この三菱製カーラジオAR-232 HXの修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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出力トランス代用の電源トランスにスピーカーを繋いで、雑音の状況を聞き分けました。すると、電子回路内での正帰還はピーっと高い音が比較的多いのに対して、ブツブツする音でした。このように音は電源電圧が不安定な場合、具体的には内部抵抗が高くなった場合によく発生する現象です。つまり、どこか電圧を平滑する電解コンデンサの故障が起きている可能性が高いです。
出力トランス代用の電源トランスに取り付けたスピーカーのジャック
そこで電子回路内の平滑用コンデンサを丹念に探していると、ある電解コンデンサにたどり着きました。そのコンデンサの位置に正常なコンデンサを当てると、ピタリと雑音や発振が止まりました。つまりこのコンデンサの容量が抜けているようです。この電解コンデンサを取り替えることにしました。
この電界コンデンサが容量抜け故障 ストックの中から同じものを取り出す
容量抜け故障の電界コンデンサは耐圧10V容量値100μFでした。ストック中の中から探し出したものは耐圧15V容量値100μFのものです。さっそく、正常なコンデンサと取り替えました。このカーラジオのコンデンサを調べてみるとる、いろいろな耐圧のコンデンサが使われています。低い物は3Vで、高い物は15Vです。真空管ラジオを経験した私は、耐圧は使用電圧の2倍にすることが一種の常識でした。しかし、このカーラジオはコスト削減のためか、ぎりぎりの耐圧の電解コンデンサを使っているように思えました。
左は取り出した故障電解コンデンサ、右は正常な電解コンデンサ
電子部品は普通倍の余裕をみます。このため、表示値耐圧10Vのコンデンサは、保証は10Vですがぎりぎり20Vまでは使えます。コスト低減で、バッテリ電圧12Vを考えて耐圧10Vにしたのかもしれません。交換後のコンデンサは耐電圧15Vのため、今後故障することはまずないと考えられます。
取り出した後のコンデンサの端子穴 容量抜け故障した電界コンデンサ
正常な電解コンデンサを取り付けて、電源を入れるとちゃんとラジオ放送が入りました。そして、音を大きくしても雑音が出たり発振することが無くなりました。ちなみに、音質調整ダイヤルを回すと音質も正常に変えることができました。これで、音が小さい故障を直すことができました。あとは、実際に車に取り付けて、ちゃんとラジオ放送が聞けて、かつ音量などが正常かどうかを確認するだけです。
電子回路基板上の取り替えた電解コンデンサ(耐圧15V容量値100μF)