白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

ウォーター・ハンマー

2018年08月21日 22時15分05秒 | 連載カード考察企画
ブランデッドに引き続いてウォーターハンマーですね。
水属性の普通タイミング焼きスペルです。

ウォーターハンマーの初出は黄金樹の守護者。
水スペル2枠で敵パーティに3点ALL。
火属性のファイアボールと同じ威力と同じ威力を水属性でも撃てるが、
2枠消費というバランス調整の側面が強いカードでした。
黄金樹の守護者では、初期の戦闘スペルカードが2枠になって他の属性にも収録される、
という試みがありその水属性のカードがウォーターハンマーです。
最初期の水属性の戦闘スペルカードは初期のカードが強かったので
ファイアボールなら1枠でも入れる余裕はなかったんですけど
対抗に特化していたイメージが強い水属性に普通タイミングの焼きが入ってくること自体は強かった。
警戒していなければいけませんからね。
ファイアボールは、モンコレ2でそのまま収録されず
ファイアブラストに弱体調整されてしまったほどのカードなので当時の感覚ではわりと強かった。
モンコレ2でファイアボールが収録されたのは終盤でしたね。
あれはいくらなんでも遅すぎたとおもいますが。
ウォーターハンマーはネオスタンダード時代のブロック1でも再収録されました。
1枠で先攻3点ダメージはそのままで、後攻なら6点ダメージになります。
中途半間な普通タイミングの焼きスペルは、防御パンプカード1枚で耐えられた後、
続く攻撃宣言までそれで処理されてしまうのでゲームシステムレベルで強いカードになりません。
防御力3点以下のユニットが敵軍パーティに2体以上居なかったら、
ユニット1体に3点ダメージと同義になってしまうので入れる理由を探すのが大変なカードであります。
ブロック1の水種族はリザードマンとヒッポスだったんですけど
リザードマン、ヒッポスの種族デックと相性のいいカードでもなかったですね。
使おうと思えば使えるカードの範疇だとは思いましたが。

20thのウォーターハンマーは水属性のスペルのハズレ枠ですね。
6枚が6枚とも強いカードだと水が強くなりすぎるから1枚だけ弱いカードを入れたような調整。
2枠スペルがタイダルウェイヴなので実際はそんなに強いわけではないと思いますが。
水デックで水のスペルばかりを18枚入れなければ行けない構築を強いられることは少ないので、
ほとんど使われていないカードだと思います。
わたしが作った限りではオーシャンナイトのデックに入ったくらいですね。

パーティに1D点というダメージはその地形の陥落を目的に使うには貧弱すぎます。
ダイス目が悪いと1体も死なないでしょう。
レベル5以上の主力ユニットは2枠使用でも死なないと思ったほうが良い。
基本的に、相手の進軍1回を止めることを目的にデックに入れるカードになってきます。
50枚のカードにどれだけの破壊力を詰め込めるかの環境ですから、
相手を倒せない普通タイミングのカードを入れる余裕はないでしょう。
相手の本陣攻めをこのカードでスルーして、別働隊で本陣を落とす展開が出来たら
ゲームとしては盛り上がるでしょうがその動きはウォーターハンマーでなければ出来ないのか
と問われるとそんなことはないです。
もっと火力のある焼きスペルでとめるどころか殺してしまったり、
耐えることが目的なら防御力を上げるカードに差し替えたほうが素直に正解に近い。

もともとこのゲーム、普通タイミングの焼きスペルで安定して仕事があるカードは少ないです。
最低限として火力不足で手札に腐るということがないことがひとつのハードルとなる。
特にパーティ対象の火力スペルというやつは、防御力がダメージの数字以下のユニットが
敵軍パーティに2体含まれていなかったら1体に大ダメージのスペルを使っていたほうが強い。
そもそもの話として後攻が取れていることが前提ですから、
つまりドワーフデックが環境に存在していて、
かつそれが並の先攻デックの打点では通用しないくらいの硬さがないといけない。
その条件を満たす時期は歴史的にもほとんどなかったといえます。
モンコレ2初期はドワーフが強かったですけどファイアボールのほうがなかった。

ウォーターハンマーを使って強い場面を挙げてみると
敵軍パーティを全員行動完了させることで1ターンの進軍をスルーできる。
高いダメージが出れば相手に防御力パンプのカードを1枚切らせつつ、
低レベルのユニット1体を殺しつつ攻撃1回も止められる。
普通/対抗の特殊能力を持っているユニットを無理やり動かせる。
というところでしょうか。

これらのような場面が作れれば、戦闘スペル1枚分の仕事としては十分ですが。
他のもっと汎用性の高いスペルでカードプールを埋めてしまっても目的は達せられるのではないか、
またそういった場面をゲーム中に何度作れるか、と考えると素直に他のスペルを入れたくなる。
デックに入れたい戦闘スペルカードは並べると25枚以上あるのに
ユニットと地形を入れると20枚くらいしか入らないから泣く泣く5枚を削ってデックにしているのに
使えるかどうか微妙なカードは候補に残らないですね。
20th環境のデック構築はカツカツで1枚の無駄も許されないので
戦闘スペルカードがデックに20枚入ってるとしたら
その20枚はそのデックにどうしても入れざる得ない20枚になってしまいますね。
もう少しゆるい環境なら使われていたかな。


普通タイミングの役割は直接相手を倒すことだけではなく相手の対抗を引き出すこともあります。
敵軍パーティを全員行動完了させるウォーターハンマーなら
普通/対抗の特殊能力を引き出すことができる。
普通/対抗の特殊能力を持ったユニットが先攻後攻でにらみ合った場面なら
ウォーターハンマーは切り札になります。
今回は普通/対抗で火力を出せる特殊能力も少なかったですけど。

ウォーターハンマー自体の性能の問題もあったけど、環境的にも活躍できるものではなかったな。
水ではなく風とか土とか聖とかにあればもっと使われたかなという気はします。

長く書いてもネガティブなことしか続かないので今回はこの辺で。
次回はエアバースト。
ブランデッドと並ぶ20th環境の最強普通タイミングスペルです。

ブランデッド

2018年08月03日 23時32分07秒 | 連載カード考察企画
今回からブランデッド、ウォーターハンマー、エアバーストの3連戦です。
どれも似たようなカードなので軽めにしたい。

ブランデッドの初登場は黄金樹の守護者でした。
黄金樹の守護者はモンコレ第一期シリーズの最後のセットであり枚数調整やバランス調整的な意味合いがあります。
水の戦闘スペルカードがウォーターハンマー1枚しか収録されていない変わったセットでした。
風にタイダルウェイヴが出たり聖にファイアジャベリンが出たりと
底上げのための当時としては強いカードが収録されているセットでもありましたね。
当時のブランデッドの効果は、1枠で防御力-1D点です。
当時の火属性の焼き系スペルはファイアジャベリンが主流。効果は1体に2D点ダメージです。
レベル6のユニットの防御力は当時でも6点でしたからまともに通用する効果ではなかった。
普通タイミングのスペルとは、直接敵を倒すためのものではなく
攻撃宣言前に相手の対抗を消費させるために撃つものでした。
ブランデッドはダイス目が良ければ敵ユニットを破棄できるかもしれませんし
防御パンプで耐えられても効果としては残るので攻撃宣言前に使うには都合は良かったのです。
かなり程度の低いレベルの話ですけど。
普通タイミングでしか使えない戦闘スペルカードはデックに入れる時点でリスクなので
そこからさらに有効な相手が限られる、効果がダイス目次第となると使える場面が見つかるほうが稀です。
それでも、当時の普通タイミングの戦闘スペルカードとしては優秀な部類でしたが。
敵軍ユニットの防御力マイナスなら3点固定のフレイムピラーのほうが使いやすかったですが。
ネオスタンダードのブロックレジェンドで再登場したときは、1枠6点、2枠20点の効果でしたね。
この効果は勢力ALLのファイアジャベリンより弱かったとおもいます。
無属性でも7点が6点に落ちたらかえって防ぎやすくなってしまう。
火風枠は通常なら火2枠より捻出しづらい色の組み合わせですがブロックレジェンド限定で考えるなら払いやすかった。
それでも強かったわけではないですけど。

20thのブランデッドは環境のスペルの威力の強さを象徴するカードです。
無属性20点ダメージは、破棄効果と同じ。効果が適用されたら捨て山行きはほぼ確定です。
エンデュランスDualで頑張れば耐えることも不可能とはいえませんが。
耐性の効果が減少になったので無属性の20点と属性ありの20点なら
もしかしたら属性付きのほうが強くなったかもしれませんけどね。

破棄効果や無属性20点ダメージの戦闘スペルカードの収録自体は今回が初めてではありません。
初登場は聖王の刻印のファイアイレイザーでしたっけ?
2枠限定でユニット1体を破棄する効果です。
ネオスタンダードではブロック3のファラオカースとブロック5にヘルブレイズがありました。
強力ですが、どれも2枠限定であったので使えるデックが限られるのが難点でした。
今回のブランデッドは2枠で20点ダメージを落とせる他、1枠で10点ダメージにスイッチさせることもでき、
歴代で最強の性能の普通タイミングスペルとなっています。
対抗で防御力を上げる効果は、バトルクライ、プロテクション、アースシールド、エンデュランス、
ジャイアントグロース、エアサークル、ブラックフォトン、英雄の酒とこれだけしかない。
1枚で防御力5点以上上げられる対抗は2枠のエンデュランス、ジャイアントグロース、ブラックフォトンしかないので
防御力6以下のユニットが対象なら1枠でも十分だろうということになりますね。
グングニル、リップル、ブライアーピット、ウィンドカッター、ディスペルマジック、ドラコイリュージョン、
魔力のスクロールを警戒するなら1枠のほうがその後の対抗を処理しやすいです。

防御力の高いユニットからブランデッドを撃った場合、
それを防ぐには対抗でその防御力を貫けるダメージを投げ返すか、
戦闘スペルの効果自体を打ち消すしか手段はありません。
なので防御力の高いユニットからのブランデッドは必殺の威力がありますね。
バルバロッサの強さはブランデッドによるところは大きいと思います。
ブランデッドとディフェンダーがあることでバルバロッサには先攻も後攻も与えられないイメージがありますから。
普通/対抗のダメージなら耐えられるサイズからのブランデッドは打ち消しでしか防げない。
ディスペルマジックか魔力のスクロールと、それにドラコイリュージョンは
対抗されてもこちらのユニットは死にませんし
ブランデッドとスクロールの交換ならこちらに有利な取引です。
普通/対抗で即死対抗が返ってくることがなくなったので撃つ分にリスクが少なくなった。
これも普通タイミングの効果を強くしている要因のひとつです。

ただそれでも、普通タイミングのスペルは普通タイミングのスペルです。
入れないで勝てるならデックに入れておかないに越した事はない。
もしユニットだけで攻撃力が足りないという状況のないデックなら
手札は対抗で使えるカードだけしか入れておかないほうが強いでしょうね。
逆に言うと、ブランデッドはこれがないと打点不足になるデックが入れるカードであって、
使っていてほしいと欲しいとおもう場面がないデックを使っているんだったら
そのデックには普通タイミングのカードは1枚も入れなくていいと思います。
火デックで戦闘スペルカードを入れる枠が余ってしまったんだったら
残りはプロテクションとかアースシールドとかジャスティス、ティルフィングなどの
1枠で使いやすい戦闘スペルカードを*枠限定で使っていたらいいと思います。
火デックでもミカエルならブランデッドは入れなくていいかもしれませんね。
それ以外の火デックだとブランデッドはだいたい入ると思います。
レベル6の大型ユニットから使っても強いですし
レベル5以下なら能力ダメージに耐性付与の対抗を使わせた後でブランデッドで追い討ちするなど
誰で使っても使いどころがありますから。

普通タイミングのスペルは効果で直接相手を倒すことの他、
できるなら相手の対抗を消費させ、その反応から現在の手札の内容も推察するという目的もありますが
そのためには、その効果が絶対に対抗しなければならない、食らったら不味い威力でなければいけません。
しかし相手が防衛側で地形を守りきれたらそれでいい状況の場合、
メインのユニットが死亡しない効果なら対抗する必要はないんですね。
ダメージ適用後そのユニットが行動完了しようが、手札を1枚奪われようが、対抗をする必要がないです。
戦闘スペルに対抗ができる手札は貴重ですからね。
スクロールよりも貴重で取られたくないカードが手札にないなら
カースサークルに対抗して魔力のスクロールを消費してしまうのは損です。
食らったら確実に相手が死亡する。
その地形を取られるとそのままゲームの敗北に直結しかねない。
それくらいの効果でないと使う意味はないんですね。

20年かけてやっと納得できる威力の普通タイミングの焼きスペルが出てきたんじゃないかとおもいます。
というより今までが弱すぎたんですけど。
ブランデッドはここまで。
次回はウォーターハンマーですが書くことが被るので短くなるかも。