老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

外国人労働者の受け入れについて  ~続~

2018年12月03日 19時40分32秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 この件は色々な問題や準備不足が指摘されながらも、安倍首相の海外予定に合わせて、例のごとく11月28日に衆議院で強行採決され、来年4月から施行されることになったようです。

 11月11日のこのブログで私なりの考えを書き込みましたが、その後も色々と考えているとこの問題の本質について、更に付け加えておきたいことがあります。

 即ち、今回の新制度は“現行の専門的・技術的分野における外国人の受け入れ制度を拡充して、一定の専門性・技能を有して即戦力となる外国人材を、期限を付して受入れる”と言う事が建前になっています。

 しかし、その受入れ部門のリストを見ると、建設/介護/農業/製造現場などの分野が大きな比重を占めており、世間で言われる3K産業での労働力不足をカバーするためのものであることは明らかです。

◆これらの分野については、現在でも「技能実習制度」という名のもとに多くの外国人実習生を受け入れていますが、この制度を利用する企業の中には、“実習”という名の下で安価な労働者としてしか利用せずに、非人道的なケースが見受けられ、多くの実習生の脱落あるいは逃げ出しが起こっており、まずはこの問題を解消する施策の確立が第一でしょう。

◆そのような施策が確立し、その分野での熟練者となったとしても、多くの問題があります。即ち、
・期限が切られた状態では、その仕事を安心して続ける意欲はなくなるでしょう。やはり、安心して働いてもらうための国家としての受入れ体制が必要です。

・更に、熟練者になったにせよ、世間の評価が弁護士や医者など所謂高度の知識と経験が必要とされる分野の仕事に従事する人々とは同等に評価されないという事でしょう。
これは、外国人だけに限られたものではなく日本人にとっても同様ですが、農業/建設/介護/製造現場なども、単なる単純労働と言われ事が多いのですが、いずれも非常に高度な知識と経験そして洞察力が必要な職業であることは言うまでもありません。


 “職業に貴賎なし”と言う事が、口先だけでなく現実に全ての人が認めるようにならなければ、労働力の問題は真の解決の道など見つからないでしょう。

 そして何よりも大切なのは、対象はロボットや物ではなく、“人材”或いは“労働者”とか、どんな呼び方をしようとも、感情・プライド、そして家族がある“生身の人間”だという事を常に頭に置いておくことでしょう。(まさ)