老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

消費税率アップは何の為にするのか

2018年12月01日 20時13分29秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
(いよいよ12月だというのに、政治がらみでは相変わらず悲しくなるような話題ばかりです)

 11月10日のこのブログでも触れたように、来年10月から導入される予定の消費税率アップの実施に伴う色々な対応施策案が賑やかに報じられていますが、最近目を引くのが“ポイント5%還元”という新たな方策です。

 これは、前回述べた対応策の中の「キャッシュレス決済でポイント還元」という方策が変化したもので、安倍首相の希望で還元率を5%に拡大するというものです。

 確かに、無条件の5%還元ではなく、
・対象者:現金ではなく、クレジットカードなどで支払った客
・対象店:中小店舗で大手スーパーなどは除く
・還元期間:2020年のオリンピックまでの9ヶ月間
などの色々な条件が付くようですが、何れにせよ今回の消費税率2%に対して、これを上回る5%もの還元案などをよくも首相たる人が希望したものだと呆れかえります。

 11月27日付け毎日新聞によると、既に次回予想される2%の上乗せ(予想では5.6兆円の税収増)については、既に教育無償化や食料品の軽減税率などで3.4兆円もが還元されることがほぼ確定しており、これにこのポイント還元が加わるとなると「何のための増税か判らない」という議員の声もあるようです。


 今までの消費税増税に対する安倍政権の対応を見ていると、
・政権の最大の目標は、政権の人気取りのための景気対策である。
・その為、本音として税率アップは避けたいのだが、前回の実施延期時に今回の実行を約束している以上実行せざるを得ず、その為に色々な骨抜き策を講じている。
と言うのが実情でしょう。


 しかし、今一度消費税の導入経過を考えてみると、増大する社会保障費への対応を含めて、根本的な国家財政の均衡(当然ながら、そこには支出の大幅削減策も含まれるはずです)を目指すためだったはずであり、それだからこそ国民も同意したのだということでしょう。

 現在の内閣の在り方を観ると、そこにあるのは国の政治を預るものの責任として国家の財政安定を含めた国家百年の計というような長期目標は全くなく、逆に財政問題が悪化するとしても、自分の任期中は何とか国民を出来るだけ刺激せずに、喜んでもらえるようなバラマキ策を継続して問題の先送りをするという、ある意味では全くの人気取りのための愚民政策といえるような前近代的な施策ばかりです。

 確かに、増税に当ってはこの影響をモロに受ける低所得者への何らかの保護は必要でしょうが、これは社会保障政策の一環として行うべきもので、これを口実にして、本来の消費税導入の精神を捻じ曲げるような施策などは、絶対に取るべきではないでしょう。
正に11月27日の毎日新聞の社説の見出しのように“常軌を逸した過剰対策”と言えるでしょう。

 このような低次元の施策を平気な顔で繰り返すこの国の今の政治に付いて行かざるを得ないのは本当に馬鹿らしくなりますが、この国の国民として税金を支払う意義が感じられない人も沢山出てくるでしょう。(まさ)