拍車をかける

台風１８号の雨を気にしながら乗馬クラブに行った。
ここ最近乗る馬は、クリちゃんと言って一番態度の悪い馬だ。
駈歩の合図をしてもなかなか走らないし、ムチで叩いても反抗
的になり逆に動かなくなる。さらに、脚を使って何とかしよう
とするのでこちらが疲れ果ててしまう。こんなことの繰り返し
で、乗馬クラブに行くのがおっくうになっていた。
・
言うことを聞かないときは、拍車をかける脚使うのが有効なの
だが、クリちゃんはこの脚を使うとものすごく怒るので封印を
してきた。しかし、ユーチューブをみていたら「必要なら激し
い脚を使うべき」の字幕で気持ちが固まった。場合によったら
、怒って振り落とそうとするかもしれないがもうこれしかない
という強い気持ちでのぞんだ。
・
軽速歩の時から、勇気を出して拍車を使うと今日は逆らうこと
なくどんどん進んだ。続いて駈歩になったが、勇気を振り絞っ
て拍車でポンと脚を使うと何と加速し始めた。曲がり角でも、
同じく使ったがスピードは落ちることなく走ってくれた。
今まであんなに悩んできたことが嘘のように消えてしまった。
・
今日はよく走ってくれたので、るんるん気分でクリちゃんの体
をブラシで洗っていた。すると私のおしりを「ガブリ」。本気
で噛みついてなかったので痛くはなかったが、ここはけじめを
つけるべきと、ブラシの木の方で鼻っ柱をポカリとやった。
すると、クリちゃんは急にしおらしくなってしまった。
この瞬間から、主従関係が完全に逆転してしまったようだ。
次からどんなドラマが待っているのか楽しみだ。

 

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