東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い三菱製トランジスタラジオ(カーラジオ) X01修理(1)

2013年12月23日 | 古ラジオ修理工房

 このところ古いAMカーラジオに興味を持ちはじめました。このため、勉強の意味でオークションで1,100円で売っていたカーラジオを購入しました。このラジオは当時数万円したでしょうが、たたき売りのような価格ではこのラジオも浮かばれません。
 このAMラジオは機械式プリセット式の最後を飾るカーラジオでした。そのため、ここまで原価低減できるのかが分かるラジオでした。そして、このラジオを作る工員の質が分かるようなラジオでした。

              持つと、「えっ」と思うほど軽い三菱製カーラジオ


 以前私が修理したカーラジオは重厚な感じがしましたが、このラジオは原価低減の極致でした。まず、重さは1/3位です。その理由はプラスチックの多用です。おそらく軽トラに使われたのではないでしょうか。
 次に、電子回路基板がねじ止めではなく半田で直接止められていました。このため、電子回路基板は半田付けを溶かして外す必要があります。全面パネルもはめ込み式で、簡単に取り外しできます。つまみもポロリと取れました。

   半田付け固定された電子回路基板         ポロリと取れるつまみ類
 

 つまみを取って全面パネルを外すと、驚くことに奥から飴の袋が出てきました。これは、このカーラジオを作ったか修理した工員が飴を食べながら製造したことを示しています。made in japanと書いてあったので国内で製造されたはずです。
 私がテレビ生産の仕事をしていた昭和50年頃、夜間高校に通う若い工員さんばかりでした。昼間は働いて夜は高校に通学する希望あふれる若者でした。このような不始末はありえませんでした。このカーラジオを作った工員さんの質が問われます。

       外した全面パネル                奥から飴の袋が出てくる
 

 私はテレビ生産の生産技術に少しばかり関わっていましたが、やはり原価低減にしのぎを削っていました。このAMカーラジオは、昭和50年頃に輸出品か軽トラ専用に製造されたかも知れません。その頃日本の普通の自家用車用カーラジオはAM放送に加えてFM放送受信も当たり前でしたので。
 原価低減の行きつく先は、使い捨てです。私的には、このような製品を愛着をもって使い続ける気持ちがおきません。

       原価低減のきわみが分かるような、パネルを外して見たカーラジオ内部

コメント (3)
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