老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

来年度予算案に思う  ~安普請の家~

2018年12月23日 19時55分39秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 21日の閣議で、来年(2019年)度の予算案が決定されましたが、予算規模が初の100兆円を超える大型予算となりました。

 新聞などで指摘の通り、防衛費や社会保障費の増大が大きな要因のようですが、私が特に気になった二つの点について述べておきます。

(1)膨らむ一方の借入金 
◆歳入
・先ず新規の国債発行(新たな借金)は32.7兆円と、形の上では一応前年より3.1%減少して発行額は減少したことになっています。

・しかし、これにはカラクリがあり、預金者保護に備えた預金保険機構の剰余金から8,000億円を繰り入れたり、国が保有しているNTT株の売却で1,500億円を見込んだりして、税外収入として大幅な増加を見込んでいます。
これはいわば国の資産を食いつぶして、国債発行額を少なく見せる手段と言えるでしょう。

◆歳出
・国債費(借金返済)は23.5兆円と昨年と比べて若干増えています。
・しかし、昨年の予算ではこの内に約9兆円の支払い利息が含まれており、如何に低金利だとしても、1,000兆円を超える借入金では、ほぼ同規模の支払利息は必要でしょう。

◆結局、表面上は新たな国債発行は若干減り、国債費は若干の増加という辻褄合わせをしていますが、来年度における国の借入金は32.7-(23.5-9)=18.2と、18兆円以上の借金の増加ということになります。


(2)消費税増加分は、バラマキで消える
◆来年は統一地方選挙や参議院選挙などを控えており、とにかく選挙を最優先する政府/与党は、あれやこれやというバラマキ策を織り込んで歳出の削減など一切考慮していません。

◆12月1日のこのブログでも触れたように、本来は国家財政健全化に向けられる予定だった消費税については、その目的は全く無視され、来年10月からの10%へのアップについては、アップ分を上回るような各種還元策や他用途への支出が考えられています。

 別な言い方をすれば、少しでも税収が増えるのを、これ幸いと税収増加分以上の各種バラマキ策で、選挙に対しての人気取りを目指しているのです。


 要するに現政権には目先の選挙しか頭になく、財政健全化をせねばというような意思は全くないのは、ここ数年の予算編成を見ていれば明らかです。
このような政府の在り方を見ていると、先日の新聞の川柳欄で目にした“「安普請」字であのかたを連想し”という熊本の方の川柳を、つい想い出しました。

 耐久性よりもパット見の良さを追求する安普請(やすぶしん)の家は、その内にガタガタと倒壊して行くのでしょう。

 更に、現在の国の借入金を考えれば、現在西欧各国で検討されている金融緩和策の見直しに伴う金利上昇などはとても考えられず、国民が汗水垂らして貯蓄に回している預金は果実など産まずに、低金利政策の犠牲になるという事でしょう。(まさ)