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白鳩さんがモンコレで駄弁るブログ

わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

公認大会の追加

2010年04月30日 00時00分10秒 | モンコレ
愛知で5月1日に2大会が開催されるそうな。
公認大会は事前に申請するものだと思っていたんですが
こんなタイミングで追加されたりするんですね。

11時からのランブル形式と
13時からのスイスドロー形式。
はしごしようと思ったら
ランブルは2、3戦で抜けないとダメか。

連続で2つ更新しているので
今回の考察シリーズはなしということで。

小説第二巻とドラマガのプロモカード

2010年04月29日 17時42分08秒 | モンコレ
ドラゴンマガジンにまたPRカードが付くそうです。
6月の構築セット収録カードらしいですが…。
しかも儀式地形カードなんだとか。
なんでしょう。
先行公開されてから全く修正がないという事もないでしょうから
雑誌に付くものがどの程度上方修正されているかで
製品版儀式地形の具体的な強さ水準がある程度計れますね。
長距離飛行の奴や捨て山回収カードは
強かったと思いますけど
他はどれもこれも作り直していい出来でした。
要望はアンケートに書いてくれていいという事ですけど
書いたら何か変わるんでしょうか。

小説の2巻も発売するそうですが面白いんでしょうか。
ゲームの小説はゲーム上の雰囲気を再現するために
コンボとかネタをうまく使ってくれないと面白くないです。
だから書く人はゲームに詳しくないとダメなんですけど。

バブル・クラブ

2010年04月29日 00時00分03秒 | 連載カード考察企画
カード考察第35回はバブル・クラブです。
非英雄として考えればわりとスペックのいいレベル5ユニットで
六王国の戦火から再録された神霊獣の咆哮のユニットカードです。
六王国の戦火はモンコレ2のなかでも
それ以前と比較してユニットのスペックが
一段増したセットになります。
代わりに専用の召喚術士カードを使わないと
小型ユニットが即時召喚可能にならない。
一方で大型ユニットでも特定のタイプが付けば
即時召喚が可能になる、という
特別な位置付けのセットで、
バブルクラブはその中でもタイプを持たないレベル5だったので
召喚術士を使おうが使うまいが
どっちにしろ即時召喚は可能にならないカードだったのですが、
その分タイプ付きの同レベル帯と比較して
高めのスペックを持つ優良カードだと言えます。

モンコレ初期からのレベル5のスペックの基準は
各属性に存在するジャイアントたちであり、
ジャイアントのスペックは
5/4/5又は5/5/4のスペル1アイテム1ですから
レベル5で対抗枠を2枠持つユニットは
5/5/5の基準値から1点下げるのが通例でした。
ですが実際にはこの基準は
環境に即した水準に達しているとは言えないもので
使い勝手のいいレベル5を出し辛くした枷のようなものでした。
六王国以降はこの水準が少しずつ改められ
火スペル2枠と5/4/6を持つボナコーンや
さらにのちの新聖紀の胎動では
実質5/5/5のステータスに
アイテム1と*枠込みのスペル2枠を持ち、
ただし戦場の何処にいるかによってステータスが変動する
使い勝手が特殊な代わりに英雄並のスペックを併せ持つ、
変り種のジャイアントが登場しました。
今回のバブル・クラブはボナコーンと同時期、
レベル5ユニットスペック向上の途上の段階で
登場したカードの再録版です。

Sレギュ以前からGレギュレーションに再録となったユニットは
星剣姫などの最近のセットでは
ほんのごく一部を除いて強化修正が加えられています。
それほど使い勝手が悪い訳でもなかったカードまで強化されており
Gレギュ環境の水準の高さを示しております。
レベル5の水準であったジャイアントも
今ではアイテム1にスペルが2枠。
レベル5で3対抗できるわけですからステータス的に力不足は感じますが
対抗枠数で言えば非英雄としてはそれなりに多めのユニットになりました。
対しバブル・クラブはGレギュ移行時に
修正が加えられていません。
神霊獣だからというのがその主たる理由ですが
もともと完成されたスペックで弄りようもなさそうですね。
厳密には六王国マークが消えたりレアリティが上がったりしましたけど。

固体としてみたスペックは
5/4/6のスペル水水に
普通タイミングで相手の防御力を下げる完了能力を持ちます。
攻撃以外の選択肢として普通タイミングで
ダメージを与える能力を持つユニットは多くいますが、
ダメージではなく防御力自体をマイナスする能力は
それより一段も二段も上手の能力であると言えます。
ダメージを与えるだけでは耐性付与や防御力アップの対抗で
防がれた場合全くの無駄になってしまうのに対し
次に行なう攻撃が通りやすくなって
無駄にはならないわけですから。
ダメージ対抗も効きやすくなり、
ユニットの防御力を0以下まで下げた場合は
対象ユニットは自動的に破棄され
リザレクレションや耐性付与では助かりません。
5/4/6の防御力重視のステータスとも相性がいいですね。
4点で攻撃するより効果が大きい場合が多いですから。
ただしこの効果で何らかのコンボを考えようとすると
特に具体的な活用法が浮かばない能力でもあります。
バブルクラブもアクアリウム、水属性と
強化しやすい条件は揃っていますが、
スペック以外では選抜されづらいユニットですね。

ではこのスペックは、
Gレギュレーションの類似のユニットと比較して
高いといえるものでしょうか。
Sレギュレーションの平均と比較すれば高かったはずですが
神霊獣の時に修正なしで再録されたきり、
他のユニットは再録時に強化されています。
バブルクラブは非英雄の中で見ても
今の環境で優秀なユニットではありません。
ただし悪いといえるユニットでもありません。
レベル5圏の非英雄で水スペル枠を持つ、という条件で抜粋すると
竜宮姫アリアオロ、レジェンドロブスター、ジャイアント、
ヴァンパイアソーン、スカディ、アイラヴィータ、が上がります。
攻撃力と防御力が基礎値に達しているのは
バブルクラブの他には実質5/5/5に上昇するアリアオロくらいです。
それ以外のユニットはそれぞれ使い勝手のいい能力や
アイテム枠なども持ちますが、
数字で選ぶとバブルクラブは秀でて優秀です。
実際にレベル5圏の水スペラーのユニットを
数字だけで選ぶ事はあまりないのですが、
基準として神霊獣ではじめに登場したユニットが
5/5/5相当のステータスにスペル枠2枠とそれなりの能力を
持っていたことは後続するユニットのスペック底上げには
大いに貢献したはずでしょう。
スペル水がスペル*でいいとなるとさらに選択肢は広がります。
ただし5/5/5相当以上のステータスを持つのは
ポイズンジャイアント1体だけです。
数字の安定したレベル5水スペラーという観点で
ユニットを選ぶならばバブルクラブは
レベル5圏全体でも優秀なユニットだといえます。
英雄を含めても枠持ちで5/5相当以上の数字を持つレベル5ユニットは
イッカク、ゴツマジロ、バブルクラブ、アリアオロ、アンドロメダ、
グリングル、ポイズンジャイアントだけしかいません。
レベル5圏が能力や枠でパーティの中核たることを
求められるカテゴリーだからですが、
同時攻撃まで視野に含めると
数字の高いことが特色のユニットもわりと注目されます。
同時攻撃を誘発するスペルが使えるゴツマジロが
跳びぬけて優秀な気がしますが、
バブルクラブもそれに劣りませんね。

種族アクアリウムは瑠璃の乙姫が2種になったことで
今のGレギュレーションで最も強化が豊富な種族になった、
といって過言ではありません。
ただしその分、アクアリウム全体は
ユニットの性能としてはあまり高いものではありません。
正確には、アクアリウムだけでパーティは構成し辛くなっている
というのが正しいでしょうか。
優遇を受けているのは間違いないのですが、
優遇を受けても問題ないだけの要因が他にあるので
相対的には強いといえる種族ではないですね。
バブルクラブはその中で比較的強いユニットです。
ただし対抗が水スペルのみに偏るパーティ編成や
パーティ全体強化なのに
バブルクラブ1体でリミットを埋めてしまうサイズの大きさなどで
相性のいいユニットではありませんね。
パーティとしては特別に強いものは出来上がらないでしょう。

属性水は七つの海の王子とアリアオロで強化できる属性です。
七つの海の王子は強力ですが、
実戦レベルで使えるのは王子1種類だけなので、
水属性は強化しやすい属性の中には入らないです。
水ユニット全体が性能がいいために
強力なサポートが与えられづらいのが背景にあるためですが。

総括すると、バブルクラブは比較的には悪くない性能だが
実戦レベルでは選択肢に登りづらいユニットという事になりますね。
これは、ゲームである以上の必然であり、
豊富な選択肢のなかから選りすぐるからこそ
デック構築という作業自体の楽しさがあります。
優秀なのに脱落するカードが存在しなければ
カードを選び悩む楽しさはないわけですからね。

また完成するデックも層の厚いなかから
選ばれたものたちのほうが総合的に強くなるものです。
完成したデックが2つあったとして、
その中のスタッフのスペックを比較してみると
両者には相対的には違いはなかったとしても
沢山の脱落者のなかから選抜されたAの集団と
Aと同等の能力を持つが選択肢1択の状態でデックに入ったBの集団では、
なぜかAのデックのほうがポテンシャルの面で秀でているものです。
そのデックのカードだけを見れば
強弱の差は見当たらないにも関らず。
特に環境が変化した際にアレンジを行ないたいときなどは
差が顕著ですね。

英雄の登場によって非英雄のレベル5圏は、
サブ戦力でも選択肢第1位のものくらいしか入らなくなりました。
昔はレッドソニアデックに数あわせで
ファイアジャイアントが入らなくもなかったけど
そういう事がなくなったという事ですね。
バブルクラブはその波をまともに受けたユニットだといえます。
似たようなユニットは大量におりますが。
しかしどのセットにも存在する選択肢としては微妙だが
スペック的に見れば強いというカードたちというのは
直接は使われないが、ゲーム全体を面白くしてくれる
大きな要素だと思うのはわたしだけでしょうか。
バブルクラブが収録から脱落までの3年間の間に
1度でも注目を浴びる時があるかどうかは怪しいところですが
バブルクラブがカードプールにあったことは
ゲーム全体にとっては少なからぬ貢献があったと思います。

カード考察第35回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

虹を受ける聖杯

2010年04月28日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第34回は虹を受ける聖杯です。
虹を受ける聖杯といえば古代帝国の遺産の☆レアリティのカードであり
古代帝国の遺産はごく稀カードの存在しない、
☆レアテリィが最も希少なカードとなるセットでした。
そのためかあまり売れてなかったらしく、
その売れていないセットの最希少レアリティであるところの
虹を受ける聖杯は、モンコレ初期においては
意外に価値の高いカードだったりします。

旧虹を受ける聖杯は完了型能力でユニット1体の属性を
自由に変更できる装備品です。
類似の能力を持つユニットには、レベル1の虹の雫の精霊が居ましたが
モンコレ初期はレベル1のアイテムユーザーがいる環境なので
虹の雫の精霊に比べて枚数コストが高いことを除けば
パーティを完成させて劣るものが出来てしまうカードではありません。
髑髏の騎士のコンボは聖杯でも虹の雫の精霊でも
計レベル5で完成できる仕様でした。
ナーガコンボも計レベル5ですね。
ラミア+ピクシー、血まみれ修道女+属性変化、ポケット+轟蟲
などなど計レベル4のコンボもありましたが
実践的なレベルだったのはナーガか髑髏でしたね。

千年皇国で髑髏の騎士とセットで復活した虹を受ける聖杯は
宣言型能力で何度でも属性変化を飛ばせる、という
大幅な強化をされています。
ただしユニット限定の手札代償を求めるようになりましたが。
これはレベル1のアイテムユーザーが居ないための
穴埋めの処置かもしれません。
Gレギュレーションの属性変化ユニット、パリゼットもレベル2ですし
レベル2以上のユニットが行動完了しないと
属性変化できないなら髑髏の騎士はかなり弱いユニットだったはずです。

虹を受ける聖杯は、属性を変化させるという
直接的には意味のない効果を手札続く限り連発できる、
特殊な位置付けの装備品です。
コンボできるカードは非常に豊富で、相手に対して攻撃的に使えるものは
バーニングヴァイパー、太陽を睨む天使、ワルキュリア女神候補生、
髑髏の騎士、汚辱の混沌、ニュークゴーレム、ディスラプト各種。
味方のユニットが特定の属性であったときメリットとなるのは
デュアルカーバンクル、七つの海の王子、アリアオロ、ホブゴブリン用心棒、
グリングル、シルジア、ニードルシャワー、アイアンコーティング、
風神剣ゼピュロス。
これらは自分のユニットの属性を変えてコンボするというよりも
相手に使われても阻止出来る属性コンボと覚えていたほうが良さそうですね。
ニードルシャワーは対抗不可なので実質意味はありませんが。
勿論攻撃目的の属性コンボを相手に使われたときも
虹を受ける聖杯で阻止できます。
昔からある場所は虹を受ける聖杯と合わせると強すぎるためか
効果が大幅に改定されました。
ただしこれだけの数があってもSレギュレーション以前の水準と
比べるなら随分少なくなったくらいです。
Gレギュレーションの属性固定のユニットの多くは、
場に存在するユニットの属性で云々するカードではなく
特定の属性のカードを代償にして
なにかの能力を使うタイプが大半だからです。
Gレギュレーションになってから増えたタイプの特殊能力ですが
デック構築に縛りを与えるだけで以降のパーティ構成は自由なので
いろいろな能力を作りやすいんでしょうね。

髑髏の騎士、ワルキュリア女神候補生、汚辱の混沌、ニュークゴーレムは
特に強力でそれだけでデックのメインになるコンボですね。
ワルキュリア女神候補生は
髑髏の騎士のデックに一緒に入ってこそですけど。
これらのユニットを使うのであれば
当然に必須のカードになるといっていい虹を受ける聖杯ですが
宣言型能力になったことで
第2第3の属性コンボもどんどん仕込めるようになりました。
代償さえあれば1回の戦闘中に何度でも使用出来るからですね。
仕様変更で最も強化されたカードは各種ディスラプトでしょう。
単一でもかなり使えるカードなのに
闇の波動と連続技で使えるようになったことで
属性変化主体のデックでは
主力のスペルといっていいカードになりました。
聖杯でアイテム枠を埋めるので汎用性の高い効果を
スペルで出せるのはありがたいですね。
ニュークゴーレムも聖杯が宣言型になったからこそ
存在感のあるユニットです。
完了型だったら属性を合わせるのに
レベル8が行動完了する必要があったわけですから。
手札がユニット、それも魔法生物のみであれば
2枚につき10点の混沌ダメージを
手札が続く限り連発できます。
この時点で性能が完結しているので
ニュークゴーレムのアイテム2は多すぎて邪魔だと思っていたんですが
ブリガンディが追加されたので分かり易い使い道が出来ましたね。

聖杯を使うユニットの代表格は
なんといっても髑髏の騎士でしょう。
今までは防御力の低いユニットとコンボを完成させていたのに
防御力4の騎士単体でコンボが完成するようになりました。
対抗のされ辛さの点で見てもかなりの強化です。
聖杯は滅びの粉塵やウェポンブレイクでも破壊は可能ですが
ユニットを払って再度宣言すればコンボだけは完成します。
まだスペル枠が*1個残るので十分ですね。
ただしSレギュ以前の髑髏と比較して
必ずしも強化された待遇とはいえない部分もあります。
レベル1のユニットを連れるほうが
アイテム枠1個を埋めてしまうより運用が楽かもしれません。
今のGレギュではレベル1のユニット1体が
アイテム枠1個分以上の対抗力を持つ能力を持っていませんから。
アイテム枠1個分の空きをレベル1のユニットで作れるなら
そちらのほうが強い面もあるかもしれない。好みでしょうね。

Sレギュレーション以前では
最強ユニットの1体だった髑髏の騎士ですが、
Gレギュ以降では最強の座を譲っています。
英雄が登場したのですから必然ですね。
大型ユニットを確実に殺せる能力に加え
対抗枠数というベクトルにおいても
他を頭1つ上回るユニットだったわけですが、
英雄の中にはその両方で髑髏の騎士を上回るユニットも
登場してきました。
虹を受ける聖杯の視点からすると、
いまだ英雄の中に属性変化コンボに関連したユニットが
登場していない事が気になります。
属性変化コンボを使うタイプで
メディアを上回る対抗数を持つ英雄ユニットが登場すれば
1つのバランス調整になるかもしれませんね。
コンボが豊富で汎用性において最強のメディアが
対抗数のベクトルでも最強の一角であれば
環境的に強すぎます。
スペル*多めの髑髏の騎士の上位ユニットのような英雄が
枠の数ではメディア以上だが
コンボは聖杯かパリゼットしかないためコンボが揃いづらく
黒曜蟲やキャリスタは苦手であれば相性は一巡するでしょう。
属性変化コンボを使う英雄は
そのうち何か出てくると思うんですけどね。

虹を受ける聖杯は、属性変化コンボの主軸ですから
今までもこれからも何らかのカードとコンボが出来て
需要のなくならないカードでしょう。
ただし属性変化コンボ自体は全体的にはシェアが狭くなっています。
コンボの条件が多様になっているからです。
昔はコンボといえば属性か種族か、
あとは辛うじて進軍タイプやイニシアチブの有無を問うくらいでしたが
今は特定の耐性があることやチャージやディフェンダーを持つこと。
レベル、攻撃力、防御力の数値のいずれかが特定の数値と一致すること。
アイテム枠を持つこと。スペル枠を持つこと。
即時召喚可能であるか否か。
特定の装備品と組み合わせるコンボ。
チェインも一種のコンボでしょう。
Sレギュで追加された特定の地形に居ると有効な効果や
タイプの有無を問うコンボも健在です。
昔では考えられないような条件を指定して発動する効果ばかりです。
そういう面白い効果が増えてきた反面、
発行されるカードの総枚数が多くなったわけではないので
属性を条件に指定する効果のカードは
相対的に少なくなってきました。
条件指定が細かいほど効果としては強力ですから
1/6の確率で命中する属性指定型の効果は
威力としては抑え目である場合が多いです。
種族変化コンボの勢力にはメディアという屈指の英雄がいるのに対し
属性コンボを主体とする英雄は登場していません。
しかし属性変化コンボがこのままであるはずはありません。
人気の高いデックを捨て置くはずはありませんし
現在でも非英雄のみで判断すれば
髑髏の騎士は最強ユニットの1体です。
虹を受ける聖杯はアニバーサリー脱落後も
髑髏の騎士とともに復活し
Gレギュからなくならないのではないでしょうか。
英雄も登場するでしょう。
これだけ使われている今ですら
歴史的には冬の時代だと思ったら凄いカードですね。

カード考察第34回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
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龍皇子ナーガラジャ

2010年04月27日 01時04分05秒 | 連載カード考察企画
カード考察第33回は竜皇子ナーガラジャです。
端的な使い方を探すなら、
やはりメディアデックにおける
殴り合い担当のパーツという事になるでしょう。
宣言型で攻撃力防御力を上げるタイプに加え、
常道型で条件を満たすことでも
水準をはるかに超える攻撃力防御力を獲得するユニットも
パンプアップ型に分類するとしたら
ナーガラジャはパンプアップ型ユニットの中で
屈指の戦闘力を誇るカードです。
英雄とはいえこんなユニットが何の違和感もなく
存在できているところが水属性のバランスタイプのユニットが
あらゆる面で優遇されていることの証左であると言っていいくらいです。
平常から4/4/4の基礎体力のユニットが
1アクションで9/9まで成長する。
宣言型のパンプアップユニットは別に強い能力でもないのに
レベルより攻撃力と防御力が1点ずつ下げられていて、
不当に弱いという話はしましたが、
条件付けでステータスが上がる常動型は
ステータスに上限がある代わりに初期のステータスが悪くなく
上限があると言っても実戦的には支障を感じない強さになれるので
実は宣言型のパンプアップより優秀なのです。

英雄で、強化に当たってレベル2かレベル3のユニットの
行動完了を伴うことを考慮に入れても
ナーガラジャは秀でて優秀です。
逆に言えばたった1アクションで4/9/9のステータスに
達するという事ですから。

ナーガラジャをステータスを強化させるタイプの他のデックと
パーティ単位で比較してみますと。

道の上のブリキンがゴブリンを2体吊れて8/14/14。
パガンがドワーフor魔法生物を2体吊れて8/5/14ディフェンダー+9
マリモが2体のアクアリウムをパンプアップすると8/11/14
(具体的にどのようなユニットで構成されているかは適当です)

対してナーガラジャの平均的なパーティを想定すると
ナーガラジャ、ナーガの龍道士、七つの海の王子で8/11/13。
七つの海の王子はチャージやディフェンダーを付けることも出来ます。

例示した3つは種族強化系ユニットの中でも
英雄の、さらにその中でも特に強力とされる3種です。
しかも理想的なパーティを完成させた状態を想定しており
汎用性を持たせるにはステータスを引き換えにしなければなりません。
言ってしまえばデック全体を種族デックで統一する必要があるのです。
ブリキンに至っては道の上限定の想定です。
対してナーガラジャは
ナーガの龍道士、ナーガ、ナーガの龍華騎兵、メディア、ポリモルフ
のうちのひとつがあれば他のパーツは自由に組み替える事が出来、
しかもそれぞれがナーガラジャ以外のカードとも
コンボ可能になっています。
殴り合いでは最強クラスのステータスを誇る特化型パーティに
ほぼ匹敵する強度をバランス型デックの1要素の範疇で再現できるのです。
ナーガラジャが、というより水バランス型のユニット全般が
どれだけ優遇されているかはこれを見れば明白でしょう。

パーティ全体のステータスを上げるのではなく
1体が超絶強化される仕様にはメリットとデメリットがあります。
メリットはユニットの消耗を最小限に抑える事が出来る事ですね。
相手の攻撃力を計算してナーガラジャで止まるように調整すれば
最前列のユニット1体しか死にません。
後攻時の反撃もできるだけユニットを残した状態のほうが
攻撃力が高く対抗枠も豊富なのですから
こちらのほうが有利です。
対し、ブリキン、パガンのようなタイプは
低いダメージの対抗を無力化できるという点で優れています。
ナーガラジャは能力を使うユニットを先に殺せれば
パーティが崩壊しますから、そのような弱点がないのが強みです。
本当はこのパーティに1体死亡のコンボでも装備させる事が出来れば
素晴らしい性能になりそうなのですが、
ピクシーの短剣のような装備品に期待ですね。

ナーガラジャ、というよりナーガ系の種族の強みはコンボの豊富さですね。
種族を変化させるカードは
ナーガの龍道士、ナーガ、ナーガの龍華騎兵、メディア、ポリモルフ
の5つ。
それに種族ドラゴンだと強化されるナーガ族は
ナーガの龍剣士、ナーガの龍撃士、ナーガの水鏡使、ナーガラジャ。
加えてナーガ、メディア、ポリモルフなら
可能な種族コンボは無限に考えられ、
特に強力な即死コンボだけでも
ディスペルマジック、滅びの粉塵、ポイズントード
と3つもあります。
水属性に着目するなら七つの海の王子のサポートを受ける事が出来、
そのままアーマーンも付いてきます。
コンボの種類が豊富である事の強みは
様々な敵に対して対応できる汎用性の他に
なによりデックが回りやすいというのが第一ですね。
ナーガラジャを引けなくても戦えるのは大きなアドバンテージです。
モンコレは特定のキーカードが引けないと
最低限の戦力も成り立たないゲームです。
キーカードがデックに何枚で、
戦力が整うまでに要する時間がどのくらいかは
デックの完成度を測る最も重要な尺度の1つです。
10回に2、3回事故って始まるまでもなく負けるデックは
残りの試合の8割を勝っても勝率6割。
10連戦しても1度も手札が詰まらないデックなんて
存在しないといっていいですから
これだけパーツが揃っているのは大変な優遇ぶりです。
パーティ全体をリザードマンで統一しなければならないわけではないので
グッドスタッフを呼び入れるのも簡単です。

しかし聞くところによるとナーガラジャのような驚異的なカードが
今の環境ではあまり使われていないという事らしいですね。
メディアデックのような分かりやすい受け入れ先があるにも関らず。
原因は大きく2つが考えられるでしょう。
1つは先攻デックの攻撃力が高すぎて
攻防のステータスを上げて戦うタイプのデックでは
有利の付くデックが少ない事。
もうひとつには環境が重対抗に傾きすぎていて
今のメディアデックでは
殴り合いでの強さがほとんど必要とされていない事です。

前者の理由は、他の強化系デックなら知らず
ナーガラジャにとってはあまり関係のない話のはずです。
水属性の攻撃対抗なら超攻撃力に対策できるから。
主たる原因は後者の理由でしょう。
攻撃力防御力まで総合的に強力なパーティを作るより、
先攻時の攻撃力がひたすら高いか、対抗数がひたすら多いか
のどちらかのデックの二極化が進んでいるので
攻撃力+5&防御力+5よりも
1回の対抗数のほうが貴重と考える人が多いらしい。
メディアはコンボ系で単純に最も対抗枠数が多いから
使用されるカードという状態で
他のスタッフは水の種族変化系に拘ったチョイスでもない。
それでも4/9/9のユニットに居場所がないというのは
ずいぶんな環境になってしまったかもしれませんね。
メディアの強さはデック構築の多様性であり
ナーガラジャが使われない構築も可能である事が強みですから
そういうデックが一般化するのも無理のない話の1つではあります。
これメインでデック作って良さそうなステータスなんですが
今の殴り合いパワー型は奇襲性がないと
なかなか勝てない環境でしょうか。
パワー型で戦うならもっと極端な攻撃力防御力をもっているべきで、
コンボデックに積める中途半端なパワーのパーツ、
という立ち位置が微妙なだけかもしれませんが。

相対的に考えれば他のパンプアップ型ユニットは使うのが
馬鹿らしくなるほどのカードのはずなのに使われてないのは
逆の意味で環境を顕著に表したカードと言えるかもしれませんね。
ただしそれも環境のなせる業ですから
少しの変化で需要の生れてくる余地のあるカードでもあると思います。
関連のコンボカードが非常に多いユニットでもあるので
そのうちすぐ流行るかもしれません。
それにはまず優位が付く具体的な仮想敵が想定できる様になることですが。
ステージ2ではナーガラジャも一軍入りできるでしょうか。

カード考察第33回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

リザレクション

2010年04月26日 00時37分59秒 | 連載カード考察企画
カード考察第32回はリザレクションです。
戦闘スペルカードを取り上げるのは初めてですね。
リザレクションはモンコレベーシックから存在するカードで
1枠スペルとしては強すぎるといっていいほどの対抗力を持ちます。
そのためSレギュレーションにおいては
手札1枚の追加代償を要求するリジェネレーションに
取って代わられました。
コストの増したリジェネレーションですら
Sレギュで定番の戦闘スペルの地位に全く揺らぎはなく
Gレギュレーションの水準で鑑みても
リジェネレーションの強さが妥当だったかもしれません。
リザレクションが10年のときを経て再録となったのは
やはり神霊獣の咆哮がバランスよりも
インパクトを重視した記念的なセットだったからでしょう。
伝聞によると、リザレクションは
再録されない事が予定されているカードらしいですね。
理由は世界観的に扱いづらいからだそうです。
当然かもしれません。
死人が蘇る魔法がありきたりだったらドラマが成立しませんから。
ゲームシステム上の制約とはいえ
わたしも初めて見たときはザオリクとホイミが
同じコストで使用出来る世界観にはびっくりでしたよ。
ソードワールドでもレベル9の魔法じゃないですか。
ところでザオリクに当たる魔法がリザレクションだとすれば
モンコレでホイミに当たる魔法はキュアウーンズです。
僧侶魔法のなかで最も基本的なスペルであるはずのキュアウーンズが
カードプールに存在しないままでは世界観として想像し辛いですから
キュアウーンズも再録してほしいですね。
モンコレベーシックセットと神霊獣の咆哮にしか
収録されていないリザレクションは
レートが高いまま再録もされませんが
リザレクション消滅後はリジェネレーションが復活するんでしょうか。

リザレクションはモンコレ1、モンコレ2、Gレギュレーションで
ゲームがリニューアルするごとに
仕様が異なっているカードでもあります。
まずモンコレ1では、死亡処理判定に対して対抗する、という
モンコレ2以降ではなくなったルールで解決するカードでした。
モンコレ2になったことで死亡対抗のルールが消滅し、
リザレクションは代わりに「1回だけ死亡しない効果」を
ユニットに与える効果になります。
Gレギュレーションのリザレクションは対抗連鎖が一旦終了すると
効果が消滅する戦闘スペルですが、
モンコレ2当時のリザレクション(リジェネレーション)には
この表記がなく、対抗連鎖が終了しても効果はなくならず
戦闘中にあらかじめかけておくと
2回死亡させるまで死ぬ事がないという強力なものでした。
先に死亡するユニットが置き土産としてかけておく事が出来たのです。
これが強すぎるという事でGレギュレーションでは
表記を追加して効果を制限しましたが
リザレクションは別として、
アトラスなどの他の死亡しない効果まで
連鎖が解決すると効果を失うのはやりすぎかもしれませんね。
ルールが難解になるのでこれはこれで文句はありませんが。

リザレクションは対抗の効果範囲としてみるならば
死亡させる効果、に対して対抗を返す事が出来る戦闘スペルです。
具体的には戦闘スペルの大半、特殊能力の一部、アイテムのわずか、
そして攻撃に対して対抗が可能です。
モンコレにおいて戦闘に勝利する手段は、
相手パーティのユニット全てを
死亡させるか、破棄するか、除外させるか、
あるいは相手の手札に戻すか、しかありません。
後ろの3つは特別なデックでしか行なわない方法ですから
(破棄コンボ、除外コンボが主体のデックではない限り)
戦闘では必ず相手ユニットを死亡させる効果が使用され、
他の効果には対抗出来なくても
死亡させる効果にさえ対抗が出来れば
少なくとも負ける事はありません。
破棄コンボ、除外コンボを駆使するデックであったとしても
ダメージや死亡効果を与えるスペルや能力は
主力といっていいくらいよく使うはずですから
おおよそ腐りようがない戦闘スペルだという事です。

聖属性の戦闘スペルは他のスペルより使いやすいため
聖スペル枠には他の色よりも上位的な価値を付ける人が
多くいますが、その最たる根拠がリザレクションでしょう。
他の色の類似のスペルと比較した場合、
ミストは攻撃力が1点上がるとはいえ
リザレクションから攻撃以外の死亡を防ぐ効果を
取り除いたものだといえます。
土属性の強力スペルのひとつと数えられるサンドカーテンですら、
相手が1回の戦闘中に何度も死亡効果を撃つ事が出来ない限り
リザレクションで代用可能です。
グリーンエンブレイズの防御力+3程度では
攻撃されると最後列のユニット1体しか生き残れないですから
リザレクションは2枠スペルのグリーンエンブレイズと
同等クラスの対抗有効範囲を持つと言ってもいいくらいです。

だからこそリザレクションは聖スペル枠があるデックでは
必須といっていいカードであり
全ての戦闘スペル、アイテムの中で
おそらく最も警戒されているカードでもあるでしょう。
破棄効果、特にバーンアウトやデッドホールなどの
使い捨ての戦闘スペルで与える破棄効果は
特にリザレクションを無効化できるからこそ
現環境で相対的に価値が高くなっている面があると思います。

ただし死亡させる効果の全てに対して
リザレクションは有効な対抗であるか、と
問われれば厳密には否です。
対象ユニットは1体ですから
パーティを対象に死亡させる効果に対しては
必ずしも有効ではなくなる場合があります。
たとえば
ワルキュリア騎兵×2、ゴールデンベア
のパーティが
コーラルドラゴン
を攻撃したところ、
コーラルドラゴンは対抗でブルーメイルシュトロームを使用。
これに対抗してリザレクションを使用しても
相手がブルーメイルシュトロームを使った真の目的は
ダメージでこちらを全滅させる事ではなく
攻撃ダメージを5点以下に抑えることですから
有効な対抗を返せたことにはなりません。
このようなケースは使用者を死亡させる対抗や
効果そのものを打ち消す魔力のスクロールなどが
存在感を発揮する場面ですね。

ここで注意してほしいのが通常攻撃の場合です。
通常の攻撃宣言は最も一般的なダメージソースであり
加えてパーティを対象にした効果ですから
リザレクションでは、全滅は免れるにしろ
大局視点では攻撃を無力化したと言えない状況になることは
往々にしてあることだと思います。
しかしこのような特別なケースの存在を認めても
リザレクションが驚異的な性能のスペルである事に疑いはありません。
通常の攻撃は最も防ぎがたい攻撃手段であり、
いかなるケースにおいても攻撃を完璧に防御できる手段は
グリンウィンドララバイくらいしかないからです。
防御力を上げる効果も
水スペルのタイダルウェイブやブルーメイルシュトロームも
相手のパーティ構成次第では
攻撃は必ずしも無力化することは出来ません。
攻撃宣言を完全に無力化しうる効果は
アイテム、戦闘スペル、特殊能力全て合わせても
複合スペルのグリンウィンドララバイくらいのものです。
ウルフデックのようなほとんど先攻を取って攻撃するだけのデックが強いのは
特に小型ユニットの集団による攻撃が防ぎ辛いからです。
せめて大型ユニットの攻撃ならまだ防ぎやすいのですが
小型ユニットの集団の攻撃は
まず専用の対抗スペル、アイテムでしか防げません。
対抗で使用出来る効果で
対象がパーティ又はユニット全てというもの自体が
ゲーム全体でもあまり多くないからです。
本来攻撃対抗に特化した色であるはずの水スペルですら
タイダルウェイブでは小型ユニットによる攻撃は防ぎきれません。
ブルーメイルシュトロームでは防御力4点以上のユニットの
攻撃ダメージは止める事が出来ません。
相手パーティ構成に関らず攻撃からの全滅だけは確実に免れる手段は
ゲーム全体でもリザレクション、日輪の紋章、ミスト、
グリンウィンドララバイくらいしかないのです。
どのようなユニットの攻撃でも1体だけではありますが
生き残らせる事が出来るリザレクションは
攻撃に対する対抗としても1枠スペルとしては屈指の性能を誇るのです。

余談ですが、スケグルの項で対抗で対象ユニットを除外する効果は
必ず有効な効果となる最強の対抗である、と評しました。
が、これは話をわかりやすく簡略化した言葉のあやで正確ではありません。
この場をもって訂正いたします。
対抗で1体を除外してもそれで攻撃が防ぎきれるとは限らないからですね。
有効な対抗を返す事が出来たかどうかは、
相手の意図した結果を防げたかどうかです。
対抗で相手ユニット1体を道連れに出来ても
残りの攻撃でこちらが全滅していたら攻撃を防げたといえないでしょう。
逆に
バルバロッサ、ナノティラヌス
のパーティが
カリギュラのサンダーストーム
に対してナノティラヌスが自分に一撃瞬殺するようなケースも
十分に有効な対抗を返せたことになります。

対抗力では2枠スペル級の有効範囲を誇るリザレクションですが
見かたによっては他の効果より劣る部分もありますね。
相手にダメージを与える効果を伴わない事です。
対抗がどこまで有効になるかの範囲という観点は、
対抗至上主義的観点に基くなら
戦闘スペルの効果を評する最も重大な要素です。
しかし対抗の有効性だけが戦闘スペルの強さを計る目安ではありません。
アイテムに対して滅びの粉塵で対抗するか、
フラッシュデトネイターで対抗するかは別ですよね。
なにしろフラッシュデトネイターには
2D点のダメージが発生するんですから。
死亡させる効果やダメージを与える効果による対抗の強みの第一は
その効果が効く相手であれば、
使用した効果がアイテムでもスペルでも特殊能力でも
対抗が有効化することです。
効果としてはそれが最も重要です。
ただし評価するべき要素は全くそれのみではありません。
ユニットを倒す方法も兼ねている、という点も
見逃す事が出来ない要素でしょう。
ただ単に相手の行動を打ち消す事しか出来ない効果で対抗するという事は
相手ユニットを倒す手段を別に確保する必要があるという事です。
逆に対抗と一緒に相手ユニットが死亡するのであれば
攻撃力が相手の総防御力に足りていない場合でも
相手を全滅させる事が出来るかもしれません。
戦闘開始時では攻撃力が足りていても、
対抗でユニットを落とされたり
自爆型特殊能力を使用したら足りなくなるケースもあります。
戦闘に勝利するには2つの要素が必要です。
まず相手を全滅させるだけのダメージソース。
第二にそのダメージを相手に到達させるための対抗です。
ダメージや死亡効果による対抗、ダメージや死亡効果を伴う対抗は
第二の要素でありつつ、第1要素を補完しうる場合があります。
リザレクションはこの点では他の戦闘スペルより
劣る部分があるという事がいえますね。

これは同時に対抗力のみに傾倒する対抗至上主義的観点に
基くデック構築の限界というか、弱点といえるものでもあります。
同じレベル、同じコストでどれだけ対抗する事が出来るか、
という観点でユニットを評価した場合
ドライアドや太陽のロザリオは途轍もなく強力なカードですね。
対抗至上主義的な観点において
これらは最上級の性能のカードに当たります。
どれだけ対抗できるかという視点でデックを構築すると
ドライアドのようなカードを優先的に採用したコンボデックに
なりがちではないでしょうか。
今だと水土系のメディアのようなデックが完成すると思います。
あるいはスケグルか。
このようなデックは、実際にも大会で戦果を上げているので
十分に実戦的な構築理論である事に疑いの余地はないのですが
戦闘レベルでの対抗数の多さが至上であるとする対抗至上主義観点は
決して勝利を約束する絶対の考え方ではありません。
例示したデックのような場合だと、
単純に相手を全滅させるまでにターンがかかり過ぎる弱点があります。
ターンがかかるという事は、
対抗数を維持するには手札が常時潤沢であり続ける必要があるのに
手札の巡りが悪いターンもいつかは来てしまうし
同時攻撃に遭遇する確率も高くなるという事です。
そして何よりも勝ったとしても判定勝ちが多くなります。
実際の大会でも多く見られる構築法ではありますが、
大会前に事前に行なうテストフリープレイでは
時間を計ったり判定勝ちでも気にしていなかったりするため
対戦時間の長さという弱点を失念したまま
大会に臨んでしまうこともありがちです。注意が必要ですね。
このタイプのデックの採用率が高いのは
時間的制約を課さないテストプレイ環境では
実戦以上に強く思えてしまう錯覚も影響していると思います。

リザレクションも、対抗に勝ち、どうにか生き残ることだけを
念頭に置くと非常に優先度の高いカードなのですが
同時に相手を攻撃する手段を確保する負担は
別のカードに押し付けているカードだという事が出来ます。
あくまでカードの役割の問題であり、
この要素がリザレクションの性能を低く見る根拠にはなりません。
ユニットが生き残れるという事は、
そのユニットが持つ攻撃力が失われるのを防いだという事でもあります。
ただしデック全体では
リザレクション的なカードのみを積む構築は最善ではありません。
聖属性のスペルは似た性質のスペルが多く、
性能のいいカードを集めると詰まる事も多いので
そこは気をつけておく必要がある、という事ですね。

リザレクションが神霊獣の咆哮に収録されてすでに1年9ヶ月。
再録しない予定という事なので寿命は後1年3ヶ月ほどです。
まだまだ長いような気もしますが
それで最後だと思うと今からさびしくもありますね。
死亡効果をキャンセルする戦闘スペル自体は
聖属性に入れ替わりで追加されるでしょうから
バランスには影響はないだろうと思いますが。
今の環境ではリザレクションは特に強いカードになっていると思います。
聖属性の戦闘スペルの選択肢が実質的には
あまり多くないというのもありますが、
やはり対抗重視に傾いた環境だからでしょう。
まず対抗不可が重対抗をメタれる強さでないし
加えて防御力の高いデックが環境にないので
相手の対抗を防いでレベル分の攻撃力で殴れれば
大抵勝ててしまうでしょうから。
攻撃力の確保に戦力を割かないでいいなら
リザレクションや聖スペル、聖属性にスキはありません。
ドワーフみたいなデックはドリブラやオークに勝てませんしね。
逆にいえば対抗不可とドワーフの強化で
帳尻の合うバランスだと思うんですけど。

カード考察第32回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

深き森のヘラルド

2010年04月25日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第31回は深き森のヘラルドです。
地形を手札に戻すという特殊能力を持つ珍しいユニットですが
かなり使い辛いユニットに仕上がっています。
いろいろな意味で間違ったデザインだと言える部分があるでしょう。
そのいろいろな部分を一つ一つ指摘していきたいと思います。

まずユニットとして、スペック面から見ていきましょう。
基本的な戦力として計算してデックに登用できるかどうかです。
ヘラルドは2/1/2のアイテム1。
種族エルフの歩行ユニットです。
この時点で需要として難しいデザインですね。
エルフにしてアイテムユーザーです。
現状、エルフデックは組めないんですが
アイテムも使えるエルフはスペルよりの種族ですから
将来性的に考えてもスペル枠のないアイテム枠のみのエルフが
使いやすくなるとは思えません。
よっぽど強力な特殊能力でも持たない限りは。
地形と関連するところからも、せめて種族がゴブリンだったら
使えるカードだったんですが。
単体で考えると2/1/2のアイテム1です。
平均は2/2/2のアイテム1ですが
特殊能力を持つために攻撃力が1点下がりました。
これがわたしがたびたび指摘するレベル2圏のスペックを
押し下げたデザインですね。
レベル3なら使い辛い能力であれば
3/3/3アイテム1のまま付けられているところが
レベル2だと2/2/2のアイテム1、無能力が基本であるので
ほとんど使い勝手の悪い能力であったとしても
何か持っていたらステータスが1点下がってしまう。
結果出来上がるのは2/2/2アイテム1の下位互換ばかりです。
レベル2以下の即時召喚ユニットであれば
与えられる能力もあまり効果として強いものには出来ませんので
結果として攻撃力1点に吊り合う価値の特殊能力など
レベル2以下のユニットが持つことはほとんどないんですから。
ヘラルドの基本的な戦力としての性能は
そういうGレギュのレベル2のスペックの低さを如実に表した
典型的な低スペックユニットです。

ヘラルドはレベル2圏のアイテムユーザーが
よほど不足している事情がない限りは
やはり特殊能力を目当てに使うユニットですね。
特殊能力とは、捨て山の地形カードを1枚回収して
手札に戻す能力。
一旦捨て山に行ったカードを手札に戻す能力は
単純に絶対的なゲーム時間の延長に繋がる能力です。
手札が増えることは消耗される山札がその分減る理屈ですから。
実はこのカードと能力、
エルフとダークエルフで
ダークエルフ邪眼部隊と対立したデザインになっています。
自らの捨て山のカードを手札に戻す能力と
相手の手札のカードを捨て山に送る能力ですからね。
ただしどちらの能力も
レベル2のユニットが行動完了して
行なうとするには弱い効果です。
レベル2分の攻撃力を失って相手パーティを
全滅できなくなるのは致命的なリスクです。
それに見合うだけの効果が手札1枚にはありません。
宣言型でこのユニットが死亡すると回収できるとかなら
リスクに当たるものはなかったのですが。

ただしそれでも回収できるカードが
戦闘スペルやアイテムであり、
将来的な決定力に繋がる場合があるなら
使い方次第で強力な能力になります。
相手から見ると、どうしても通す訳には行かない
対抗しなければならない効果に写るのであれば、
髑髏コンボデックのようなデックの中では
普通タイミングの効果としては
十分な戦術的アドバンテージの能力になるでしょう。

しかしここがヘラルドと言うカードのデザインの最大の過ちです。
地形カードは使いまわすカードではないからです。

現在のモンコレカードは4種類。
ユニット、アイテム、スペル、地形カードです。
このうち地形カードは他の3つと
決定的に異なる性質があります。
消耗品ではないということです。
地形カードは一旦配置すると
張り替えられて破棄されるまで
ゲーム終了まで戦場に存在します。
張り替えか手札調整で捨てるかしない限り
特別な事情がないと捨て山に行くという状況が
存在しないのが地形カードなのです。
ですから能力を使ってわざわざ回収するのが
効果として強い弱いを云々する以前に
地形カードはシチュエーションとして
回収を行なうという状況が想定しづらいカードなのです。

強力なロック地形が相手に吹き抜けられた場合の
貴重な地形カードの再使用を目的とするのであれば
多少は使えそうな気もしますが、
戦力的に不十分なパーティで戦闘を経て行なう
非常に遠大で手間のかかる能力でやる事が
単なる吹きぬける風対策ですか。
相手が吹きぬける風1枚しか消費せずに行なったプレイングを
そこまでの多大な代償を支払って巻き返すのですか。
ヘラルドの能力を通せるだけの戦力があれば
地形を回収せずとも正面から相手パーティを倒せませんか。

地形カードというのは捨て山から回収して
使いまわすという戦術に合わないカードなので
ヘラルドには現実的な需要が見出せないのです。

あるいは地形カードを代償にする能力やスペルなら
強力な破壊力と引き換えに大量に地形カードを捨て山に送るので
使い道もあるとお思いでしょうか。
このタイプの効果の場合も
ヘラルドの特性と根本的に合わない事情があります。
地形を代償として発動する能力、スペルは
地形カードであるならどのカードでも効果が変わらないことです。
ヘラルドの特定の地形カードを指定して捨て山から回収できる、
という特性が全く活かされないのです。

この特性が活かされなければ何が問題なのか。
それならばデックに投じるカードは
ヘラルドでなくても何か他の適当な地形カードでいいという事です。
地形を大量に要求するデックであるなら
ヘラルドを入れる代わりに地形カードを入れるべきです。
ヘラルドの能力を2回以上使用出来るか、
あるいはヘラルドが単なるレベル2のアイテムユーザーとして
戦力計算できる場合の他は
そのほうが手間要らずで効率的です。

スペルやアイテムを回収する能力は、
飛行デックに対してウィンドカッターを
スペルデックに対して魔力のスクロールを
選別して回収できるから強いのであって
だから宣言型なら手札2枚を消費して1枚を回収しても
大局的に大きなメリットが発生するのであって
どのカードも均一な価値しかないのであれば
1枚で1枚を交換することにメリットは存在しません。

最終的に、ヘラルドが辛うじて能力を活かせる状況があるとすれば
序盤に自陣に置いてしまった精霊王の神殿を
張り直して自ら捨て山に送った後、
改めて手札に回収して敵陣に張り替えるという
芸を披露するときくらいか
あるいは儀式カードが追加されたら
今後使いまわす戦術にメリットのある地形も
登場するかもしれません。

ヘラルドは、モンコレのゲームシステムに即して
かなり根本的な次元でデザインが間違っています。
ヘラルドを使うという目的で使わない限り
他から需要を求められる状況が
どうしても想定し辛いのがヘラルドです。
儀式地形の投入によって
将来的に多少注目されるかも知れませんが、
儀式地形の中に、使用した後代理地形になったものを
張り直して捨て山に送り、さらにヘラルドで回収して
再度使うメリットがあるようなカードがあるかというと、
どんな強力な効果であればそれだけの手間に見合うのか
具体的なデザインが全く想像も付きません。
支配しているだけで戦場全体に
圧倒的なアドバンテージが得られる地形で
相手は最優先で吹き抜ける風を使わないと
まともに勝負できないような強力な地形でも出れば
そのカードを使いまわすメリットはあるかもしれません。
ただしそんなカードが登場するとはとても思えません。

ヘラルドは弱さの明白なユニットではありません。
地形カードの特性、捨て山回収能力の特性、地形デックの戦術を
研究してはじめてその使い辛さが浮き彫りになるカードです。
現在、モンスターコレクションGレギュレーションの
カードプールは694種類。
ステージ2ではおそらく370種類程度の追加があるはずです。
その370種類はアニバーサリー、ステージ1からの
再録となるカードもあるはずが
それでも1000枚超、1100枚近いカードが
Gレギュレーションの最大カードプールとなります。
1000枚以上ものカードをデザインしていれば
その中に少なからずはヘラルドのようなカードが混ざっていても
誰も責めることは出来ないでしょう。

カード考察第31回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
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リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
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デスブリンガー

2010年04月24日 00時00分01秒 | 連載カード考察企画
カード考察第30回はデスブリンガーです。
Gレギュ初の制限カードであり、
平成22年1月9日以降デックに1枚までしか入れる事が
出来なくなった曰くつきのカードです。
モンコレの制限カードは
実績と対策の難しさ、
ゲームの魅力を狭める事、
大会環境の固定化、
の3つを条件に認定され
これに認定されたカードは
デスブリンガーに限らず
制限カードに指定されることになるとアナウンスされています。
弱いカードだけでなく強力すぎるカードについても
言及してきた当ブログですが、
デスブリンガーのカードデザインに関しても
少し言及しておりますね。
当ブログではデスブリンガーは
ゲームバランスに本当に致命的な問題を生じさせるカードではない、
と評価しています。

なぜか?
制限カードに指定すればいいと思っていたからですよ。

わたしはカードゲームに使用制限のルールがある事それ自体に
全く否定的な考えは持っていません。
対策的なデザインのカードを追加して帳尻を合わせるのと同様に
制限カードに指定する事で
最終的にゲームバランスを取れるなら何の問題もないからです。
つまりデスブリンガーはカードデザイン的に
1枚制限に指定されても運用上問題のないカードだったので
最悪に強くなっても将来的に制限ルールを設けることで
事態の収拾は図れるし
デスブリンガーというカードがあることで
制限カードのルールがモンコレに作られるきっかけになるなら
その後のゲームバランス調整に選択肢が増えて
将来的には面白いゲームが作りやすくなります。
制限カードについて定期的に検討する機会というのは
よほどの大きなきっかけがないと作られませんからね。
種族デックのリーダーユニットのような、
特定のデックのキーカードのデザインで
そのカードに制限をかけるとデックひとつが
消滅するようなカードの場合、
制限カードに指定するという抜け道もありませんでした。
デスブリンガーは制限のしやすさという観点まで含めて
ゲームバランス上致命的には問題のないカードなのです。

制限ルールはSレギュレーションにも存在していました。
スイスドロー大会で勝ち点が減少するデック点ルールですね。
ただしこちらはおなじ制限ルールでも完成度の低いルールでした。
点デックを使って僅差で優勝を逃すのは
使用したプレイヤーの勝手ですが、
点デックとマッチして負けたプレイヤーは
点なしのデックとマッチして負けた隣りの卓のプレイヤーと
同じ負けでも全く異なるのに救済措置がなく、
加えて点数の減少が大会の結果に影響するのは
判定勝ちが絡んだときのみです。
点デックで参加したプレイヤーと
そうでないデックで参加したプレイヤーは
違うルールで違うゲームを遊んでいる事になります。
デック点ルールははじめから
プレイヤーに公平な大会ルールとは呼べません。
その上モンコレの大会形式は
スイスドロー戦だけではないのですから
スイスドロー戦のみしか通用しないルールで
バランスを取るのは無理があります。
制限ルールはエラッタ修正と同じですから
不公平の問題は生じません。
デック点より完成度の高いルールであると言えます。

オフィシャル自身が強すぎた、と評したデスブリンガーですが
このカードは平成20年7月26日の発売から
平成22年1月9日まで
実に1年半もの間(考えようによっては現在もなお)
環境の頂点に君臨し続けたのですから
確かに制限カードにかかってしかるべき
強大な影響力を示したカードであると言えます。
1年半というと、Aレギュレーションでいうなら
モンコレ基本セット発売から空中庭園の降臨発売までの間です。
Sレギュレーションでいうと基本セット発売から
冥界の六皇子発売までの間です。
空中庭園といえば実質のAレギュ最後のセットと言ってもいい
黄金樹の守護者の直前、
冥界の六皇子といえばSレギュの環境ががらりと変わる
六王国の戦火の直前ですから途方もない期間です。
Gレギュレーションはスタートからすでにそれくらいの期間
経過したという事でもありますね。
制限カードにかかるのも止むなしといったところです。

デスブリンガーがデザインされたのは
Gレギュ初のセットである神霊獣の咆哮です。
英雄王の星誕発売のたった1年と1ヶ月前に過ぎないのですが
このセット製作時点はモンコレの本格的再始動が予定されておらず
このセットだけで完結する大味なゲームバランスがされています。
悪い意味で言っているのではありません。
156枚のカードプールで何種類ものデックを組めるようにするには
1枚1枚のカードがデックを跨いで使用出来るかなり汎用性の高い、
つまりは弱点の少ない総合力の高いカードである必要があり
さらにゲームが小さく纏まらないようにするには
単体で場を引っ掻き回すような強烈な個性のカードが
いなくてはならないのです。
デスブリンガーやアーマーンは
その条件に合致する非常に完成度の高いカードであり
これら無くしては
そもそもモンコレが再開されていたかの時点で疑問です。
加えてデスブリンガーは
強力なパワーカードが対立するSレギュレーションの水準から
継続した雰囲気のもとで製作されていますから
千年皇国以降とは一線を画す存在感を持ちます。

敵軍ユニットを死亡させると
相手の手札をランダムに2枚破棄する事が出来る。
デスブリンガーの能力はモンコレのゲーム性に即して
何重もの意味で巧妙に相手を苦しめるよう研究されています。

まずモンコレは、そのゲームシステム上
本陣に存在する以外のユニット、本陣以外の地形は
ゲーム展開上捨ててもいい場合が頻繁に登場します。
ですからどれだけ強力な破壊力を持つ効果であろうと
勝敗には影響させないと言う意味で
その威力を無力化するプレイングの余地があります。
対し、手札を捨てさせる、それもランダムで、
という効果はほとんど如何なるデック如何なる状況においても
素直には受け入れる事の出来ない攻撃です。
手札全てのどれを失っても問題のない状況は、
手札を使い果たして0枚であるか
全く0枚ではないとしても
利用価値のありそうなカードは使い尽くしている、
という状況のときだけだからです。
この状況はゲームを進めていればみられる状況ではありますが
自分の意思のみで意図的に作り出すことは不可能です。
手札はターンが終了するたびに上限枚数まで
絶え間なく補充されるのですから。
手札を消耗しつくした状態を作るには
相手とのやり取りが必要です。
つまり相手との(デスブリンガーとの)戦闘を経るのですから
デスブリンガーの能力を
プレイングでもって無視していい状態を作り出すのは
ほとんど不可能に近いのです。
加えてその効果はゲーム全体に後々まで後遺症として残ります。
山札を消耗させる効果ですからね。
ましてやキーカードが破棄された場合は
それだけでゲームを決着させかねない破壊力になります。

もともとモンコレの相手の手札を破棄する効果は、
(Aレギュの超カードである遠見の水晶玉を除くと)
非常に高コストで使う側にもリスクを伴う効果である事が常です。
多くは普通タイミングの完了型特殊能力で
先攻が取れなくては威力を発揮しづらく、
加えて使用すると攻撃力が足りなくなるので
反撃でこちらのユニットを失う事を覚悟するか
あるいは別に攻撃手段や反撃に耐える手段を
用意しておく手間を要求します。
そのリスクを伴わないで
大抵のデックから手札を大量に破棄できるミスフォーチュンは
非常に強力な戦闘スペルです。
対抗を返しづらく、効果をスルーしづらいという部分も含めて
普通タイミングの戦闘スペルの中で最強といってもいいくらいです。
デスブリンガーはリスクなく通常の戦闘をしているだけで
相手の手札(対抗を行なうための貴重な資源)を
奪えるのですから効果と代償との比較で考えても
強力すぎます。

その上攻撃力7点です。
モンコレというゲームは、隊列のルールによって
打撃を緩和するゲームなのですから
7点という打撃をユニットを1体も死亡させず
耐えられるようにははじめから出来ていないのです。
全く無被害で戦闘を終了すると、
次からの戦いで即時召喚が出来なくなるデメリットも
発生するのですから
攻撃されたら何体かは死ぬようにデックは組まれているのです。
デスブリンガーの能力は隊列のルールを否定しているのです。

モンコレは陣取りゲームです。
陣取りゲームとは戦力の集中と分散のゲームです。
重要な拠点を守るために戦力を集中させる事で
ある地点はわざと手薄にします。
取られてもいい地形を作る事で
取られてはいけない地形を守ります。
デスブリンガーは本来はゲームに影響のない地点の
手薄な戦力を攻撃する事で
同時にプレイヤーへのダイレクトな攻撃が行なえます。
デスブリンガーはモンコレの陣取りゲームを否定しています。

デスブリンガーはモンコレの戦法の定石を
逆手に取ったカードなのです。
しかもひとつの戦法ではなく
いくつもの戦法を逆利用していますから
デスブリンガーからの被害を受けないようにするには
相手の付け入る余地を全く与えずに
最初の戦闘で速攻で倒してしまう以外にありません。
そしてそれは運が味方しない限り
大量に手札調整しないと不可能ですから
大局的な観点でデスブリンガーが無力化する状況は
(運を味方につけない限り)はまずないのです。

戦闘レベルの戦力は8/7/7スペル魔魔*。
加えて耐性混沌。
耐性混沌はクラウドキルとのコンボが可能ですが
防御力7点でははじめからダメージが届く可能性が低いので
あまり意味がないかもしれません。
ダメージが7点に届きうる混沌属性のカードは
ソウルサッカー、アビスオルトロス、ニュークゴーレム、
テラーハンドくらいです。
少なくはないですね。
魔魔*の枠はクラウドキルを除くと、
レベル8のユニットが持つには特別に強い枠ではないです。
ただしレベル8、防御力7のユニットが
生き残るために使うとすれば強力すぎる枠です。
魔スペルはそれに適したカードが揃いますし
2枠の大技は必要なく1枠を3回使うだけで
死ぬ事はなくなりますから。
魔と*の組み合わせも使いやすいです。
*枠持ちのユニットの多くは
スペル聖か魔を持ちますから
スペル*と火水土風の組み合わせよりは
スペル*と聖又は魔の組み合わせはユニットの互換が効きやすく、
つまり色々なデックに入れやすいという事です。
カッターや黒曜蟲で対策しやすい事を除くと
とても戦いづらいデザインですね。

デスブリンガーは強いだけが理由で制限カードに指定されていません。
同時に使いやすさ、どのデックにも入れやすいデザインが
環境を硬直させやすい事が大きな理由のひとつです。
レベル8であるというのが大きいでしょう。
レベル8は単体で成立しますから
レベル上の制限で入れられないデックは
よっぽど奇抜なデックでもないと存在しません。
デスブリンガーはスペル枠が全くかみ合わないデックでなければ
入らないという事がないです。
そしてスペル枠は魔魔*。
使用頻度が高いのも必然ですね。

Gレギュ初の制限カードとなったデスブリンガーですが
3枚詰れることはなくなったものの、
1枚制限になったことで対策の頻度が下がり
引けない試合も多いですが
逆に引く事が出来たときは制限前より活躍する事もあります。
強すぎて気分的に使用を躊躇していた人も
1枚なら入れるようになりますし
ひとつのデックに3枚積んでいた人は
サブデックにも分散して入れるようになりますから
影響力という点では衰えていません。
制限カードになったことはモンコレ全体にとっても
デスブリンガー単体にとってもプラスだったのではないでしょうか。

カード考察第30回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

ゲームジャパン5月号にコメント

2010年04月23日 00時00分10秒 | モンコレ
今日の更新はゲームジャパン5月号のモンコレの記事を
レビューしてみたいと思います。
わたしが今ゲームジャパン氏の記者、大高直樹氏に
注目していることは皆さんすでにご存知かと思いますが、
ゲームジャパンの新号が発売される直前には
毎月こうやってレビューを書いていこうかと思います。
間口を広げるには雑誌で取り上げてもらうのが一番なので
興味を覚えた方はゲームジャパン誌を買ってあげてください。
980円です。

5月号のモンコレ記事は3ページ。
これは少なくないですが、多くもないですね。
今月は新セット発売などの大きな節目がないので
こんなものでしょう。
扱いは軽くはないと思います。

記事の中心はステージ1の全国大会予選に絞られています。
1ページ目は今の環境で強いとされているデックのピックアップ。
2ページ目は星剣姫で組めるようになった新しいデックを紹介。レシピ付き。
3ページ目は実際に予選通過を果たしたデックのレシピを2つ掲載しています。

時勢的にも内容的にも的を外さない記事が書かれていると思います。
発売後一ヶ月近く経った雑誌の記事ですから
厳密には今の時点に(すでに予選も終わっているし)
即した内容ではないですが、
それはわたしが新号発売の直前に取り上げているからですね。

1ページ目にピックアップされた今の環境の強豪デックは5種類。
厳密には、星剣姫が出る直前までの強豪デックですね。
最低限これらのデックに勝てるようでないと
予選通過は出来ないぞ、という事です。
上げられたデックは白夜ウルフ、メディア、スケグル、歌姫など。
これはわたしが考える第一線の強豪デックとも一致しています。
なるほど基本を外さないもっともな指摘であると思います。
今の環境であまり注目されていないカードを主体にして
新たにデックを構築する時などにありがちですが、
「リミット8を埋めると8/8くらいのステータスがあって
 枠が2つか3つあれば合格点」
という自分の基準をクリアしたらそれで完成としてしまうのは
わりとよく嵌る落とし穴です。
テストプレイをする前でも
具体的な仮想敵を提示してそれに勝てそうかどうか、
どういうデックに有利でどういうデックに不利かくらいは
少しは考えておくべきです。
白夜とスケグルに不利が付かないデックを考えると
面白いカードがほとんど選外なるのが
今のモンコレのダメなところですけど。

スケグルや白夜の考察のときの内容と重複しますが、
モンコレというのはスペル、アイテムを駆使して
相手と対抗を返しあうゲームで
スペル枠には色の特色があって
返しやすい返しづらいの有利不利があるから読み合いが発生し、
それが面白いゲームです。
スペルアイテムを使わないデックを使えば
白夜、スケグルにも勝てるだろ、
というのはモンコレのゲーム性を否定しています。
見えてる特殊能力だけでゲームが決着するのは面白くないんですよ。
白夜みたいなデックはないと面白くないんですが、
これが安定して勝てるデックのひとつになってくると
ちょっと話が違ってきますね。
白夜側が一方的に勝てないデックが何かひとつ
メジャーどころに登場すれば帳尻は取れそうだと思うんですけど。

2ページ目は星剣姫の新カードを主力にしたデックを3つ紹介。
デックレシピが掲載されていますがこれらは大高先生が組まれたんですか?
紹介されているのはクリムゾンデック、スキュラデック、錬金銃デックです。

クリムゾンデックはユニットと地形しか入っていない純正クリムゾン。
まず基本的な指摘ですが、
大砂蟲が1枚入っておりましてこれを地平線と魔方陣陽炎で
召喚しようと書いてありますが
魔方陣陽炎で大砂蟲を呼ぶのは無理ではないですか。
クリムゾン以外はフェアリードラゴンやウィスプシェインド、
黒曜蟲などを使用したワラワラ戦法デックですね。
こっちの対抗は乏しいのですが
相手の対抗カードの大半も無力化できるデックなので
立て続けに強力な技を使われない限りは
長期戦で案外勝てたりします。
ただし応用が利かないのでアストロノータスみたいなユニットに
一方的にやられるデックでもありますね。
パーティの即時ユニットを全滅させる能力は、
トンネルに入れるサイズで枠も持っている英雄に持たせたら
メタ的に面白い…
いや、可哀想になるデックがでてくるか。

スキュラデックはヴァンパイアソーンとシークレットブライアーが出たからです。
バシネットと日輪の紋章3積でネプチューンオーラが3枚
・・・はどうでしょう。
本陣戦で(5-1)+3+3のパーティを作れという事?
スキュラにとって消耗品枠は貴重すぎますし
3、5デックにバシネットは相性のいいものではないと思うのですけど。
レインスラッグやセルキーも入ってますが。
攻撃対抗はフルムーンタイド3枚でタイダルやブルーメイルはなし。
スキュラは能力で対抗できるので
普通タイミングの効果として使えるものを、ということですね。
2枠を確保しづらいのでそこがネックかもしれません。

錬金銃デックはユニットは魔法生物とバードマンだけで
アイテムは銃弾と神酒と眠りの粉を積んだシンプルな形。
カードプールが乏しいデック系なので
アレンジの幅が狭いのでこんなものかな、と思います。
奇数レベルがレベル3のバードマン2種類だけで
他は偶数で統一されているんですけど、
これでどこまで戦えるようになっているのかは
構築やプレイングの腕次第というより、
初期状態の銃弾デックにオフィシャルがどこまで目をかけてくれたのか、
ちゃんと戦えるデックを組めるようにしてくれたのか、次第ですね。
このデックが使ってみて箸にも棒にもかからないようであれば
調整や腕でどうにかするよりも
オフィシャルになんとかしてくださいと要望するほうが
先ではないかと思います。

最後の3ページ目は予選に通過したデックの紹介ですが、
これは実際にユーザーが使って結果を残したデックなので
言う事ないですね。
豚狼デックとアビスデックの2種です。
どちらも恐さのあるデックですよ。

さらに3ページ目の下半分を使って1ポイント記事が2つ。
ひとつはカードのフレーバーテキストについて。
背景設定を想像させる内容と評価しています。
アスタロトは堕落したフレイアだった!とありますが、
これは大高先生の見解であって確定情報ではないかな。
消去法で言うとフレイアなのかな、と思いますけど
ワルキュリアは沢山居るのでフレイアとも限らないのでは。
どこかにフレイアと特定出来るフレーバーがありましたっけ?
もうひとつはステージ2の新要素は儀式らしい、という先行情報です。
新規ユーザー向けに儀式スペルの概要を書いています。
ロケテスト後に発売された雑誌だったと思いますが、
オフィシャルサイトで公開された情報は
期間限定情報ですし、仮のものなので触れてないですね。

ゲームジャパンのモンコレ記事は境遇を踏まえていうなら
良く出来ています。
非常に良く出来ています。
雑誌だからといってオフィシャルから
我々の知らない情報を貰えているようでもなく
おそらくユーザーと同レベルの調査能力で、
ライターが純粋に大高先生1人しか居ない現状を踏まえれば
これ以上を望むのは難しい出来です。
モンコレ目当てでこの雑誌を買う読者は
ほとんど居ると思えないのに3ページ貰えているのも
優遇されているほうだと思います。
しかしこれ以上のステップアップは
頭落ちになっている事実もあると思います。
ゲームジャパンの記事からモンコレに興味を持つ
新規ユーザーは居なくはないでしょうが、
大きな集客が見込める間口ではないでしょう。
その間口を大きくするには扱いを大きくしないといけないんですが
そのためにはまずこの雑誌からモンコレに入るユーザーを増やすより先に
モンコレからゲームジャパン誌を買う読者が増えないといけません。
この雑誌で安定して扱いが大きいゲームは
固定のイラストレーターがコラム漫画を描いてくれているんですが
そこまでの地位に行くのは遠いですね。

ジャッジメント

2010年04月22日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第29回はジャッジメントです。
ジャッジメントは復活の破壊神の表題にもなって居る
セットの主役中の主役カードです。
モンコレの応募者全員サービスプロモカードの記念すべき1枚目であり、
モンコレの歴史とともに歩んできた伝説的カードです。
ジャッジメント以降のプロモカードは
デザインでジャッジメントを基準にしており、
背景ストーリーにおいても重要な扱われ方をしています。
Sレギュレーションではジャッジメント自身は登場しませんが
試作型であるイビルジャッジメントが登場しました。
ジャッジメントが沢山のアイテム枠と
専用の装備品によって成り立っているのは
ジャッジメントがモンスターコレクション初の追加セット
古代帝国の遺産を買うと応募で貰えたプロモカードだったからです。
「古代帝国の遺産」は、はるか古代に存在し今は滅びたとされる
魔法帝国の遺跡からその時代のマジックアイテムが大量に出土した、
という設定のアイテム重視のセットで
ユニットと同じくらいアイテムカードが収録された追加セットでした。
それにちなんでジャッジメントもアイテムで武装するユニットだったのです。

しかし旧ジャッジメントは期間中に
応募しないと手に入らないカードです。
期間終了後にはトレードでしか
入手手段のない新規参入者泣かせのカードですから
このカードがとても強くて頻繁に大会で勝ち抜くようだと
不公平が発生します。
そのため、ジャッジメント及びそれ以降の応募プロモカードは
ゲーム的には非常に弱い、
揃ったら強いんですが能力を発揮させるまでがとても大変で
費用対効果としてはとても見合わないようにデザインされていました。
プロモカードを使って強いデックは作れないのです。

Gレギュレーションで復活したジャッジメントもそのデザインを踏襲し、
揃えば多少強いが手間とコストが大きすぎて
デックとしては強くならないようにデザインされています。

なぜでしょう?
プロモカードであった以前ならいざ知らず
すでに他のカードと同等の☆レアリティのカードになったのに
不当に弱くデザインする必要がどこにあったのでしょうか。
「ジャッジメントだから」がカードを弱くしていい理由になるでしょうか。
今回の考察ではジャッジメントの弱さを掘り下げてみたいと思います。

ジャッジメントの単一の性能は
英雄点3点の10/4/4アイテム5。
さらにタイプ裁くもの以外の装備品は
装備できない制限能力である選ばれし武具と
タイプ裁くものの装備品を5つ付けると
手札上限枚数が+4もされるという完全なる姿の特殊能力を持ちます。
まず英雄点3に関しては、
前述のとおりのカリスマ性のユニットですから必然です。
ジャッジメントより英雄点の高いユニットは
そうそう存在していいものではありません。
10/4/4も仕方がないのです。
旧カードからレベル、攻撃力、防御力は弄らない
というデザインルールがありますから。
アイテム5は、6でもよかったかもしれません。
旧ジャッジメントは5つの装備品を付けられるユニットでしたが
試作品のイビルジャッジメントは3つだったし
裁くものの装備品の数も6つ以上出てくるし
完全な姿は5つ装備で発動という事にして
さらに消耗品を1回使えたら、
完成するまでは大変だけど
完成したら強いカードだったのでは。
デザイン的には5に拘ったほうが美しいと考える人も居そうですが。
装備品が特定のものしか付けられないのは別に問題はありません。
新しい装備品をデザインする度に
鋼のブリガンディはジャッジメントが装備すると
裁くものをつけるより強くなってしまう、とか
余計な事を考えるよりははじめから制限があるほうがすっきりします。
完全武装で手札上限が増える完全なる姿は
秀逸といっていいデザインでしょう。
全て揃えるとメリットがある、というのは
いかにもな楽しさがあります。
それが手札上限+4というのは強さ的にも
ジャッジメントの性質的にも吊り合いがあります。
必ずしも発動させなくてもいいですしね。

こうしてみるとジャッジメントそれ自体のデザインは
特別悪くないという事になりますね。
10/4/4は仕方がないから突っ込まない、
という一番肝心なところをスルーした上での評価ですけど。
では肝心の装備品を装備した姿はどうでしょうか。

8/12/8飛行
さらに
宣言型で捨てた手札枚数ダメージを与える能力。
宣言型で進軍タイプを入れ替える能力。
手札7枚破棄で対抗不可7点を与える能力。
完了型で手札を3枚補充する能力。
完了型でレベル8のユニットを行動完了させる能力。
完了型でユニット1体の防御力を-8する能力。
完了型で耐性戦闘スペル&特殊能力を得る能力。
を持ちます。
うーん、能力で使い道がありそうなのは上の3つまでですね。
後は場面場面によっては役に立つでしょうけど
殴って12点が強いのでなくてもいいものです。
対抗不可7点も代償が大きすぎます。
装備品のひとつを入れ替えると
耐性×◎能力がつき、
イニシアチブ+1が得られる宣言型能力を持ちますが
代わりになにかの能力が消えます。

強いでしょうか。
山札3枚と特定の装備品5枚を費やすにしては
強くないでしょうね。
防御力8点が低すぎます。
お互いのイニシアチブが±0の場合
先攻を取れる確率は41.6%しかないのに防御力が8点だと
後攻時は翼の能力だけで相手の総攻撃力が7点以下になるまで
ユニットを削らないといけないわけですが
相手の対抗もあるのに手札が足りますか。
逆にいえばもし攻撃力と防御力さえ高ければ
アイテムは2つ3つだけ付けて
大型が消耗品を2、3回使う戦法で
割と戦えるユニットだったと思うんですが
防御力が致命的に低いです。
8/12/12くらいでそこそこやれるカードだったと思います。
英雄点3なんだから8/24/16くらいになっても
許されたのではないかとすら思います。
旧ジャッジメントも完成形のステータスは
8/12/8だったんですが
表記されている基本攻撃力、基本防御力は
4/4のまま弄らないのがルールだとして
完成形のステータスまで12/8に拘らないといけませんか。
当時よりスペックアップしてるのは分かってるのに。

ここまで強いと相性的に積むデックも出てきそうですか?
それはそれでよくないですか。別に。
そういう状況でしか勝てないカードなんだから。
完全武装させても普通のデックでどうにでもなるユニットでは
環境に勝てる相手が見当たりませんよ。
どれだけ早急且つ完璧に完全武装ジャッジメントを完成させても
出てくるのはどのデックでも倒せそうなユニットでしかない
=ジャッジメントデックはまともにやって勝てるデックがない、
ということです。
ニュークゴーレムと同じようなカードなんだから
回しづらいけど手札が回ればほぼ無敵、でよかったと思います。
中盤までにジャッジメントを完成させさえすれば
勝ち確定のデックであったとしても
たぶん全体勝率は50%前後じゃないですか。

わたしが特に致命的だと感じる欠点は
相手の地形を落とすのに篭手が必要だという事ですね。
ジャッジメントの6つの装備品の中でたぶん一番強いのは翼です。
対抗の要ですし地味にウィンドカッターも無力化できます。
ただし優先度という意味では翼は篭手、鎧、靴に劣る4番手です。
ジャッジメントが戦う上で
どうしても装備したいのはまず篭手と靴ではないでしょうか。
篭手無しでは相手を倒しようがないですから。
生き残る事は出来るかもしれませんが
消耗して地形を落とせないでは負けです。
篭手があれば相手の手札とダイス目次第では
それだけで勝てるかもしれない。
それと並ぶ重要度の装備品は靴でしょうね。
とりあえずリミット8の地形に入れないと
前に進めませんので。
ただしデックにはリミット10の地形も
大量に積んでいると思うので
1枚ずつ置きながら前進しようと思えば出来ます。
それを行ったら篭手も薬で代用可能ですね。
轟力丸があれば14点殴れます。
3枚の篭手と靴がすぐひける訳もないので
これらは装備品と同様に積んでおくべきでしょう。
3番目には鎧が来るでしょうね。
鎧を装備しても防御力8にしかならないんですが
せめて防御力8はないと、どれだけ翼が唸っても
相手の攻撃に耐えられません。
これも金剛丸で代償は可能ですが。

ジャジメントを使っていて一番辛いのはここではないかと思います。
まずどうにかして通りさえすれば相手を倒せる攻撃力と
あまりにも死にやすい状況はどうにかして
本陣の外に出られるようにする。
最低限この3つを満たさないと
ジャッジメントは始まりません。
この条件を満たすにはジャッジメントに加えて3種類のカード、
計4種類のカードが必要になります。
特定の2種類のカードを揃えるコンボですら
あれだけ揃わないのにジャッジメントは4種類。
2つか3つまで揃っているけど、というのは良くある状況ですね。
篭手なしの8/4/8。
鎧なしの8/12/4。
靴なしの10/12/8。
どれが欠けていても攻勢を開始できませんから。

わたしがジャッジメントのデザインで
どうにかしてほしかったのもここですね。
ステータスは篭手と鎧だけで上がるのではなく
どの装備品を付けても「+3&+3」か「+4&+4」は
されるされるようになり
種別を問わず装備品を2つか3つ付けると戦えるようにする。
篭手と鎧は攻撃に使える強力な特殊能力が使えるようになったり
耐性を得るみたいなカードにしてほしかった。
それでデックを固定し揃うまでは大変だが
揃ったら英雄点3点の貫禄の英雄が表現できたと思うんですけど。
さらにいうんであれば瞳は同時攻撃のみを回避するなどと
ケチな事は言わず、
このユニットに「イニシアチブ+6を与える」で良くなかったですか。
同時回避じゃなくて先攻を与えていいでしょう。
同時回避のためのカードを作りたいからといって
本当に同時回避しか出来ない装備品を作らなくてもいいですよ。

わたしはジャッジメントは
完全なる姿を発動させてアイテム枠を全部埋めるより
1枠が2枠残しておいて消耗品を使うほうが
強いのではないかと思います。
手札が悪い場合や相手が小型ユニット主体のときは
翼を装備してもいいですが。
完全なる姿を発動させて手札10枚で裁きの風を撃つのは
消耗が激しすぎるのと
相手にこっちの対抗数数えられてから攻められる不利があるので
アイテムで何度か対抗するほうが好みに沿います。
どうやっても勝てない状況を作れるのは
手札10枚で裁きの風を撃つほうですけど。

ジャッジメントは意図的に使い辛いユニットをデザインした訳ですから
細かく強い弱いを指摘しても、どうも的を外したところがあります。
問題は
「そもそも使いづらいと分かっているカードをなぜ作るのか。
 しかもそれをセットの表題に使うのか。」
という根本的なデザイン思想の是非です。
ジャッジメントはプロモカードゆえの弱さを含めて
伝説となったカードであり、
旧ジャッジメントは弱い事が魅力のひとつでした。
強く出来ない理由があるから強くないカードだったのです。
しかしその理由がなくなった以後も
「ジャッジメントだから」が強くしなくてもいい理由になるのか。
サービス品として配ったものではなく
新ジャッジメントは対価と引き換えに売った商品ですよ。

カード考察第29回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

暴風の魔竜ルドラ

2010年04月21日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第28回は暴風の魔竜ルドラです。
ご存知Sレギュレーションから再録された
大味なユニットの典型ですね。
ルドラといえばかつては長距離飛行と
同時に敵軍領土にしか存在できないという
致命的な弱点を持つキワモノカードだったんですが
Gレギュレーションでは普通の飛行進軍のユニットになり
弱点能力は排除。
地味なところで種族がハイドラゴンから
ドラゴンになっています。

しかしそのインパクトと使いづらさは
ほとんど変わっていません。
やはりレベル8で防御力2点は伊達ではないようです。
召喚と進軍に関しては普通のユニットと同等になったのに
前線にいきなり召喚する戦法と相性のいいユニットだったので
強くなっていないような気がします。
別に旧ルドラの弱さは長距離飛行を無意味化する
自己矛盾の特殊能力というわけではなかったんですね

ルドラは考え方、使い方で
評価がかなり変わってくるカードでしょうね。
ルドラは後攻を取った場合は防御力2点の心許ないユニットです。
が、先攻を取れればGレギュレーション最強の攻撃力です。
防御力で耐えられるレベルではありません。
しかもスペル枠は先攻時の破壊力に特化した
火3枠風3枠の6枠です。
火風枠はゲヘナフレアの登場で
一気に先攻特化の地位を堅固にしたスペル色です。
極端な考え方として、
相手がコンボデックとかではなく、ダイス目でも負けなければ
「大体」無敵と考えていい破壊力をルドラは持ちます。
先攻さえ取れれば物凄く強いユニットです。
しかし後攻になるととたんに弱くなるユニットでもあります。
つまり勝てるか勝てないかが運に左右される部分が
大きいということです。
どうせ負けても1枚のカードですから
ダメ元で攻めてみて勝てたら僥倖という戦術を
どう見るかですね。

構築レベルでルドラを投入する段階で、
確実な戦果を期待して投じる訳ではなく
戦況にイレギュラーな要素を持ち込みたい
という大局的な視点で選択されます。
厳密には、
自分が優位な状況なら引いてもそのまま捨て山、
不利な状況を打破したいときのみ召喚する
というのがプレイングの定石ですから
そのままの流れでは勝てないと悟ったときに
番狂わせを期待して使うカードですね。
それで実際にどうなるものでもないのですが
相手にとっては恐いカードです。
勝利確定の流れだったものが
10%、20%のわずかな確率でも覆りかねないのですから。
大会で優勝が見え始めたときに相手にこのカードを呼ばれて
焦らない人はなかなか居ません。
「コイツはルドラ入りのデックで
 連勝して俺と同じ優勝圏内に入ったのか。
 なんて奴だ。
 これは単なる博打目当てのプレイングでは
 ないかもしれない!
 迂闊に進軍したら何をしてくるか分からない!?」
こっちにはゼロカード同然の捨て駒でも
相手はこのように考えてくれるものです。
火風デックより火風のスペルも使う*枠の重スペルデック
でやると特に効果的です。
なんのスペルを使われるかが読み辛いからです。
対抗重視のユニットと戦った直後に
出されると頭の切り替えも効きません。

ルドラというのは使ってるほうにすれば
確実な戦果の期待できない頼りないユニットなのですが
一方でどんなダイス目が出ても
確実に勝てるパーティと手札を作ろうとすると
一部のデック以外にとってはかなり難しいのです。

問題は「かなり難しい」という部分です。
本気になれば出来ない訳ではないという事です。
強力なパーティが複数組完成して
全体の戦況では優位が確定している状況で
相手が起死回生で召喚したルドラ。
確率的には現実的ではないかもしれませんが
確かに戦況を一気に巻き返しうる未知数の部分がルドラにはあります。
しかし絶好の手札を揃えさえすれば
後顧の憂いなく処理できるカードでもあります。
それが出来るだけのカードもちゃんと山札には眠っています。
しかしゲームは中盤を過ぎ山札も薄くなった場面です。
勝てたとしても判定にもつれ込む可能性も見えてきました。
手札が完璧に揃うのを待ちますか?
それとも少々の憂いは無視して攻め込みますか?

こういうとき躊躇したらダメですよ。
絶対ハッタリなんだから。
対抗が皆無なら手札は多めに交換するべきですが
もしそれでいいカードが引けなかったとしても
進軍自体を取り止めてターンを終了するのは返って危険です。
主力パーティ1個失ったって後続をぶつければ
連続で悪いダイス目が出たりはしません。
目的は本陣を落とす事です。
余裕をもって判定勝ちするより
ギリギリの勝負になっても本陣を目指す手を緩めてはいけません。
ルドラを倒せれば勝ちなんだから
ルドラ1体に最終的に全戦力が費やされる事になっても
時間内に本陣を落とせればいいんですよ。

ルドラに限らず、モンコレのレベル8ユニットの多くは
割り切ったカードです。
防御重視型や一部の安定型を除くと
先攻が取れたらラッキー。取られたら仕方ない。
リミット8で防御力が8点は安全圏ではないので
よほど高くない限りは8点あろうが2点あろうが
関係ないというのもひとつの考えです。
先攻さえ取れれば勝てるだろうし
取れなかったらどっちにしろ何も出来ず負けるでしょうから。

ただし勝ち負けが運任せといっても
レベル8で防御力が7か8くらいあれば
最低、相手はそれ以上の総攻撃力のユニットをぶつけなければならない。
ダイスで負けたら相手はそれだけのユニットを失うという事です。
勝てる勝てないがダイス目次第の賭けであるとして
その賭けは完成したパーティで仕掛ける必要がある。
もし負けたら建て直しも大変ですね。
対しルドラはダイスで負けたら
即時召喚ユニット1体にも殺されるレベル8です。
攻撃力2点の小型ユニット1枚で賭けを仕掛ける事が出来ます。
ルドラの防御力2点のデメリットの最も大きい部分は
ジャスティスやアーマーンで殺されることではありません。
小型ユニット1体進軍の即時なしで波状攻撃を仕掛ければ
(相手が神懸り的にダイス目がよくない限り)
確率上いつかは落とせるユニットであるという事です。
そしてそれはフレーバーにも書いてありますね。
攻撃力の高さに躊躇するより
何度も挑戦してれば倒せるモンスターである事を
バレンタインは見抜いているのです。
まずボルカノをぶつけて次にレヴィンに行かせて
それでもダメならカオスをぶつければ
自分の順番が回ってくるまでには倒せてるはずだという事を
バレンタインは見抜いているのです。

ルドラに限らず、レベル8ユニットの常として
1体のユニットの死亡が即地形の喪失に繋がる弱点は
度外視してはならない非常に大きなものです。
戦闘で負けたとき、もし失うものがカード1枚であれば
ルドラはいくらでも召喚していいユニットです。
波状攻撃をかけていればいつかは相手パーティを排除し
本陣まで至るでしょうから。
しかしカード1枚とそのユニットが支配する地形であった場合
パーティの構成コストが安いことなど無意味です。
リミット8に10枚が詰め込まれたコスト高のパーティでも
戦闘面で無敵で本陣を落とすまでに山札が切れなければ
デメリットが発生しないのがモンコレです。
ルドラは拠点を守らせるには特にリスキーなユニットですね。
このデメリットを緩和する端的な手段は
戦闘はこちらから攻めるときしか発生しないようにする事。
相手の進軍ルート上の地形をルドラに守らせない事です。
つまり中央ラインは別のパーティに守らせて
飛行進軍で斜めからプレッシャーをかけろという事です。
レベル8のユニットは歩行進軍でしか移動できないか
飛行進軍や特殊進軍が可能であるかで
戦略上の価値が大きく変わります。
大砂蟲はかえって弱くなったのではないかと思います。

戦闘レベルのルドラにも着目してみましょう。
攻撃力がここまで高いと防御力で耐えることはまず不可能です。
防御力アップの対抗をほぼ無意味にする破壊力です。
加えて火炎、竜巻、電撃の耐性を持つ。
この耐性は具体的には
フレイムタイド、サプライズウィンド、ウィンドカッター、
電撃のブレス、サンダー・シュトロームが
無力化する能力と同義を思っていただいてかまいません。
ルドラに通用する対抗の効果で
使用頻度の高いものはこの5つくらいですから。
あとはスルトやベリアル、スカディ、パズスなど
探せば色々居るんですが
スルトやバススに有利!というのは
だからどうした的なところがあります。
新しい構築セットが追加されたら
ファイアストリームが効かないので
耐性火炎は価値を増すかもしれません。
ウィンドカッターが効かないので
殺しづらそうなイメージがあるルドラですが
火炎、竜巻、電撃以外で2点以上のダメージが発生する対抗は
有り触れているので
実際はどんなデックにもいくらでも対処手段があるものです。

スペル枠は火3枠の風3枠。
ウォードラム、ファイアボール、フレイムストライク、
フレイムタイド、フラッシュデトネイター、
ティンダーストライク、ゲヘナフレアー、
サプライズウィンド、ウィンドカッター、ヒュプノシス、
メズマライズ、アヴァランチ、ゴッドウィンド。
汎用性が高くて且つルドラと相性のいいカードは
いくらでもありますね。
フラッシュデトネイターとゲヘナフレアーが強力です。
これがあるおかげでルドラと戦闘になる場面では
もしダイス目で負けたらそのままどうしようもないやられ方を
するのではという気になります。
現実にはなかなかそこまでできるものではないのですが。
他のレベル8よりルドラにプレッシャーを感じる要因は
やはりこの豊富なスペル枠でしょう。
連鎖が相手の攻撃からスタートしてしまうと
6枠に対抗勝ちできる気はあまりしません。
ダイス目で負けたときに
ゴッドウィンドが使えるのも大きい。
風2枠消費してももう1枠残っているなら十分ですね。
さらに完了能力ならヒュプノシスで止められますし
飛行ユニットなら何をしてもカッターを返されます。
もしアーマーンが居なかったら
本当に強いユニットかもしれないですね。
カッターと完了型能力が効かない上に
自爆型特殊能力でも殺せなくなると
楽な対処法は見当たらなくなりますから。
もしアニバーサリーが落ちてアーマーンが居なくなれば・・・
同時に居なくなるんでした。

そしてなによりなのがアヴァランチですね。
ルドラは倒すなら自軍ターン時にそのまま相手の地形を奪える形で
倒したいユニットです。
逆にこっちは自分が攻めたときしか戦闘はしたくないと思っています。
さらにダイスで負けたときの保険にもなります。
単純に手札1枚で地形を防衛できるアヴァランチは
それだけを見ても強いカードです。
防御力2点ではアヴァランチに対抗して殺す手段が
いくらでもあるのですが
それはどうしようもないルドラの弱点ですので割り切りましょう。
スペルでどうにかできるのはスパイラルフレイムですが
ただしルドラのために使い勝手の悪いカードを入れるのは
お奨めしませんので
他のユニットでも使えるときだけ使ってください。

耐性電撃と種族ドラゴンにはコンボを狙う余地があります。
強力なのは耐性電撃とラプトリアンの祈祷師のコンボでしょう。
イニシアチブ+20です。
竜姫、ドラゴンの洞窟で召喚でき、竜太子で強化できます。
リミット10で総防御力6にしかならない
竜太子はお奨めできませんが
竜姫やドラゴンの洞窟は本陣に呼びたくないユニットなので
相性のいいカードです。
ドラゴンの洞窟で展開戦を仕掛けるなら
ルドラは強力ですね。
他にはセイクリッドバハムートの代償になります。
セイクリッドバハムートデックにレベル8のドラゴンが
そんなに入るかという疑問はありますが
火風スペル枠が元から沢山入っているデックではありますね。

相手にする敵で相性のいいのはドワーフ。
相性の悪いのはバードマンやオークなどの
先攻を取らせてくれない相手です。
今の環境は相性の悪い相手のほうが多いようです。

ルドラは博打要素はありますが
総合的に見れば弱くないユニットだと思います。
火風のスペルを使うデックなら1枚入れていいカードでしょう。
ただし奇抜なステータスを持つわりに
積極的にその特性を活かしたデックというと、
難しいユニットになるでしょうね。
特にレベル8ユニットにして鋼の門と相性が悪い。
地形ロックが可能だったら
有利なときだけ戦闘を仕掛けられる凶悪なユニットになったのですが
防御力2点でそれが出来ないようになっているのは絶妙かもしれません。
攻撃力を下げる代わりに防御力がもう少しでも高かったら
変に強かったでしょうね。
8/10/6スペル火火火風風風耐性火炎竜巻電撃。
これでは英雄点2点くらいのユニットですか。

カード考察第28回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

魔剣の女神レギンレイブ

2010年04月20日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第27回は魔剣の女神レギンレイブです。
千年皇国の極稀新規カードですね。
アニバーサリーまでのカードは
新録が少ないのでレギンレイブはその中での
目玉カードといっていい1枚です。

スペックは4/4/4アイテム1飛行。
アイテムユーザーで飛行進軍は貴重であり、
特にレベル4圏だと攻撃力防御力も4/4の水準があるのは
レギンレイブとギムレットだけ。
飛行進軍が果たしてスペックを割いてまで獲得するほど
歩行より強力な要素か、というのには判断の分かれるところですが
ゲームバランス上はスペル1枠程度には
アドバンテージのある能力と判断されている事は間違いなく
スペック的に見て弱くはない水準です。
まあ特色がない限りはよほど強くないと
需要は発生しないカテゴリーのユニットですけど。

レベル4のアイテムユーザーは
そこそこのスペックの持ち主が数多く目に付く一方で
デックの主体になれる超強力な特殊能力の持ち主も
数多く要するタレント揃いのカテゴリーであり、
メディア、ブリキン、ブラックホーク、ドリブラなど
有名な英雄が目白押し。
非英雄を見ても髑髏の騎士、女神候補生、ブレインシェイカーなど。
4/4/4のアイテム1に
色スペル1枠、あるいはディフェンダー、
などのスペックで見ればハイスペックといっていいユニット群が
2軍扱いにもなれない生易しいアピールでは選択肢に登らない
大変な競争率を誇カテゴリーに属するカードです。
レギンレイブはあまり使用率の高くないカードかもしれませんが
この競争率の中では良くやっているほうでしょう。

モンコレというゲームにおいて、
そのユニットの需要の有る無しを決する要素は
カードに直接記載された数値や常備能力や特殊能力だけではありません。
モンコレにおいてそのカードの需要を決する最大の要素は「種族」です。
特色のある特殊能力は持たずデックの主役になるユニットではなかった場合
それらよりも「種族」がなんであるかのほうがよほど重要な情報です。
全くごく普通の能力しか持たないユニットであったとしても
種族欄に「オーク」や「バードマン」、「ゴブリン」、
「プラント」「アクアリウム」「ドワーフ」と書いてあれば
一躍専用デックで一軍たる地位が与えられます。
ようするに強力な種族王が力を与えてくれる選ばれた種族であるか否かが
そのカードが選択肢に上がるかどうかの最大の争点なのです。
そうでないとしても属性が強化しやすいものであれば
意外なデックから声がかかるかもしれません。
あくまで「ごく普通程度」のステータスを持っていれば、であって
種族や属性が合致していても普通レベルにも達していないユニットでは
その例からも漏れるのですが。

レギンレイブはワルキュリア、そして聖属性です。ただしレベル4。
これはワルキュリアファンデックを組む意図がない限りは
種族や属性をあてにしてデックに採用されるカードではないですね。
ワルキュリアは言うまでもなく最強の種族です。
スケグルの弾になるからです。
しかしスケグルが強い由縁のひとつはデック構築上において
その能力を活かす構築をするために
デメリットを内包する必要がない選択肢の広さ。
即ちエンジェル、ワルキュリアの弾の潤沢さも
スケグルの強さを支える秘密の一つです。
スケグルはレベル3の弾だけで6種類18枚。
レベル5の弾は自分含めて3種類9枚。
レベル3・5だけで27枚もの代償ユニットが確保されており
すでに供給過剰の段階です。
レベル4のワルキュリアを弾として求める需要はありません。
さらにサンダルフォンもワルキュリアを利用できるユニットですが
これも事情はスケグルと同じですね。
同じデックに入れるレベル5のユニットですから。

レベル4の飛行アイテムユーザーが4/4の数字を持つことに
特別な意味を感じないのだとしたら
やはりレギンレイブは魔剣の付与を目当てに使うカードであるようです。
魔剣の付与は戦闘スペルを代償にして攻撃力を+2する宣言型特殊能力。
宣言型特殊能力の評価については再三語ってきましたが、
その観点から見て単一で評価するならかなり低いレベルの能力ですね。
攻撃力の底上げには使えますが、
対抗としては相手の防御力アップ対してしか対抗を返せないですから。
上昇値は代償1枚に付き+2。ただし戦闘スペルカードのみ。
攻撃力しか上げられないことや上昇幅で判断すると
パンプアップ系能力としてはそこそこの水準ですね。
それほど攻撃力が沢山上がる能力でもないです。
プロテクションを相殺するにも1枚では足りず、
この能力で相手が防御力アップを追い抜かそうとした場合
相当な代償が必要。
4/4/4のアイテム1が持つ能力ですと
あまり強力なものは与えられないのは仕方ないのですが。

このカードを使いづらくしている要因の一つは
ユニットはアイテムユーザーなのに
代償として使えるカードはスペルだという事です。
スペルアイテム双方を使う構成を強要し、
スペルだけを積めるだけ積む構築も成り立ちませんから
このカードの代償戦闘スペルカードは
他の能力の代償カード以上にずっと高コストです。
デックの構成自体がピーキーで
そのわりに極端に攻撃力を上げられるわけではありません。

しかしレギンレイブには他のパンプアップ系宣言能力より
異質で優位な点が2つあります。
ひとつは対象ユニットがこのユニットだけではない事ですね。
この特性があるから様々なコンボを考える事が出来ます。
手札を消費する宣言型特殊能力の中で
自分以外を強化できる能力を持つのは
グラシア、カーリー、アスタロト、レギンレイブの4種だけです。
対して攻撃力準拠の特殊能力を持つユニットは
エレクトラ、フレイア、ブリュンヒルド、そのほか
かなり強力なものが揃っています。
特にレベル4のワルキュリアは
能力が攻撃力準拠になっているのは
偶然ではないでしょうね。
攻撃力は防御力より上げづらいので
攻撃力準拠のコンボは破壊力が大きい気がしますが
気のせいでしょうか。
レベル4とは組み辛いのですが特にレベル3に強力なものが揃います。
といっても上昇幅が2点では
エレクトラとフレイアくらいしか旨みがなさそうですが。
スペルではテラーハウンドとタイダルウェイブが攻撃力基準ですね。
タイダルウェイブは相手の攻撃力ですが。

そしてもうひとつの異質にして優位な特性は
パンプアップする前からステータスが水準に達している事です。
パンプアップ系ユニットは強化できる代わりに
スタート値が低めに設定されている事が常です。
厳密には強力な能力でもないんだから
その上ステータスがレベルにも達していないのが
納得がいかないユニットが多い中、
レギンレイブの4/4/4の安定数値はわりと優秀なのです。
攻撃力が上げられるユニットで
もともとの攻撃力がレベルに達したユニットは
レギンレイブとアルカナセンチネル。
防御力が上がるタイプでレベル以上の防御力は
ヒドラ、バラックの門番、ココ、アルカナセンチネル。
アルカナセンチネルは優秀ですね。

これはスペック割れしている他のユニットたちが
不当に弱いと考えるべき部分かもしれません。
攻撃力も防御力もレベルより1ずつ低いユニットは
パンプアップ系では標準的なステータスですが
よくよく考えたら他のタイプの能力で
攻撃力と防御力が両方ともレベルより低いとしたら
かなり強力な能力が与えられているのが
普通ではないかと思います。
上げられる方法があるからって
そのために固有の代償を要求されます。
通常時水準以下で
指定の手札を毎戦闘おきに2枚も支払って
やっと水準を少し越えるくらいの強さになれるだけ、
というのは他の能力と比べて法外ではないでしょうか。
ランスロットがプラントを毎戦闘1枚常備できたら
どれだけ強いかを考えれば
パンプアップ系全体が押し並べて
弱く設定されていると言っていいでしょう。
それらと比すれば相手の防御力が特別に高いときだけ
能力を使えばいいレギンレイブは
十分優秀めのユニットであるといえます。
他のパンプアップは上昇値は大きいかもしれませんが
元のステータスが低かったら同じですからね。

分かり易い受け入れ先のデックがないので
ファンデックでないとなかなか登場しないカードですが
冷遇ぎみのパンプアップユニットの中で
レギンレイブは実はかなり頑張っているカードです。
具体的な需要を見出すのであれば
アイテムを使って且つ
重スペルでスペルが余りがちになる偶数デックで
どうにかというところですか。
攻撃対抗だけが過剰供給の水スペルデックや
普通タイミングだけが過剰の火スペルデックなど
汎用性に乏しい1色しか積めないデックだと
スペルがダブるのはなくもない状況です。
そのデックに攻撃力準拠の能力でもあれば使えない事はない。
具体像はちょっと見え辛いですが。
このカードも英雄登場直前で
控えめ控えめにデザインされたカードなのかもしれません。
バラックの門番などと比べたら
戦闘スペルで攻撃力+2点は妥当な水準。
種族や属性でサポートが付いたら
すぐに実戦投入できそうな強さのはずです。
でもモンコレは種族なんですよね。

カード考察第27回は以上になります。
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トンネル

2010年04月19日 00時00分10秒 | 連載カード考察企画
カード考察第26回はトンネルです。
はじめての地形カードですね。

トンネルは神霊獣で収録されたカードですが
これも広い意味でアニバーサリーのやってしまったカードの
ひとつに入ってしまうでしょう。
収録した当時はそうでもなかったんですが
その後のゲームをデザインしていく上で
想定した路線から外れてしまったカード。
後悔しているわけではないけど
出さなければよかったな、と思わないでもない
環境に少なからず悪影響を残してしまったカードです。

現在、地形カードの中で
リミット7以下の地形はこのトンネルしかありません。
リミット7以下の地形はSレギュでは珍しくなかったので
出すつもりがあるなら追加はとっくに出ていて良さそうなものです。
特にリミット偶数の狭い地形が無いと
偶数デックには一方的に不利な状況が続きます。
つまりGレギュレーションには
リミットの狭い地形は増やすつもりがない
というデザインコンセプトが見え隠れします。
という事は、トンネルも
アニバーサリーで落ちたら戻ってこない
可能性の高いカードの1枚でしょう。

さらにいえばロック地形として機能する地形も
今のGレギュにはほとんどありません。
トンネル、白夜の空、鋼の門、昔からある場所、
くらいですね。
あえて言えば道やシャーウッドの森、奈落も
そのような使い方が出来るカードかもしれませんけど。
そして昔からある場所以外の3種は
アニバーサリーの、それも神霊獣のカードです。
昔からある場所は黒曜蟲的な位置付けのカードですから
後からでも追加されたとして、
まともにロック系地形として幅を利かせているカードは
最初の試作実験的なセットである神霊獣で登場したものしかない。
今のモンコレは極端な地形ロック戦術を否定して
デザインがされている懸念があり、
今後このようなカードは一切追加されない可能性が高いです。
3つもあれば十分だと思ってるだけかもしれないですが。

リミットの狭い地形がトンネルだけ、
という環境はかなり強烈なものです。
基本的にリミット5に対応できるかどうかの1点で
地形ロックデックに対する耐性が決します。
リミット5の地形で戦えさえすれば
地形ロックに詰まされることは今の環境では少ないですし
リミット5で戦えないデックであれば今の環境では
常にロック系デックに襲われる危険に怯えなければなりません。
さらにいえばトンネルの入るデックは
白夜の空も入っている事が多く
地形展開戦は白夜トンネルデックの独壇場ですね。

トンネルの強さで最も重要なのは
トンネルを置く側にはデック的な弱点が発生しないという事です。
特定の地形に対応した構築をすると
通常はそれ以外の地形、特にリミット8で効果なしの地形では
戦力的に劣るパーティが完成することになるはずです。
白夜の空や鋼の門ではそれが構築上の弱点になります。
しかし今のカードプールでは
リミット5、8、10に対応したデックを組む事は
種族の選択を誤らなければ簡単です。
これはレベル3が即時召喚可能になった事が大きいですね。
リミット5、8、10に対応していれば
おおよそ全ての地形で100%の戦闘力で戦えるのですから
偶数デックに強烈な進軍制限を仕掛けつつ
相手の地形を攻める際に障害が無い。
リスクのない形で封殺を仕掛ける事が出来ます。
デメリットはあえて言えばデックの地形枚数を
多めにする必要があるくらいです。

その代わり、リミット5に対応しているデックも
それほど少なくないため、
必ずしも有利な地形になるわけではないのが欠点なのですが
それを言い訳にして
偶数デック側にとってはかなり対処法の乏しい、
一方的に厳しい環境のまま捨て置かれている現状が
続いているのではないかと思います。

歩行主体の偶数デックにとってトンネルの制圧力は圧倒的です。
まず地形ロックを破壊する手段が現在の環境では乏しいといえます。
吹きぬける風と地平線だけ。
吹きぬける風などの地形対策地形は、
ロックデック以外に遭遇した場合は無価値な地形となるわけですから
入れること自体がデックにとって負担になり
対策対象である地形カードが絶対数として少ない場合は
遭遇率の関係からも入れるメリットが相対的に小さいカードとなります。
1枚ならまだしも3枚入れるのはすでに一種の賭けですね。
にも関らず吹き抜ける風があっても
トンネルデックに必ずしも有利が付く訳ではありません。
もし相手のデックがトンネル上でもそれ以外でも
戦闘力が下がらない構築であった場合、
トンネルは吹きぬける風で完全に無力化できて
やっと互角にしかならないわけですから。
序盤の早すぎるタイミングで引いてしまうと
空き地に置いて足場にしてしまいますし、
逆に沢山入れていてもなかなか引けない状況もあります。
ただし重要なのは本陣から本陣までの
最短ラインの2地形だけですから
重要な場面で1枚引ければいいカードである事が
辛うじての救いですね。
もっとも吹きぬける風で手札を1枚減らした状態で
手札6枚で待ち構えるリミット8の地形を
落とせる保証は無いのですけど。

吹きぬける風は単なる地形対策地形でしかないため
単一のメリットがなく、積極的にはデックに入れづらいところが
相対的な不利を発生させている主要因ですが、
地平線が登場したことで状況はかなり前進しました。
本当は偶数デック側にも鋒矢の陣などが追加されれば
環境的にはうまく吊り合うのですが、
低リミット地形の簡単に完成するロック戦術を
Gレギュのデザインでは否定しているわけですから
鋒矢の陣のような手軽な低リミット地形は出てこないようです。
そもそも戦場に①~⑥までの番号を振るルールが
今はなくなりましたから
ルールの定義からやり直さないと出せませんね。

トンネルは唯一のリミット7以下の地形であると同時に
数少ない奇数リミットの地形でもあります。
奇数リミットの地形はトンネルの他に
リミット9に1枚、リミット11に1枚、
さらに99に1枚と計4種類しかありません。
それ以外はリミット8、10、12です。
リミット奇数に拘るメリットは
オーガパワーブラザーズぐらいしかないのですが
リミット8と10に対応しつつ、
9や11のサイズでも戦えるようにするのは構築上難しいので
オーガパワーブラザーズを安定して使いやすい
リミット奇数の地形はトンネルだけです。
ただし隙間がリミット2しか残っていないので
オーガパワーブラザーズの乗るトンネルから
相手の地形に戦力を送り出すのは困難です。
相手の進軍を締め出しつつ
こちらからは一方的に戦闘を仕掛けられる
地形ロックのメリットは発生しません。
リミット9、11の地形はレベル3に有利な効果がありませんし
今のところオーガパワーブラザーズは
使いづらいままのカードですね。

トンネルで忘れてはならないのは
言うまでもなく自軍支配地形と張り替えられる効果です。
レベル6以上のユニットを無抵抗なまま破棄し、
レベル4以下のユニットも即攻め込まれれば風前の灯火。
レベル5のユニットですら即時召喚ができなくなって
1体では返しようの無い戦力を送り込まれるのですから
トンネルはロック地形の枠を超えた攻撃的な地形です。
この効果のあるおかげで相手は地形を落としても
山札を消費して逐一自軍配置の代理地形に張り替える
負担を負います。
それでも吹きぬける風とのコンボがあるので安全ではありません。
吹きぬける風とのコンボは手札2枚を同時に消費する大技ですから
プレイングのレベルで狙って使おうとすると重いコンボです。
ただしトンネルが強い理由はあくまで普通に置くだけで強いこと。
普通に置くだけで強い地形が
さらにこの能力を持つから本当に強いのです。
対戦で使用する機会が訪れるかどうかは
そのときの引きの運とマッチ運に任せるとして
構築の段階では気にする必要はありません。
リミット5に対応したデックに
地形を積む余裕があるなら吹きぬける風とトンネルは
優先して積んでいいカードですね。
両方とも単一で使っても強い地形なんですから。
さらにコンボが炸裂してしまえば
レベル4、またはレベル6以上のユニットの守る地形は
一方的に陥落させます。
レベル5のユニットが守る地形に対しても、
即時召喚の作戦を狂わせますから無駄にはなりません。

リミット分のアドバンテージを得る代わりに
手札2枚減った状態で
(つまり手札4枚で手札6枚が守る地形に)
攻め込む不利を抱える、と考えるのも
あながち正解とも言えません。
合計レベル5のユニットが確保された状態で
リミット8の地形に攻め込む場合は
残りリミット3を即時召喚で埋める必要があります。
最低で1枚。場合によっては2枚以上。
リミット8(あるいは10)がリミット5に下がるという事は
レベル3分のユニットを呼ぶ負担が消滅し、
相手の手札のうち、即時召喚ユニットとしてキープしていた分も
無意味化します。
計レベル5ではそれだけ常備枠も少ないのですから
手札が少ない不利が緩和されるでしょう。
相手の作戦を破壊するメリットを考えれば、
このコンボが全く無意味になったりする状況は
実はほとんどないのです。
相手の見えている戦力が、
こちらのレベル5の戦力より明らかに強力で
トンネル上でも勝てない事が分かっている時くらいですね。

リミットの狭い地形では即時召喚を計算する必要が無いため
落とせる落とされるが広い地形より予想が付きやすくなります。
不確定要素は絡みづらい方が奇襲やロック戦術には有利ですね。

現在、トンネルを最も活用するデックは
白夜の空も投入する本格的な地形ロックデックです。
当初はそれほど強力なカードでもなかったのですが
戦闘重視のデックが増える一方で、
進軍、地形展開レベルの戦い方をするデックは
儀式の無い今のGレギュ環境では
白夜トンネル系のデックが唯一といってよく
どんどん相対的地位が上昇していき、
偶数レベルの英雄、レベル6以上の英雄の増加も手伝って
今では第一線級の強豪デックの一角です。
永久凍土も辛うじて吹きぬける風⇒トンネルのコンボに
安全な地形がひとつ得られるだけで
相手側のロックした地形を破壊する能力はありませんし
戦闘では互角になるだけで
永久凍土だから特に有利が付く訳ではありません。

これは継続されるとしたらかなり危険な状態ですね。
さらに今後の展開を予想すると、せっかく投入される儀式地形が
このタイプのデックにあまり通用しないどころか
利するデザインである事がわたしには大変な懸念です。
ユニット1体対象の儀式スペルでは
先攻型のワラデックを主体とする白夜トンネルデックの
地形ロックは崩せません。
体験会のカードについてコメントしたとき、
デススペルは対象ユニットを2体まで選べるようにすべきだ、
とコメントした意図はまさにここで、
そもそもダメージ系の儀式スペルは何を意図して製作するかというと
ロック地形や戦闘レベルで勝ち目の見えない相性の戦力を
打破するために投入するカードのはずです。
そしてモンコレでは1体の大型ユニットに
どうしようもない状況にされる事は現実にはまずありません。
ロック戦術やハメ技は
小型ユニットの密集によるコンボなどで成立するものです。
ですからダメージ系儀式は小型ユニットの集団を倒す事を念頭に
デザインするのが理に適っているのです。
ただし効果範囲が広すぎて
1発で勝負が決まるレベルでは強すぎます。
そこで落しどころとして、
全体の環境としては許容範囲で
且つ、トンネルと白夜の空のデックは
メタれる威力になるところから「2体」なのですね。
(異なる地形にいる2体を選ぶ事も可能。
 強すぎるようなら2体に与える合計ダメージ分、
 手札を捨てるべきかもしれません)

ゲームコンセプト上、英雄ユニットは
あらかじめ儀式では殺せないようにするつもりなら
大型ユニットも殺せるようにダメージを上げる修正は無意味でしょう。
非英雄の大型ユニットに儀式スペルというカードを
わざわざ投入してまで相対的な強さを調整しなければならないほどの
強力ユニットは見当たらないんですから。
そういうデザインだとワラ系デックが
ますます力を強めてゲームバランスにマイナスです。

ほぼユニットと地形で構成されている白夜トンネルは
手札破棄の代償が払いやすいので
魔神掌を最も使いやすいデックになることは明白でしょう。
進軍レベルの戦法を最もよく使えるデックとして
地位はますます向上すると思います。
トンネルコンボで大型、
デススペルで小型が落とせるようになりますからね。
戦闘外でほとんどの戦力を落とせるデックになるでしょう。
ここまでは避けられません。
ならば、強力な攻撃オプションが追加される代わりに
デススペルを最も苦手とするデックもこのデックである、
というのはバランスの取り方としてアグレッシブだと思うのですが。
どうせ白夜デックで使われるカードなら
直接ダメージ系儀式などはじめから出さなくてもいいのでは、
と思わないでもないけど。

トンネルは奇数が弱かったSレギュ時代では
帳尻あわせとしてちょうどいい強さのカードだったんですが
奇数のほうが強いGレギュ環境では
強いデックがますます強くなる理不尽なカードになってしまいました。
しかも対立するデザインのロック地形が追加されなくなったため
数少ないロック系地形のなかで最強のカードとなってしまっています。
これは再録当初の想定からはずれすぎた大活躍だろうと思います。
十分にアニバーサリーのやってしまったカードの1枚ですね。
このカードが落ちるまで待つのか
他の低リミット地形も出すことで帳尻を合わせるのか。
今の流れではロック系は出さない方向になっているようですが
叫び声や戦慄などはロック系でも面白いカードなので
ステージ3ではこちらと交換してほしいです。

カード考察第26回は以上になります。
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邪眼の女帝エレクトラ

2010年04月18日 00時00分01秒 | 連載カード考察企画
カード考察第25回は邪眼の女帝エレクトラです。
アニバーサリーで登場したダークエルフのリーダーですね。

エレクトラは攻撃力ダメージの対抗を連発する事が出来ます。
基本2点でなんらかの手段で攻撃力を上げれば
ダメージを引き上げる事も可能です。
ただし装備品は装備できず
スペル枠は魔主体枠なので
攻撃力を上げる対抗は苦手です。
2点のダメージを連発するという対抗は
宣言型能力としてはスケグルほどではないにしろ
最強クラスの効果のひとつです。
1枠のスペルでは上位のカードといっていい
ジャスティスを再現する効果ですから。

スケグルを除く宣言型能力は威力が似たり寄ったりで、
対抗で使えて単一でゲーム的に効果がある宣言型能力は
低いダメージを与える、
耐性を与える、
パンプアップする、
手札に帰る、
ウォーターシェルの再現、
イニシアチブを得る、
効果が当たるかが運次第、など
それだけで相手の対抗を完封できる性能にはなっていません。
死亡をキャンセルする能力と行動完了する効果は
その範疇から外れた威力ですが、
これらは相手を直接殺せる能力ではなく
代償が手札2枚以上にデザインされていますから
能力で戦局が拮抗すると
消耗で不利になるよう調整されています。
それ以外の宣言型能力はコンボ前提です。

防御力2点以下のユニットが含まれないパーティは
現在では少なくないのですが
それでも全く無力化されてしまう状況は
ほとんどありません。
2点ダメージを対抗で撃てる効果は
代償1枚の宣言型能力としては(スケグルを除くと)
十分に最高クラスの能力と言えます。
これに比肩するのはブレインシェイカー
くらいではないでしょうか。
ただしこれだけで制圧されるデックというのも限られます。
防御力3以上のユニットが使用する対抗には
通用しませんから。
防御力2点以下のユニットが全く居ない事はないにしても
普通パーティには1体くらいしか混ざらないはずなので
実際にこの能力で潰せる相手の対抗を潰せる機会は
1戦闘中で1回か2回であろうという事です。
封殺を行なえるような対抗アドバンテージを
得られるわけではないという事ですね。

ただし例外が存在します。
防御力2点以下のユニットのみを集めた
特化型デックの存在ですね。
現在、防御力2点以下のユニットだけで
戦力を構成するのは
先攻型のデックのオーク、バードマン、ハーピィ
の3種のデックが見当たります。
しかしオークデックには千年皇国で
エレクトラと同時に対策カードが登場しています。
オーク鉄馬兵団ですね。
普段から封殺に近い制圧力を展開する
オークデックの守護神ですが
役割としてはオークがエレクトラに全滅しないように
配慮された対策カードなのです。
バードマンとハーピィには
ピュートーンの黒い猛毒と
ラプトリアンの焔蛇兵の輝粉爆発、
サファイア・ドラゴンの碧波のブレス、
ブルー・ジニーの電撃を
ブロックする飛行船隊が登場しましたが
肝心のエレクトラと象砲手バルカンが
防げません。
次で追加予定のニーベルング聖晶騎兵隊の
閃光ダメージも防げませんね。
5点ダメージ以上が飛ぶ聖晶騎兵隊や
ニュークゴーレムはまだしも
エレクトラとバルカンは
飛行船隊でブロックできるようにするべき
だったのではと思わないでもないですが
飛行船隊の能力が戦闘スペル耐性から
各種耐性に変更されたのは
(さらに言えばハーピィもフォローしてるのは)
製作者側がデック間の特性を理解した上での
必然の変更なのです。

さらに言えばこれらのカードは
対策カードの範疇に収めるには強すぎる
対抗力を持つカードでもあります。
モンコレには特定のカードだけに効果を絞った
微妙な対策カードが過去に大量にありましたが
実際に環境に影響するには
このくらいの性能が必要であるという事です。

実戦で想定できる状況のどこまでに対応できるかが
対抗の効果を評価するうえでの最大の見極めどころであり
強い効果を低コストで
(理想を言うと負担の無い代償で撃てる宣言能力で)
撃てるカードは、場合によっては強すぎるくらい強い、
というのはスケグルの項で解説したとおりです。
エレクトラの2点ダメージの宣言能力は
4/2/4で防御力3点以上の相手には
全くの攻撃力不足になる弱点も考慮すると
これだけで勝てるほど強力な能力ではありません。
むしろエレクトラにとって
苦手となるパーティのほうが目に付きます。
ただしデック全体では
アンデッドを代償に含んでいること。
スペル枠が魔に加え*枠があり、
混沌耐性まで持つことで
絶妙のデックが組めるユニットでもあります。

アンデッドをデックに入れられることで
ありがたいのは対大型ユニットとして
髑髏の騎士を採用できる事ですね。
髑髏の騎士にとっても
防御力2点以下のユニットを落とせる
エレクトラはありがたいユニットになります。
ただしアンデッドのユニットには
レベル偶数のユニットが実はそれほど多くありません。
レベルのアンデッドはワイトとラケンシュの霊姫のみです。
レベル4を主体にするなら
レベル2を大量に投じて代償を確保すべきですが
レベル2の代償はダークエルフが中心になります。
ミッドナイトクイーンが追加されましたし
暗殺部隊や拷問部隊など
優秀といえる部類のカードも多いのですが
これだけで戦えるかというと
根本的に攻撃力がなく、
対抗力も枠の数がそこそこの
微妙なパーティしか組めないですね。
大型ユニットに対して戦闘力を発揮できるのは
髑髏の騎士だけではないかという事になります。
ネビロスやヴェノムストライクが
ダークエルフをフォローしていたら
絶妙の調整だったかもしれませんね。
惜しい事をしました。
スペル枠と耐性は非常に優秀です。
スペル魔にはクリティカルとデッドホールがあります。
エレクトラのためにあるようなカードですから
6枚積んでもいいくらいでしょう。
その場合はエレクトラ以外にも
属性ダメージを与える手段を
用意しておくべきかもしれませんが。
防御力3以上のユニットに対する対策であると同時に
全ての効果に対抗できるコンボに昇格しますから
相手からすれば、もし手札が万全であれば
勝ち目が見えません。
耐性混沌は言うまでもなくクラウドキルです。
耐性混沌とスペル魔を持つユニットは
今のGレギュにはエレクトラとデスブリンガーしか居らず
他の魔ユニットに見習わせたい組み合わせです。
エレクトラ以外のユニットは死ぬのですが
2枠で大ダメージがばら撒かれますので
相手からすれば一方的に壊滅させられてしまう
恐怖があります。
2枠スペルの威力としては妥当なのですが。
さらに偶数レベルのアンデッドといえば
ドリブラが追加されていますが
これはエレクトラにとっては
強力なライバルの出現かもしれませんね。
両方とも小型対策に特化した性質ですから
エレクトラとは用途が被ります。
デックが補強されると同時に
エレクトラがデックから追い出されるかもしれません。
エレクトラはドリブラ、髑髏の騎士のデックに
1枚くらい入れておいてもいいカードだとは思いますけど。

ダークエルフはパーティの戦闘力を向上させるタイプの
種族王が今のところまだ居りません。
今後種族を強化するユニットが追加されることで
ダークエルフ全体が強化される余地がありますから
伸び代を残したユニットであるといえます。
種族関連の能力という意味では
すでに隻眼の皇太子とミッドナイトクイーン、
エレクトラ自身がいるので
さらに追加されるかというと難しいところではあるのですが。
アンデッドもフォローしていますから
ネビロス同様アンデッドの充実でも
強化されるかもしれないカードですね。
疫病デック復活で復権もあるかもしれません。

ダメージを与える対抗を宣言型能力で撃てるユニットは
ダメージの水準でゲームバランスに
多大な影響を与えるカードでもあります。
2点の対抗を撃てるユニットが環境にいる状況では、
耐性を与えるような対策ユニットが別にいない限り
防御2点以下のユニットを主体とするデックにとっては
デックの総合力に蓋をされたようなもので、
一時的に流行っても入れ替わりで
封殺カードが台頭するのは目に見えているのですから
バードマンデックのようなタイプは
どこまでいっても最強にはなれない下地があります。
かといって防御力の低いユニットばかりの種族には
耐性を与える宣言能力を持つユニットが
必ず配備されている環境も困り者でしょう。
逆に他のデックを封殺してしまいかねません。
ですから宣言型の対抗能力は
どの程度のダメージまでなら許されるか、
は重大な争点です。
低ければいいというものではなく、
バルカンのようなユニットだったら
ハングリースパイダーくらい追加されてもいいのでは
ないかと思います。
計レベル7で常備枠がなく
防御4以上のユニットには無力ですから。

しかし4/5/3のスペル*が
5点のダメージを連発したらどうでしょうね。
4/5/3のスペル*は
5/5/3のアイテム1スペル*より使いやすく
5点ダメージは一部のデック以外は
完封できる封殺範囲だと思うのですけど。
揃ってしまったとき、
相手側の対処手段が限られるというか
大型主体デック以外では全く無いといっていい
レベルではないですか。
そのユニットが居るから
聖晶デック全体の回りやすさや総合力は
半端なデックになっているようなら
セットのデザインとしてはどうでしょうね。

カード考察第25回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。

虹のつまった指輪

2010年04月17日 00時22分08秒 | 連載カード考察企画
カード考察第24回はリクエストを採用して
虹のつまった指輪です。
ユニット以外をテーマにするのは初めてでしたっけ。

アイテム1枠でスペル枠が7つも増えるという
アニバーサリーのやってしまったカードのひとつです。
たぶん1度落ちたら戻ってこないでしょう。
アイテム1枠と引き換えに得られる
対抗能力としては破格の性能で
手札をどれだけ戦闘スペルで満たしても
まず1戦闘中に使い切る事が出来ます。
ただし構築レベルでは弱点を内包します。
あまりにも効果がずば抜けすぎていて
虹のつまった指輪を活かせるほど
戦闘スペルを入れていると、
指輪が引けなかったとき
カードが全部無駄になることです。

虹のつまった指輪は
パーティのスペル枠総数を7つ追加します。
もともとのスペル枠が1個あれば合計8つ、
2つあれば合計9つになるのですから
どういう構築をしても
指輪がある状態と無い状態とでは
パーティの枠数に極端な隔たりが発生します。
ある状態を前提にデックを構築すると
引けなかったときの惨事が大きくなり
無い状態でもある程度戦えることを念頭に置くと
指輪のスペル枠が余るパーティになります。
指輪が引けるかどうかに依存したデックになるか、
あるいは指輪の枠を活かしきれないデックになるか、
どちらかで、ともにデックとしては
弱点を抱えるという事ですね。

メリット面を考えると非常に大きいカードですね。
虹のつまった指輪で得られるスペル枠は、
火水土風聖魔*の7枠。
それを1体の大型ユニットが保有する事が出来ます。
枠の色が散らばるメリットは
スペルの選択でおおよそ考えられる全ての状況に
対応できるという事です。
これだけあって返せない状況はありません。
ただし同じ枠を重複して使えないので
散らばらせないといけないのはデメリットでもあります。
しかしスペルの選択肢が広いので
デメリットとして感じられる事が少なくなってますね。
今のGレギュレーションの複合スペルなら
汎用性の高いものが多いので
チョイスに詰る状況がありませんから。
グリンウィンドララバイとラプソディが大きいです。
普通対抗で2Dダメージを飛ばせるスペルは
計6枚も積めます。
2D点ダメージはほとんどのケースで
オールマイティな対抗として機能します。

ここで比較となるカードには
タイプ弓(現在はタイプ錬金銃)が上げられますが
タイプ弓も手札の対抗カードを1度にいくらでも
消費できるという点では指輪と同じですが、
構築レベルでの自由度では
虹のつまった指輪に圧倒的なアドバンテージがあります。
たとえば防御力4以上のユニットの戦闘スペルに
対抗できるカードがタイプ弓では3枚しか使えません。
ゲーム全体で使える数は
魔力のスクロールの数と変わらないという事です。
捨て山から手札を読まれやすいことも含めて
これはタイプ弓の相当に不利な弱点です。
手札に矢が6枚あっても全部使えると限りません。
腐らないカードを自由に選択できるのが指輪の強みですね。

指輪が強いのは対抗数の引き上げだけでなく
それだけの対抗を大型ユニット1体で
行なえる事があります。
防御力の高い1体で対抗し続けると
ダメージ系の対抗では返され辛くなります。
このメリットは大きいです。
相手の対抗の一部が自動的に無力化しますから。
しかも1体さえ生き残らせれば
相手パーティを全滅できる状況になります。
反面虹のつまった指輪には
封印の札、スクロール、粉塵の3種の
どれでも対抗可能なデメリットはありますが
内容的には吊り合いません。メリットのほうが大きいです。
3神器の3積で対抗するデックに
手数で負けることはほぼありませんから。
瞬発的な対抗力偏重の考え方でデックを構築すると
スケグルと並んで最強のカードの1枚と
評価する事が出来ます。

虹のつまった指輪は
アイテム1枠を持つユニットであれば
誰にでも使えるカードではありますが、
現実的には有用に使えるユニットは限られます。
理想を言うならば、
大型ユニットに持たせるのがベターです。
相手の対抗が通じ辛く、
戦闘するたびに戦力が失われ辛く、
デックのユニット数を減らせれば
それだけ沢山スペルを積めますから。
あるいは戦闘で勝ち続ける限り
戦力が欠落しないタイプのパーティであれば
極端に大きいユニットである必要はありません。
ただしリミット8を埋めるのに
計3体以上のユニットが必要なサイズであれば
一考の余地があります。
攻撃力防御力が足りていない状況があると
それを補うためだけに1対抗使っていたら
せっかくの対抗数が1回減るのと同じです。
壁役の即時召喚ユニットを呼ぶのも
防御力の上がるスペルを持つのも
状況的に同じという事であれば
ユニットを増やすよりスペルを増やすほうが
効率的かもしれませんがあまり弱すぎると
対抗勝ちできても相手パーティを全滅できません。
大量の手札を消費して
相手の地形を落とせない戦闘は
消耗で不利になるだけなので
そういった攻めはしなくていいようにはすべきです。

大型のアイテム使いは増えたので
使い手の選択肢は充実した環境があります。
大型ユニットと指輪の揃えば勝ちのデックは
運用がピーキーになりすぎるのですが。
理想を言うならば、
アイテム枠の他に指輪が無いときでも
少しはスペルが撃てるように
スペル枠もあったほうがいいでしょう。
序盤で速攻で負けるパターンさえ回避すれば
確率的には中盤までには揃うはずですから
指輪無しでも1回か2回対抗できるだけで
全く違うはずです。

虹のつまった指輪というのは
構築ニーズ的には
デックの弱点を埋める目的でチョイスするカードです。
つまり想定されるあらゆる状況に対して
引き次第で全て対応してしまえるデックを
目指すときに使うカードだと言えます。
指輪無しでも色を偏らせれば
スペル枠5枠くらい揃ったパーティは
今の環境では作れます。
対抗数のみでいえば指輪と同等の数の対抗が行なえる
デックを組む事は今なら出来るのです。
指輪を使うのは、使えるスペルの色を散らばらせて
全ての状況に対応できるようにし、
対抗不可能な想定を全く無くしてしまうためです。
逆に言えば指輪をニーズとして必要とするデックは、
元から特定の状況には強い対抗力を持つが
対抗出来る状況に穴があるようなデックである事が多い
という事です。
そのようなデックが長所を尖らせて
一点突破するのではなく、
事故率と引き換えに瞬間的な最強を目指したとき
指輪をデックに投入します。
枠の数に目が行きがちですが
指輪は主として対抗可能範囲を広げることを
目的に使うカードです。

これらの特性を鑑みると
最有力の使い手として浮かび上がるのは
やはりスケグルだったりします。
モンコレシステム上の最強のデックを思い描くと
特定状況(といっても守備範囲は非常に広い)において
最強の対抗力を持つスケグルと
対抗守備範囲において最強の指輪が
(実際的な対抗回数では指輪は最強ではありません。
 ウェポンブレイクやサンドカーテン、エンデュランス等等
 で対抗を返しきれる状況を作ってしまうと
 土ドラゴンデックに負けたりします)
邂逅するのは両者の特性を理解すれば
必然であったことがわかります。
それ以上にスケグル自身が*枠、
他のワルキュリアが聖枠を持つ構成が
優先度の高い強力なスペルを自然に使える
非常に都合のいい枠だった事が大きいのですが。

全ての戦闘スペルを入れたいだけ入れる事が出来たら
あらゆる状況に手札の数だけ対抗を返せる
最強のパーティが作れます。
それを可能にするのが虹のつまった指輪というカードですが
指輪を装備したときしか使えない複合枠の戦闘スペルは
代用的な利用価値が無いわけですから
指輪デックの戦闘スペルというのは非常に高コストな
代償カードだという事が出来ます。
そのカードが引けないとき、
代償カードだけでどの程度役に立つかが、
特定の代償を要求するタイプの宣言能力の価値を決める
大きな目安である、というのは
これまでも再三に渡って書いてきました。
この考え方は虹のつまった指輪にも応用できます。
枠の合わない戦闘スペルは
指輪で消費する以外に使い道の無いゼロカードです。
この考え方に乗っ取ると
指輪以外の枠では全く使えないわけではないので
最悪とは言わないまでも
指輪が引けないときはほとんどは捨てるしかない。
その意味ではバランス的には
強すぎるカードでもないのが虹のつまった指輪です。
ゲームがあまりにも引き次第の運任せになってしまうので
つまらないから要らなかったとは思いますけど。

指輪を採用すると
苦手なデックに対する決定的な対応力を得る事が出来ますが
手札が詰って事故死する確率が同じだけ発生します。
仮に4回に1回はデックが事故死するとした場合、
通常の構築では対処できないであろう苦手デックとは
4回に1回以上の割合で遭遇する環境でなければ
指輪をデックに採用するメリットは見出せないという事になります。
(指輪を入れても必ずしも勝てるわけではありません。
 勿論指輪を入れなければ事故はないという事もないですが)
ということであれば勝率という観点で
指輪を採用してプラスになるデックがそれほどあるかというと
実は入れないほうが勝てるデックのほうが多いです。
ただし全勝優勝を目指すのでれば
ピーキーなデックで悪いときは全く勝てないが
勝てるときは相手が何をしても負けようが無いデックで挑むほうが
優勝できる確率は高い。
つまり総合勝率より優勝本位の大会形式のゲームでは
運任せのデックでいくつもの大会を梯子するのが
戦略上の最適解という事になります。
競技人口が増えてゲームからカジュアル性が薄れると
この作戦を採用する人間の割合は増加する傾向になります。
また単純に20人参加30人参加の大会では
このようなデックを選択する人間が
少なくとも全く居ないという事は確率上ありえませんから
大会は引き運、マッチング運が勝ちすぎる環境となり
ゲームの面白さにはマイナスです。
ニュークゴーレムのようなデックはあっていいのですが、
そのようなデックは総合的な勝率で言えば
アベレージが低い中堅以下のデックであるべきでしょう。
鬼回りで優勝も不可能ではないが
費用対効果としては狙うメリットが小さくなければ
荒らしデックが環境を制するゲームになって面白くないです。
なのでアニバーサリーまでのカードとして
再録はされないほうがいいですね。

カード考察第24回は以上になります。
当ブログでは取り上げるカードのリクエストを
随時募集しています。
リクエスト対象カードは
神霊獣の咆哮から復活の破壊神までの全てのカード。
金冠の悪魔ゴモリーと星剣姫の烙印のカードは含まれず
星剣姫で再収録された破壊神以前のカードは含まれます。
この記事のコメント欄でもふるってご応募ください。