幾重にも連なる吉野の山
峠を越えました
あまりの景色に車を停めました
行き交う人も車もありません
エンジンを止めました
昼なのに何の音もありません
路肩に立ってみます
深い谷に吸い込まれそうです
ヤッホーと云ってみました
ヤッホーと帰ってきます
今度は大きな声でヤッホー
忘れていたヤッホーでした
せいせいした気分でエンジンをかけました
峠を越えました
あまりの景色に車を停めました
行き交う人も車もありません
エンジンを止めました
昼なのに何の音もありません
路肩に立ってみます
深い谷に吸い込まれそうです
ヤッホーと云ってみました
ヤッホーと帰ってきます
今度は大きな声でヤッホー
忘れていたヤッホーでした
せいせいした気分でエンジンをかけました
後醍醐天皇御陵
芳野懐古
藤井竹外 作(摂津高槻の藩主)
古陵松柏吼天飆
山寺尋春春寂寥
眉雪老僧時輟帚
落花深處説南朝
読み
こりょうの、しょうはく、てんぴょうにほゆ
さんじ、はるをたづぬれば、はるせきりょう
びせつのろうそう、ときに、はくことをやめ
らっか、ふかきところ、なんちょうをとく
意解
後醍醐天皇の古き御陵の前に来ると
松や柏の大木は空吹く荒き風に音をたてている。
此の山寺の如意輪堂に春を尋ねて来たが桜の花は
もう大部分散り落ちて非常に物寂しい感じである
ところが丁度その前で庭を掃いておられた
眉の白い老僧が暫く掃く事をやめて、落花の
深い所で丁寧に南朝の昔物語をして下さったので
一層感慨を深くした。
関西吟詩同好会A14号
号ー萋孝
作者の訪れた時期よりも遅く青葉の季節ではありましたが
吟じた昔を思い出しました。
三行目の‘眉雪の老僧’の眉雪の節は他の吟でも
〈眉雪の山〉と云って節の代名詞でもありました
静かで好きな吟の一つです
芳野懐古
藤井竹外 作(摂津高槻の藩主)
古陵松柏吼天飆
山寺尋春春寂寥
眉雪老僧時輟帚
落花深處説南朝
読み
こりょうの、しょうはく、てんぴょうにほゆ
さんじ、はるをたづぬれば、はるせきりょう
びせつのろうそう、ときに、はくことをやめ
らっか、ふかきところ、なんちょうをとく
意解
後醍醐天皇の古き御陵の前に来ると
松や柏の大木は空吹く荒き風に音をたてている。
此の山寺の如意輪堂に春を尋ねて来たが桜の花は
もう大部分散り落ちて非常に物寂しい感じである
ところが丁度その前で庭を掃いておられた
眉の白い老僧が暫く掃く事をやめて、落花の
深い所で丁寧に南朝の昔物語をして下さったので
一層感慨を深くした。
関西吟詩同好会A14号
号ー萋孝
作者の訪れた時期よりも遅く青葉の季節ではありましたが
吟じた昔を思い出しました。
三行目の‘眉雪の老僧’の眉雪の節は他の吟でも
〈眉雪の山〉と云って節の代名詞でもありました
静かで好きな吟の一つです