老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

シチリアで出会った花たち その① 樹木たち

2024年07月31日 20時00分08秒 | 旅行/色々な風景
 丁度春花の終わる時期でしたが、長期のツアーで肥沃なシチリアの地をあちこち回りましたので、出会えた植物たちも多く、同定には結構時間が掛かりました。

 ひょっとして名前に間違いがあるかも知れませんし、撮影が約2ヶ月前だったので、季節感がずれているかもしれませんが、順次お知らせしていきます。

 先ずは樹木ですが、丁度開花時期とあって私の大好きなジャカランダがあちこちで見られましたし、街中至る所にキョウチクトウが街路樹としても植えられていました。

また地球温暖化のためか、滅多に咲かないアガベの花が今年は日本のあちこちで咲いて話題になっているようですが、セジェスタのギリシャ遺跡の中でも見ることが出来ました。

その他初見の樹木もあり、お知らせします。(まさ)

<ジャカランダ> シラクーサのギリシャ遺跡やあちこちで・・・








<その他>

キョウチクトウ(キョウチクトウ科) 赤と白

同上 白/ピンク/赤
同上 黄色

同上

アガベ(リュウゼツラン科)

同上
ブーゲンビレア(ヤマモモガシ科)ですが、すごく高い木に絡まって伸びています

ペッパーツリー(ウルシ科)
同上 花

ユーカリ
同上

同上

フイリソシンカ(マメ科)

アーモンド(バラ科)

ブレビレア・ロブスター(ヤマモモガシ科)

アトラスシダー(マツ科)

インドゴムノキ(=フィカス・エラスティカ) パレルモ市内の公園で見ましたが、ガジュマルのように気根を伸ばしている巨木でした

トックリヤシ これはタオルミーナの公園で



 


エンゲル係数

2024年07月30日 19時48分12秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
(シチリア旅行記が一段落しましたので、今日は別の話題です)

  先日、新聞で懐かしい言葉を目にしました。「エンゲル係数」です。

 随分昔に学校で習ったことがありますが、:Engel's coefficientと言い、
“一世帯ごとの家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)を表し、"エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低い傾向にある。これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から極端な節約が困難なためであり、これをエンゲルの法則という”というような内容だったと思います。

 確かに、下記の表からも判るように、日本に於いても戦後直ぐの食べるのに施一杯だった時には、エンゲル係数は50を超えていたのが、その後の経済回復・成長と共にぐんぐん低下し、2000年代になると20台の半ばで安定していました。

          (統計リサーチノート No.5より)

 しかし、この日本のエンゲル係数が、下記の表の通りここ数年は徐々に上昇しているというのです。

        (第一生命 経済研究所より)

 エンゲル係数については、下記のような要素が完全に反映されていない表面だけの数字で、生活水準を表す指標にはなりにくいという説もあります。
・1世帯あたりの人数や、構成年齢
・人口に占める生産年齢の割合、価格体系、生活慣習の違い
・食料自給率や為替レートの変動
・食文化の変化
・食品に対する公租公課(消費税など)の変化

 確かに日本に於いては、食費以外への支出が少なくなる高齢者の比率が高い人口構成になっていますし、肉類や高級食材への比率増加など食生活の変化もあります。更に食料品に対する消費税率も大きく変わっていて、戦後間もなくの社会状況とは大きく異なっています。

 しかし国民の大多数の生活実感としては、ここ数年はスーパーなどに行くたびにジワジワとした価格上昇を感じて財布の中身を気にするようになっているのは事実で、年金も含めて増えない収入への不満も募っているのは事実でしょう。(まさ)

 エンゲル係数を考慮したわけではありませんが、今晩の夕食です。

今日の夕食  冷奴/野菜炒め/タイのオリーブオイル炒め/大豆モヤシのお浸し

野菜炒め ホウレンソウ/エリンギ/ベーコン ポン酢で頂きました

真鯛のオリーブオイル炒め 先日紹介したトウガラシ入りのオリーブオイルで炒めました 

大豆モヤシのお浸し ゴマタップリ






シチリア旅行 追記

2024年07月29日 19時21分40秒 | 旅行/色々な風景
 15日間の旅行でしたが、旅行記は20回を優に超えました。
それだけ、見所が多く印象に残った旅行だったと思いますが、旅行記で書き残したことを、まとめて挙げておきます。少し長くなりますがお付き合い下さい。

◆町は山の上に
 今回の旅行で立ち寄った町は、一部を除いて高い山中にありました。
島国のシチリアで何故? と思われる方も多いかと思いますが、これはイスラムの略奪に対抗するためです。

 700年頃から勢力の拡大を図るイスラム勢力は地中海に進出するようになりましたが、海賊的な行動でマルタやシチリアをはじめとする地中海沿岸のキリスト教徒の町を襲って略奪を繰り返したので、自然に町は海岸から離れた山の中に造られるとともに、各地にイスラムからの襲撃を監視するための監視塔(サラセンの塔とも言います)が作られていて、その名残は今でも見ることが出来ます。

◆教会訪問時の違和感
 シチリアだけでなくヨーロッパに旅行すると、どうしても教会を訪れる機会が多いです。
そこには、当時の建築技術や文化・芸術などが凝縮されているので、見るべきものは多いのですが、根っからの仏教徒としてはどうしても違和感を覚えることが多いです。

 特に、それが強いのは教会内でお祈りをされているキリスト教徒の方が居られる時に、建築や装飾などにしか関心がない異教徒の旅行者がカメラを構えてウロウロとしているのはどう思われているかと考えると、気恥ずかしくなることが多いです。

 日本を訪れるキリスト教徒たちなどが寺院などを訪れても同じような違和感を抱いておられるのではないかと思いつつ、出来るだけお祈りをされている方の邪魔にならないように心がけてはいるのですが・・・

  また、今度の旅行記ではドゥオーモ/大聖堂という言葉を区別せずに、案内書などの通りに使いました。
私自身が全く区別できておらず、混乱された方もあるかと思いますので、念のため<コトバンク>で少し調べてみました。 それによると、

 【聖堂】:教会堂ともいう。聖堂のうち,司教座(カテドラcathedra)の置かれたものをとくに司教座聖堂または大聖堂と呼び,フランス語でカテドラルcathédrale,イタリア語でドゥオーモduomo,ドイツ語でドームDomまたはミュンスターMünsterという。
とありました。即ち国によって呼び方が異なるものの、キリスト教で司教座(主教座)のある聖堂。教区全体の母教会を言うようで、ドゥオーモ/大聖堂/カテドラルは同じ言葉でした
 但し、イタリアでは大聖堂の中でもドームを持たないものはドゥオーモとは呼ばないのだという事も聞きました。

◆カラヴァッジョと画家の名前など
 今回の旅行でも、カラヴァッジョの絵画はシラクーサとメッシーナの2ヵ所で見ることが出来ましたし、イタリアにおけるカラヴァッジョの人気は良く判りました。

 所で、画家カラヴァッジョ(1571 - 1610年)の本名は、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ と言い、イタリア北部のベルガ県カラヴァッジョの生まれで、要するに「カラヴァッジョ村のミケランジェロ」だったのが、いつの間にかカラヴァッジョで通るようになったようです。

 同様に、「モナリザ」の作者としてだけでなく「万能の天才」と称される有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519年)はフィレンツェ共和国のヴィンチ村において出生したようで、同じく「ヴィンチ村のレオナルド」がダ・ヴィンチになったようです。

 また、カルヴァッジョに似た名前の画家にヴィットーレ・カルパッチョ(1465年頃 - 1525年頃、イタリア、ヴェネツィア派の画家)が居ますが、彼の名は絵画だけでなく料理でも有名になりました。
即ち、子牛の赤肉とマヨネーズを使った料理に「カルパッチョ」というのがありますが、この名前の由来についてはこの料理を即興で作った料理人が客から料理の名前を聞かれ、カルパッチョの絵が好きだった料理人が彼の作品の赤と白色の色使いを思い浮かべ「カルパッチョ」と答えたという話があるようです。

◆映画のロケ地
 今回の旅行の楽しみの一つは、大好きな映画のロケ地が沢山含まれていることでした。
詳しく触れた「ニュー・シネマ・パラダイス」と「マレーナ」だけでなく、「グラン・ブルー」(伊・仏合作)や「ゴッドファーザー」(米国)なども含まれていて、映画大好き人間にはたまらなかったです。

◆マフィアについて
 シチリアに旅行と告げると、殆どの人が「怖いとこへ行くんやなぁ」とか「マフィアの巣に何しに行くのや」などとの反応で、シチリア=マフィア=危険というイメージが強い様です。

 確かにマフィアはシチリア島を起源とする組織犯罪集団で、アメリカでの悪名高い活動実績や、映画「ゴッドファーザー」などで有名になりました。

 本拠地であるシチリアに於いても、19紀から恐喝や暴力により勢力を拡大し、1992年段階では186グループ(マフィアのグループは「ファミリー」と呼ばれる)約4,000人の構成員がいたとされますが、マフィアの特徴としては、メンバーシップが限定的で排他的かつ強力な団結力を持つとともに、徹底した秘密組織・非公然組織であることが挙げられるようです。

  シチリアに於いては、このマフィア組織の撲滅に挑んだ、裁判官のジョヴァンニ・ファルコーネが1992年に、そして盟友の裁判官パオロ・ボルセリーノもその僅か2ヶ月後に暗殺されたことでイタリア国民のマフィアに対する反感が一気に高まり、パレルモ市内で約1万人が彼らの死を悼んでデモ行進を行い、マフィアに対するデモとしてはイタリア史上最大の規模となった。

 そして翌1993年、2人が暗殺された事件の首謀者が逮捕され、実行犯も1996年に逮捕され、共に終身刑となり、マフィアの影響力はかなり小さくなったようです。

 また、ファルコーネとボルセリーノが暗殺された翌年、パレルモ=プンタ・ライシ空港は、現在、2人を記念して「ファルコーネ・ボルセリーノ国際空港」と呼ばれるようになったようです。

  尚、シチリアに於いてこのような強固な犯罪組織が誕生した背景としては、下記のような理由が挙げられています。
シチリアの住民たちは、それまでの数世紀にわたるアラブ人やフランス人、スペイン人といった外国人支配者による政治的な圧迫から、住民同士での互助組織を通じてその時々の外国人支配者に対して抵抗していた。マフィアの構成員に服従と沈黙を厳しく命じる血の掟(オメルタ)の発祥は、外国人支配者に同胞を売り渡さない(密告しない)というシチリア人の気質によるといわれています。

◆添乗員交替
 このツアーでは思いがけない出来事がありました。
即ち、行程の半分を過ぎてパレルモに入るくらいから添乗員さんの電話連絡が忙しくなり、何となく慌ただしい雰囲気になりましたが、その夜添乗員さんから「母親が急逝し、急遽帰国することになりましたが、今晩中に交代の添乗員が到着し、十分な引継ぎをしますのでご容赦ください」とのこと。

 深夜に新しい添乗員さんが到着されたようで、翌朝に無事交代して帰国されましたが、新しい添乗員さんもシチリアの経験豊富なようでその後の添乗振りには全く問題ありませんでした。
流石にプロたちでした。(まさ)

※ シチリアで見かけた花たちの紹介がまだですが、追って紹介させて頂きます。

シチリア旅行記  その(24) エトナ山 

2024年07月28日 19時47分05秒 | 旅行/色々な風景
 旅行記の最後はタオルミーナに近く、ホテルのベランダやタオルミーナ市内のあちこちから見られたエトナ山です。

 ヨーロッパ最大の活火山として有名ですが、標高は3,326mと富士山(3,776m)よりは低いですが、富士山同様に広い裾野を持ち、山麓部の直径は140㎞にもなるようです。

 世界でも有数の活動的な火山の一つで、私達が訪れた時も活動期ということで立ち入り禁止地区が設けられていましたが、帰国後の7月5日にかなり大きな噴火があり登山客が負傷したとのニュースがありました。

 随分昔から噴火を継続しているようですが、噴火口は常に変わっていて、何でも30以上の噴火口跡(クレーター)が残っている様です。(まさ)

タオルミーナのホテルから  すそ野の広い綺麗な形です

天気が良ければこのような噴煙が見えます
バスで近づくと段々と様子が変わってきます
 標高1,900mのサビエンツァ小屋まではバス。そこからロープウェイで2,500mまで登ります

ロープウェイを降りると山は目の前に。 ヘルメット姿の人は歩いての登山らしいですが、我々は4WD バスで

火山灰の積もった黒褐色の砂地を登ってきました

バスは砂煙を挙げてばく進です

利用したベンツの4WDミニバス

ここから少し登ります。 先日喘息を患ったり、呼吸機能が弱い私としては初めて経験する高度なので、ガイドさんにも説明の上でゆっくりゆっくりと歩きました。

噴煙が間近になり、赤い色をしています

下方を見ると、バス道の向こうにかっての火口跡が見えます

直ぐ近くにも休火口があります。 登っている人も見えます

もう少し上り2,980m付近で規制線が張られていますが、ここにも別の休火口があります

噴煙が良く見えます

火山灰が積もっている斜面

噴火岩もあちこちに転がっています


またバスとロープウェイでサビエンツァ小屋まで降り、近くの休火口のクレーターに向いましたが、この辺りまで降りると色々な花が目につきます

シルヴェストルのクレーター この周りを一周しました
クレータの内側斜面にも色々な花が咲いています。

サビエンツァ小屋のロープウェイ乗り場とエトナ山が望めます

クレーターの下に降りている人も

クレーターともお別れです


昼食は山麓のワイナリーで摂りましたが、ブドウ畑では新しい実がついています

ブドウ畑とエトナ山

ワイナリーの中

同上

時代物のハカリもまだ活躍中のようです



シチリア旅行記  その(23) タオルミーナ (後編)

2024年07月27日 19時26分58秒 | 旅行/色々な風景
(天神祭り関係で少し間が空きましたが、シチリア旅行記に戻ります。もう少しお付き合いください)

タオルミーナの後編は、ホテルのすぐ前の市民公園と、メッシーナ門からマイクロバスで曲がりくねった道をかなり登った先にある標高530mの小さな美しい集落カステルモーラ、更に今度はメッシーナ門近くからロープウェイで海岸まで降り遊覧船で海からの景色を楽しみましたのでこれをお知らせします。

<市民公園>

異国情緒が漂う建物
同上
同上
ジャカランダも満開
色々な花があります
大砲

人間魚雷 日本のものと違って操縦者は最終的には脱出できるようです

<カステルモーラ>

青い地中海の向こうにイタリア本土

直ぐ足元のタオルミーナの新市街です 左側がイソラ・ベッチ
こんな城塞も

古い街並みです

同上
同上

<海岸と遊覧船>
展望台から見下ろすイソラ・ベッチと鉄道や新しい国道
海岸にはロープウェイで降ります
静かな海とイソラ・ベッチ

船で周遊 青の洞門というのだけど少しチャチでした

船からもエトナ山が見えます

半島の上に見えるホテル  崖の中ほどにあるレストランが「グラン・ブルー」の舞台にもなっていたと思います。
同上のプライベートビーチの洞窟

列車

同上

タオルミーナ駅

潜水艇?

帰りの石段は辛かった

※ このタオルミーナは有名な映画「グラン・ブルー」のロケ地としても有名です。
 この映画は、1988年に公開されたフランスとイタリアの合作映画で、監督はリュック・ベッソン。1988年フリーダイビングの世界を取り上げた映画で、私の大好きなジャン・レノも出ていました。
ロケ地は、上記のホテルやタオルミーナ市内やタオルミーナ駅も含まれていました。

映画よりの場面

同上