老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

言葉の語源など  その(24)  ~六波羅蜜~

2018年12月16日 22時01分43秒 | 面白い言葉や語源など
 先日の京都の寺院参りで立ち寄った六波羅蜜寺で頂いたパンフレットの中に『六波羅蜜』という言葉の説明が書いてありました。

 この言葉の意味など深く考えたことはなく、単なる寺院名あるいは京都の地名に由来する言葉位に思っていたのですが、全く違って仏教に由来する言葉の様で興味を持ちました。

 少し調べてみましたので、概略を下記します。

 まず「波羅蜜」という言葉は、“迷いの世界から悟りの世界(彼岸)へ至るための修行”のことを言うようで、到彼岸(とうひがん)、(ど)、更に波羅蜜多(はらみった)などとも訳されるようです。

 この修行については、大きく分けて六波羅蜜と十波羅蜜があるようですが、大乗仏教では実践を六波羅蜜にまとめているようです。その内容は

①布施(ふせ) ほどこす
 人のために惜しみなく何か善いことをすることで、有形と無形のものがあります。
有形のものを財施といい、お金や品物などを施すことをいいますが(仏事等の時にお渡ししする「御布施」などもこれに入ります)、次のような無形のものものもあるようです。
・ 知識や教えなどの法施
・ 明るく優しい顔で接する眼施・顔施
・ 温かい言葉をかける言施
・ 恐怖心を取り除き穏やかな心を与える無畏施
・ 何かをお手伝いする身施
・ 善い行いをほめる心施
・ 場所を提供する座施・舍施
 施しは、施す者、施しを受ける者、施すもの、すべてが清らかでなければならず、欲のない心で行います。
 あえて善行として行うとか、返礼を期待して施しはいけませんし、また施しを受ける側もそれ以上を望んだり、くり返されることを期待してはいけないとされています。

②持戒 (じかい) つつしむ
 分を忘れずにルールを守った生き方で、人間らしく生活することです。
自分勝手に生きるのではなく、互いに相手のことを考えながら、仲良くゆずりあっていく生活です

③忍辱(にんにく) しのぶ
 悲しいことや辛いことがあっても、落ち込まないで頑張ることです。物事の本質をしっかりとおさえて、時には犠牲的精神を持って困難に耐えることです

④精進 (しょうじん) はげむ
 最善を尽して努力すること。良い結果が得られても、それにおごらず、さらに向上心を持って継続することです。

⑤禅定 (ぜんじょう) 心身を静める
 心を落ち着けて動揺しないこと。どんな場面でも心を平静に保ち、雰囲気に流されないことです。

⑥智慧 (ちえ) 学ぶ
 真理を見きわめ、真実の認識力を得ること。
人は誰でも生まれながらにして仏様と同様の心を持っています。欲望が強くなると、単なる知識だけで物事を考えるようになります。知識ではなく智慧の心を以て考えることです。

 六波羅蜜にはこのような深い意味があるのですね。(まさ)
(この項は、WIKIPEDIAや六波羅蜜寺のパンフレットや、「やさしい仏教入門」を参照しました)