老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

スペイン旅行記  その⑥ ~トレド (10月14・15日)~

2023年10月31日 19時28分07秒 | 旅行/色々な風景


 アランフェスから、更に1時間ほど南西にある古都で、パラドールに宿泊ということもあり期待していました。

 ここは、三方をタホ川に囲まれた高台にある町で、560年に西ゴート王国の首都となり、その後イスラム支配下になっても重要拠点となり、またレコンキスタでキリスト教となった後も、1561年に首都がマドリードに移るまでは、政治・経済の重要な拠点でした。

 また、かってはユダヤ人居住区もあり、キリスト/ユダヤ/アラブの3つの文化が融合しています。

(因みに、先ほどアランフェスで見たタホ川は、このトレドを流れた後、西に流れポルトガルでテージョ川となり大西洋に流れています)

 着いた駐車場の前に立派な城壁と城門があるのですが、ここは改修された新しいもののようで、目指す場所は高台にある旧市街。

 はるか上にあり、あそこまで登るのかうんざりしていると、何とエスカレーターがありました。連続の6基で、5回の乗り換えで結構時間は掛かりましたが、ラクチンラクチン。

 旧市街には、贅を極めたカテドラルや教会があり、この地で後半生を過ごしたというギリシャ生まれの画家エル・グレコ(スペイン語では「ギリシャ人」という意味です)の作品が数多く残されていて堪能しました。

 
 宿泊したのはこの旧市街からタホ川の対岸の高台にあるパラドールです。

 パラドールというのは、全国に98ヵ所ある国営のホテルで、中世の古城や修道院などの歴史的建造物を改修したもので、外観は当時の面影が残されていますが、内装は結構新しくなっています。

 特にこのトレドのパラドールは、かってエル・グレコが眺めた景色そのままでトレドの旧市街が見られるということで、人気があるようです。

 翌朝は、長距離移動のために少し早めの朝食でしたが、食事後に外を見ると薄明るいタホ川沿いに霧が発生し、その雲海の合間からトレドの旧市街が見えるという何とも幻想的な風景でしたが、カメラを部屋に置いていたので、残念ながら撮影できたのは少し霧が動いた後になりました。

 間もなく朝日も登り霧も晴れましたが、あの幻想的な風景を見られただけでもトレドのパラドールに泊まった買いがありました。(まさ)


トレドの駐車場 横に立派な城壁と城門がありましたが、ここは立ち寄らずに旧市街を目指します

旧市街にはエスカレータを利用。見えにくいですが、屋根付きの6段のエスカレータがあります

エスカレータから新市街を見下ろす

<旧市街へ>

狭い石畳の坂道です

女子修道院の跡 この近くは、かってのユダヤ人街でした

特徴的な石積みの壁です

同上

<サント・トメ教会>

14世紀の塔

この教会にはエル・グレコの名作と言われる「オルガス伯爵の埋葬」が掛かっていて、それを目当ての観光客が多く、かなりの入場待ちでした。

<カテドラル>1226年に建築が始まり1493年に完成たゴシック様式の大聖堂で、その後も増改築されて、オリジナルの部分は少なくなっているが芸術性は高く保持されています。

路地の隙間から尖頭が見えました

外観

内部 天井

ステンドグラス

豪華な内部

同上

宝物室にある高さ3mの聖体顕示台
エル・グレコの「聖衣剥奪 Expolio」画  上部左右の絵画や前の彫刻もエル・グレコの作品です

<私の好きな路地>

坂道が多い

何とも趣きのある路地です

同上

同上


<駐車場近くで見かけた花>

ウスベニアオイ

ハマエンドウに似ていますが?


<トレドのパラドールにて>

パラドールの外観

パラドールの案内

客室のある建物

ベランダからの旧市街の風景  かってエル・グレコもこの風景を見たのでしょう

同上


朝霧の中で

日の出間近か

日の出


ガマズミ(スイカズラ科)の仲間

イトスギの実




スペイン旅行記  その⑤ ~アランフェス (10月14日)~

2023年10月30日 19時19分36秒 | 旅行/色々な風景

 いよいよマドリードを離れて、南のアンダルシア地方を目指します。
道路から見える風景も、オリーブ畑が多くなりました。

 先ずは、約1時間でアランフェスへ。

 ここはタホ川に面し春と秋の王家の保養地として使われていた王宮で、ホアキン・ロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」でも有名です。

 16世紀に建設が始まり、代々の王を経て18世紀に完成したもので、建物や装飾の立派さだけでなく、庭園も素晴らしいものでした。

 私は、この旅でも色々な花に会えるのを楽しみに、いつものようにマクロレンズも持参していたのですが、時期的なものもあるでしょうが庭園は樹木や噴水など全体の配置などに凝ってはいるものの、私が期待したような様々な花が見られるようなものではなく、その点は少し残念でしたが、立派な庭園を見られただけでも大きな満足でした。(まさ)


正面から見た王宮の建物。 全部が収まりません

王宮の正面

内部の階段部 残念ながらこれ以上の内部の撮影は禁止でした


王宮左側建物。 この部分が一番先に建設され、長期にわたり使用されたとのことです

同上外側

騎士団の館

同上 通路部分


王宮の中庭

タホ川 上手く利用されています

同上 穏やかな流れのところでは多くの水鳥が遊んでいます

タホ川から引かれた水路


島の庭園

同上 多くの噴水が設置されています

大きなプラタナス(スズカケノキ)が見事です

プラタナスの実


王子の庭園 この時期は花はバラがメインです

同上 タイサンボクも結構多いです

同上

同上 実

こちらにも沢山の噴水です


昼食を摂ったレストラン

レストランの前には、バージニア・クリーパー(ブドウ科)の実が見事でした

同上


アランフェス近郊のオリーブ園(車窓から)




スペイン旅行記  その④ ~セゴビア(10月13日)~

2023年10月29日 19時17分24秒 | 旅行/色々な風景

 余り知られてはいませんが、今回のツアーで楽しみにしていた都市の一つです。

 マドリードから北西に100㎞近く離れていますが、標高は1,000mを超える高原地帯で、15世紀にはカスティーリャ王国の中心地でしたし、ローマ時代の水道橋がそのまま残っているので有名です。

 今迄も各地でローマ時代の遺跡を見てきましたが、この水道橋は格別です。

 2,000年以上も前の建設当時のままの威容で存在し、1884年までは水道橋として使われ、最近でも衛生上の理由で水は流れてはいないものの、水道橋の上に水道管が設置され機能しているというのは正に驚きです。


 この水道橋を見た後は、旧市街の街並みやカテドラル/教会を愉しみながら、アルカサルまで行きました。

 ここはローマ時代に城があった場所に13世紀初めに城が改築され、歴代の国王が即位式や結婚式を執り行ったりした場所で、その壮大さに驚きましたが、城から眺める景色や、帰途に下から見上げた景色も忘れる事はないでしょう。(まさ)

<ローマの水道橋>

写真では知っていましたが、2,000年以上も前に建設されたアーチ式の巨大な水道橋を目にすると、ローマ時代の土木技術の素晴らしさを実感します

同上

同上

同上 圧倒的な質量感です

背景の青空も綺麗です

恐縮ながら私です 朝出発時は涼しかったので長袖です

<アルカサル>

正面からの全景

又もや私ですが、暑さに堪らず半そで姿になりました

裏側にある塔  点々と黒く見えるのは、石と石と間に打ち込まれている楔です

入口は跳ね橋で、下は深いです


内部 壁のモザイク(ローマ時代の名残です)

内部の天井

同上

内部の壁面

帰路にアルカサルを下から見上げました。 
正に西洋のお城です。


アルカサルから眺めた周囲の風景 結構荒地です。
正面に見えるのはラ・ベラ・クルス教会。丘の上にも教会が見えます。

ラ・ベラ・クルス教会 13世紀にテンプル騎士団によって立てられたもので12角形の特徴ある教会です。

(アルカサル前の公園にて)

モクゲンジ(ムクロジ科)の面白い形の実

花壇はダリアです

旧市街 左からサン・ミリャン教会/カテドラル/サン・エステバン教会の塔が見えます

<旧市街>

水道橋を潜ると旧市街です

観光客で溢れています

元貴族の館

サン・エステバン教会  13世紀建築のロマネスク様式の教会

同上

カテドラル(大聖堂) 1525年~1768年にかけて建設されたゴシック様式の大聖堂で「カテドラルの貴婦人」とも言われています。映画「白雪姫」のモデルにもなったようです。

サン・ミリャン教会

城壁跡

お土産物の藁で作った動物

昼食を摂ったレストランでの生ハム。 本当に美味しかった

こちらは子豚の丸焼きをカットしたもの

(路地) 私の大好きな路地の風景です



同上

同上

同上


スペイン旅行記  その③ ~マドリード美術館(10月13日)~

2023年10月28日 19時01分41秒 | 旅行/色々な風景

(最近周囲でインフルエンザが流行っているので、今日はワクチンを受けてきました。いよいよ今日から野球の関西シリーズが始まります。ラグビーも気になるし、忙しいですね)

 絵画や彫刻には全くと言っても良いほど知識のない私ですが、このツアーではというかスペイン旅行では美術館巡りは欠かせないようで、13日午後にマドリードで2つの美術館を訪問しました。

 先ずは、ソフィア王妃芸術センターでした。
ここは主に20世紀の現代アートを所蔵する美術館で、有名なのはピカソの「ゲルニカ」です。

 この作品は、スペイン内戦時の1937年に人民戦線側のバスク地方の小さな村ゲルニカが、フランコ軍に協力するドイツの飛行機で爆撃され、6,000人の村民の内600人程が亡くなり、同年のパリ万博の製作を依頼されていたピカソが急遽これをテーマにして戦争への怒りと生命の尊重を世界に訴えたことで余にも有名な作品です。

 いきなりこの大作を直に観られて先ずは感動でしたが、ウクライナだけでなくごく最近にも中東で起っている人間の愚かな行為の繰り返しを思いながら暫く立ち止まっていました。

 これ以外にも、ピカソの諸作品や、ダリ/ミロ/マロ―など私も名前を知っているだけでなく、どこかで見た記憶のある巨匠の作品が展示されているのには圧倒されました。写真はフラシュ無しならOKだったので、紹介します。


 その次に、訪れたのは直ぐ近くにあるプラド美術館
ここは、スペイン王室のコレクション約300点を含め、3万点以上の絵画や彫刻を所蔵するヨーロッパ屈指の美術館です。

 美術に疎い私でも知っているエル・グレコ/ベラスケス/ゴヤなどの作品には圧倒されましたが、残念ながら館内の撮影禁止で、外観だけしか紹介出来ません。(まさ)                                                                                                                                              


<ソフィア王妃芸術センター>

入口 これが美術館?と思うほど、質素な入口でした

いきなり「ゲルニカ」

ピカソの作品

同上

同上


ダリの作品 「窓辺の少女」 この作品にも惹かれました

同じくダリの作品

ミロの作品

ミロの彫刻


中庭の彫刻

<プラド美術館>

建物

ゴヤ像


すぐ横にあるサン・ヘロニモ教会?




スペイン旅行記  その② ~マドリード市内の様子(10月12・13日)~

2023年10月27日 19時03分51秒 | 旅行/色々な風景

(まだまだ写真整理は終わっていませんのが、完成を待って時間が余りズレてしまうと私の印象もアヤフヤになりそうなので、写真整理をしながら記事を書き込むことにします。上手く続いてくれれば良いのですが・・・)

 このツアーは、カタール経由で12日の午後にマドリードに着き、マドリードに2泊して市内や近くのセゴビアを回り、その後アンダルシア地方を3泊しながらバスで南下し、セビリアから飛行機でバルセロナに向かい3泊してから、カタール経由で帰国というコースです。

 最初に着いた首都のマドリードでは、丁度スペインの日という祝日で(1492年10月12日にコロンブスがアメリカ大陸を発見したことに拠る)、街中大賑わいでしたがこの日の午後と13日の午後に分けて市内の有名個所を回りましたので、先ずこの様子をお知らせします。

 尚、マドリードは海抜650mくらいの高地にあります。(まさ)


飛行機から見るマドリード南東部。 驚く程緑の少ない荒野という感じで、緑豊かな国だと勝手に思っていたイメージが全く違っていました。

同上 マドリード市内に近付くと緑が増えてきました


プエルタ・デ・ソル地区 祝日で物凄い人出でした

同上 自治政府庁

同上 スペイン国旗は「血と金の旗」と言われ、赤・黄・赤で中央の紋章は5つの王国表しています。

同上

同上


マヨール広場 

同上

同上


サンミゲル市場 入口

同上 ハムなどが多いです。 表示はユーロでこの時点では€1≒160円です
中には買ったものを食べられるスペースもありました


市内の様子

同上

同上

同上

同上


オリエンテ広場

同上  ヨーロッパイチイ(イチイ科)の赤い実

同上


王宮 国旗を腰や背中に巻いた人も多かったです

同上


トレド門

農林水産省 何か歴史を感じる建物です


アト―チャ駅

同上

駅前の噴水  市内にはあちこちに噴水があります


12日夜に行ったレストラン

同上の壁飾り


ホテルから見た朝の風景(13日)


スペイン広場 ドン・キホーテと作家ミゲル・デ・セルバンテスの像

同上

同上 ゴミの山は昨日の人出の多さを物語っています