老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

安倍政権の言い換え体質

2018年12月09日 19時53分27秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 またもや毎日新聞に記事に喚起されての書き込みになります。
11月28日夕刊の“特集ワイド”という欄で、「安倍政権の言い換え体質」という見出しで、私がいつも感じていることを纏めてくれていましたので、一部引用がてらこの問題に触れたいと思います。

 以前から安倍総理や政権幹部には、余り触れたくない事柄については、論点をはぐらかしたり、ずらしたりする傾向が目立ちますが、最近はこれらの手法は『ご飯論法』と言われています。
(これは、「朝ご飯を食べましたか?」と聞かれて、「食べていません」と応え、更なる質問で“ご飯ではなく、パンを食べた”事が判明しても、「それは、聞かれなかったから…」というように、自ら進んで必要な情報開示をしない非常に不誠実な応答を言い、2018年度の『流行語大賞』にも選ばれています。)

 この「ご飯論争」に通ずるのが、言い換え体質と言えるのではないでしょうか。そのような言い換えの中で、最近目についたものは

◆移民受入れ ⇒ 外国人材の活用
この件は、別項で触れましたので、今回は省略します。

◆徴用工 ⇒ 募集に応じた労働者
・韓国で裁判沙汰になっている徴用工問題に関しては、政府間協定との関係は別にして、気になるのは政府関係者が今回の韓国人原告に関して、「当時の労務動員の方法として募集/官あっせん/徴用があり、原告4人はいずれも募集に応じた」と説明していることです。

・確かに、原告は「募集」に応じた形かも知れませんが、これは当時の植民統治といえる状態の中で、法的に同等な立場を前提とした一般的な意味での「募集」と同様に扱う事は出来ないでしょう。

・現に、現在の「外国人技能実習制度」の中でも、形は「募集或いは応募」であっても、それに応じた人の多くが日本の最低賃金にも満たない報酬で長時間の労働を余儀なくされたり、労働法に抵触する非人道的な扱いを受けている事実があちこちで起こっているのです。
制度があるということと、その中で関係者が全く同等の力を持っているかというのは、全く別なものなのです、

◆FTA ⇒ TAG
・相手国がFTAだと言っているのに、わざわざ違う言葉を使ってむきになって国民を誤魔化すこともないでしょうに…


 勿論、これ以前にも
・「戦闘行為」を「武力衝突」
・米軍のヘリコプター「墜落」を「不時着」
・「カジノ」を「統合型リゾート(IR)」
・「公約違反」を「新しい判断」


 やはり、「その件は話すつもりがない」のに「真摯に向き合い、丁寧な説明をする」と発言する人がトップなのですから、当然でしょうね。

 このことについて、今更ながら首相の反省などを求めることも無駄でしょうが、私的には政治家が使用する言葉使いについては、前にも書き込んだ記憶がありますが、下記の心構えが絶対に必要だと思っています。

“憲法や国の根幹に関わる事項については、不誠実な言葉で判りにくい説明をするのではなく、我が国の義務教育が中学までとなっている以上は、中学校卒業の学力で素直に理解できる言葉使いが、親切で丁寧な政治と言える”

ということです。

 このような根本に立ち戻らなければ、政府と国民の乖離は進んでいくばかりでしょう。(まさ)