウロスが安定すぎたってのがある。
ミノタウロスデックは実に1年半の間、
ブシロード期間全体の半分でレシピが乗り続けたという快挙を打ち出している。
これが他のゲームだったら2大会連続で結果を出した時点で速攻制限入りしていると思う。

ただし勘違いしてほしくないのは、トータルで見て炎のラビリンスのデックが
他の勢力よりずば抜けたスペックを持っていたか、
デザインの段階で調整ミスがあったかといえば、そうとは言い切れない。
フリープレイでやる分にはミノタウロスデックも勝ったり負けたりがある普通のデックだから。
もしモンコレの全国予選がスイスドロー形式ではなく総当たり戦で勝率を決める方式だったら
ミノタウロスも有力候補ではあるものの、予選通過への最適解とまではいかなかった可能性が高い。
そんな形式だったらメタカードが確実に仕事をするのでメタの中心となる有力デックは
上から順番に潰されていく。

グループSNEは、当然カードをデザインする段階でテストプレイはやってるけど
しかしそのテスト形式は各デック間の相性やトータルでの勝率を鑑みたもので、
つまりダイヤグラム形式でこのデッキには有利だけどこのデッキには不利だからセーフ、
みたいな調整を行っている。
だがこれは形式としては総当たり戦を念頭にしたバランス調整だ。、
総当たり戦とスイスドロー戦は短距離走と中距離走くらいに全く違う競技になってしまうのだから
総当たり戦形式で調整されたバランスがどれだけ完璧だろうと、
実際に行われる大会形式がスイスドロー形式だったらバランス通りの結果にはならない。

製作担当のグループSNEは、ブシロードがどういう形式で大会を開くかに関しては
ほとんど口出しする事ではない。
だったら、カジュアルにわいわい遊ぶユーザー向けに
フリープレイで毎回勝つデッキや全く勝てないデッキが存在しないゲームにさえできれば
バランス調整は完成したと考えるだろう。
一部のトッププレイヤー向けにゲームを作っているわけではないんだから、その判断は正常だ。
(ブシロード時代のモンコレはそれには成功している)

しかしそれを受け取ったブシロードは、その受け取ったカードで
ちゃんと盛り上がる大会を主催しなければならないんだから
ユーザーを飽きさせないように毎回勝ってるカードは制限するくらいの調整はしないとダメだった。
これはグループSNEのデザインに不平があるとかそういうこととは全く違う。
たまたまブシロードが選択した大会の形式と合わない部分があったのでその帳尻合わせの調整。
別に強過ぎるというわけではないけど、「大会がマンネリ化している懸念がある」ので
使用率の高過ぎるカードは制限してもよかっただろう。

ブロッコリー時代に制限カードルールが出来たのはデスブリンガーの頃だったが
この選考理由は秀逸であった。
要約すると
「すでに上位プレイヤーの間では対策が進んでいて制限化するほどではないという意見もありましたが、
これが並ぶと初心者はゲンナリするので制限にします」
みたいな話。
つまりトータルでの強さとか、カードの性能云々ではなく
大会環境の流動化、マンネリ化の防止を主眼として大会のルールを決めているという事。

今回の全国予選で加藤先生が言っていたんだけど、
モンコレを長く作ってきた中で、高橋プロデューサー時代が一番作りやすかった、らしい。
これは加藤先生にとっては良い事だったんだろうけど
ブシロードやゲームモンコレにとっても良い事だったかどうかは必ずしもイコールではない。
つまり高橋プロデューサーは自分が主体的にゲームをマネジメントしていく能動的な部分に欠け、
加藤先生のイエスマンになってしまっていたのではないかと思う。
ブシロード時代でも制限カードに指定されるカードは沢山あったんだけど、
ブシロード時代の制限カードはブシロードが主体的に制限にしてたんじゃなくて、
グループSNEから制限にしてほしいという意見を採用していたにすぎないんだよね。
勿論、製作からそういう提案をする事は結構な事なんだけど
問題はブシロード運営側が大会実績というデータからカードの制限をしてないことだ。
ブシロード時代の制限カードはデザイナーの想定を外れた使い方がされるのを防ぐためのもので、
大会での実績を考慮して勝ち過ぎてるから制限、という類いのものではない。
制限化カードは10枚にしよう!みたいな内部ルールがあったくさいのも
つまりシステムとしての美しさを念頭にルールを決めていたわけで、
実際にゲームが行われている現場の環境とは距離があるものだった。
運営が使用率や勝率などのデータの面からカードを修正したり制限したりといった
「発売後の調整」はやっぱり必要だと思う。
ユーザーに委ねるといえば聞こえはいいけど
売ってしまったあとは何もしないんだったら環境を野放しにしているということだから。

そりゃ、ゲームとしては制限カードは無いに越したことは無い。
しかしそれは制限カードにしなければならないようなカードが無いに越したことはない、
であって、
環境を席巻して制限が必要な実績に達したカードが現に存在しているのに
制限カードを作りたくないから制限にしない、というのは本末転倒。
必要悪が必要とされる現実があったとしたらそれは認めなければならない。


まとめ

ブシロード時代のモンコレカードはデザインは完成度の高いものだと思う。
ただ環境を作っていくのはユーザー(人間)だから
ユーザー人口の狭い世間のモンコレは上位プレイヤー間で1つの勢力が地位を固めると
環境が固定化されやすい側面がある。
これは不可抗力の部分で、勝ち過ぎているデック=強く調整し過ぎたといっているわけではない。
ブシロード運営にはそれを積極的に破壊して
環境を流動化させるアプローチはあってよかったと思う。


以上、ここまでがブシロード運営への意見でした。


では本題であったはずの「なんで制限カード入りが必要なカードはミノタウロスの戦斧なのか」、
という話に戻します。

これは逆のいい方をすると炎のラビリンスのカードの何かを制限するにしたって
単純に強いから金角、銀角、バトルドラムを制限してはいけないという事。
なんでかって制限化の目的は別にミノタウロスデックを環境から締め出す事ではなく
仮にデックの総合評価が95点だとしたらこれを80点前後に引き下げることであって、
ミノタロスデックそのものは制限後も使う人が居ないといけない。
そのためにはミノタウロスデックの選択の理由となっているようなカードは制限してはならない。

ミノタウロスの攻撃力防御力は、スペル単やスペルアイテム混成デックと比較すれば
少し高めになっているけどそれ自体は妥当な調整なんだよ。
アイテム単デックは相手のスペルと能力を消耗品で完封して基礎値でごり押すスタイルだから
なにもない素手での勝負ではスペル単に勝つということ自体はなにも間違ってない。
もしスクロール6枚積のミノタウロスで重スペルデックに勝てなかったらそっちの方が問題だ。
環境に消耗品デックがほぼミノタウロス1種類しかないから
メタ関係で圧倒的なアドバンテージがあったとかはまた別の問題。

しかし炎のラビリンスにはアイテム消耗品デックにできてはいけない動きが出来るカードがあった。
それがミノタウロスの戦斧。
このカードはミノタウロス以外の装備品で登場してたらそこまで強力でもなかったかもしれない、
という点を踏まえば性能スペックで評価すると高得点にはならないかもしれないが
しかし現にミノタウロスの装備品として登場してるんだから仮定の話は無意味だ。
ミノタウロスの戦斧は先攻チャージ型デックの対策としては初代からのカード全部で考えても最強のカード。
これはまずかった。
ミノタウロスはバードマンには不利であるべきだった。
たとえ重対抗戦ではメタ構築で圧勝出来るとしても先攻で殴られ続ければ落ちるのであれば
デック間の強弱関係は一巡した。
先攻チャージ型は勝つも負けるもワンサイドゲームにしかならないから
ゲームは割とつまらないんだけど環境的には必要なポジションで、
特に重対抗力にシフトし過ぎたデックを牽制する役割。
ミノタウロスは先攻で殴られ続けたら負けるべきだった。
その意味では銀角のイニシアチブも+2くらいに抑えるか、
最前列であった場合のみ発動するべきなんだけど、いまはエラッタ調整の話ではない。

戦斧が無くなってしまうとミノタウロスが装備できる装備品が無くなってしまうので
アイテム2のユニットに書いた装備品制限は寂しい事になるが、そこだけ目をつぶれば
戦斧がなかったほうがミノタウロスはぐっと面白いデックになったと思う。
それでも環境トップのデックの一つである事は変わらないだろうし、(←ここ重要)
その上で相性とかその他もろもろを考えるゲームの面白さがあったと思う。
竜鳴の谷はミノタウロスに有利が付く先攻デックなんだけどあれは単に戦斧のダメージで届かない
防御力4で構成された先攻デックだからなんだよ。
でも防御力4以上で構成された先攻デックというのはこれはこれで
水系津波デックの対応範囲を超える先攻デックだからデック間の相性関係を崩壊させる害悪で、
なのでブシロードの最終セットでしか登場しなかった。
たぶんブロック6のエルフはミノタウロスの戦斧が無かったら
あんなハイスペックにならなかったと思う。

もうひとつ、亡霊の魔導円も制限カードに加えた理由だが、
亡霊デックは流血の魔導円3枚で無理やり回すくらいのほうがたまに事故って面白いから。
亡霊デックの本来意図された動きは展開が完了すれば圧倒的に強いが
常に事故が付きまとい同時攻撃などの偶発的な要素に左右される不安定さを持つ・・・
というものだったはずだと思う。
が、魔導円6枚はそのコンセプトを台無しにしている。
魔導円6枚積んだ亡霊デックの事故らなさは環境トップクラス。
4・4デックより事故らない。
同時攻撃も普通のデックよりもだいぶ起こり辛いからデザインの意図が達成されていない。
これも無いほうが面白いと思う。



これは8月分です。9月も何かデックを投稿出来たらいいと思います。

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8 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-09-01 14:18:10
初コメです。モンコレ記事をいつも愛読させていただいてます。個人的に制限二種は内一つは「魔力のスクロール」かなと思いますがどうでしょうか?もうひとつは同じく亡霊の魔道円だと思います。
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むしろ (ユミ)
2015-09-01 18:56:24
むしろ制限かけるより緩くして欲しい。
斧をドワーフとトロールに装備できるようにしてください
錬金装備を大型魔法生物にも装備させてください



あえて私が禁止を2種選ぶなら、
「クロスブレード」「コモンドローン」かな。
対抗不可は使われててツマらん。
無限ワラパンチは激しくメンドゥ。
返信する
Unknown (ミノタウロスが環境悪を作り出した根源なのか…。)
2015-09-01 20:02:01
防御4と3と差はまさにそれですからね…全員防御4の竜鳴は本当に強い。
フォクシアもニーベルングもみんな防御4ならミノタウロスは戦斧を気にしなくてよかったんですが、バードマンは戦斧より聖斧隊の方がきついですが。

個人的に制限かけるなら聖斧隊ですね。
こいつミノタウロス対策になってないんですよね、それで他の勢力がとばっちりで被害を被ってるんですよね…なんでこんな半端なユニット作っちゃったんかな。
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Unknown (白鳩)
2015-09-03 01:56:19
>個人的に制限二種は内一つは「魔力のスクロール」

無くすべきは魔力のスクロールという観点は
とても的を射ていると思います。
このブログは設立から5年以上経ってるんですが
当初の設立目的は
「モンコレは3神器が4枚以上入るようになる頃から一気につまらなくなるよ」
と言いたいがために作ったのです。
しかし秘伝の第2スクロールが常態化されて久しいので
スクロールを6枚積めるのは当たり前だと思ってるみたいですね。

>斧をドワーフとトロールに装備できるようにしてください

「エラッタ調整の話ではない」というに。
まあ、半分は同感です。
斧はドワーフと錬金生物の装備品で良かったと思うな。
ワラ対策はスペルが混じるデックにしか出来てはダメ。
だからトロールはアウト。
トロールは防御力もう少し上げてリミット8でアイテム枠4個持てるべきだった。
(それをやったのがミノタウロスなんですけどね)

>「クロスブレード」「コモンドローン」
だいたい嫌われているカードですね。
ただクロスブレードに関しては好みの部分が強いと思います。
わたしはあって良いと思います。
コモンドローンは大半の勢力に対抗手段が全く用意されていないので
登場と同時に多くのデックが環境から締め出された。
確実に出さない方が良かった。

>こいつミノタウロス対策になってないんですよね、それで他の勢力がとばっちりで被害を被ってるんですよね…なんでこんな半端なユニット作っちゃったんかな。

たぶん聖斧隊はコモンドローン対策を視野に入れてますよ。
ブロック6封入の勢力ならコモンドローン対策になっていそうなカードは
ちゃんと配置されていたみたいですから。
聖斧隊は偶数のスペルアイテムデック汎用の
コモンドローン対策のポジションみたいですね。
メインの役割はあくまでミノタウロス対策でしょうけど。
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Unknown (2点が微妙に他を殺してますね。)
2015-09-03 19:47:56
>たぶん聖斧隊はコモンドローン対策を視野に入れてますよ。
仮にそうだとしたら、それはそれで先攻デックに半永久的に使える万能対抗のコモンドローン対策を入れるのは×だと思いますね。
まぁ最後だから作ったんでしょうけど。

ダメージが1点で、牛の場合ダメージ+nでよかったと思います、あからさまですが。
ドローン相手に2点である必要も無いので。

2点+アイテム枠数の2倍のおかげでなんでかジャイアントまで食われている。

使ったら自爆するか、攻撃対抗のみ、のどちらかだったら、なんとかなりますが…。
バードマンはアイテム枠を牛並みに稼げて、ビネガーも使えるので、ガンメタ構築すれば一応牛に勝てる見込みがあります。
しかし、どんなガンメタ構築をしてもエルキュリアには勝てないでしょう。
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Unknown (Unknown)
2015-09-03 22:40:18
新カードが出ない以上
今後も制限無しで行くのが正解に賛成ですね

新弾が出ればカードパワーがインフレして行く
の逆で今の状態で上位のデックから順に制限しても
次の上位デックを制限するの繰り返しで
カードパワーがデフレしていくだけの
悪循環ですからね
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Unknown (結局言いだしたらキリが無い)
2015-09-04 00:15:08
B6自体を作り直せ、というレベルになるので。
コモンドローン対策だってそれこそ本来ならスキュラが担うべきですが、まったくそれができていないし、せっかく作られたドワーフはクロスブレードと聖斧隊で息出来ないし。
吸血鬼なんて速攻で空気になってしまった。

エラッタと制限をかける前に、次から次へと一部インフレさせて解決してしまったので、収集が付かなくなってしまった。
いまさら1枚だけ制限したところで意味が無いんですよね…。
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Unknown (Unknown)
2015-09-04 01:16:08
というか今の段階でもモンコレやってる人の
うち半分くらいは既に大会指向というより
モンコレ自体を楽しんでる人が多いと思うんですよね

そんな中で行きもしない大会のバランス調整の為に
もしも制限カードが出るとしたら
それは不粋としか言いようが無い
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