度を超した亭主関白

前日お部屋探しに３人の親子が来店した。
娘さんが近々結婚をするので、新居探しに両親と娘さんの３人
での部屋探しとなった。一番いいのは、娘さんと婚約者の相手
の２人で探すのがいいのだが・・・・
・
「娘がこの度結婚をするので、いい部屋はないですか」
お父さんの第一声で、だいたいの様子がわかった。
部屋探しの条件などを色々と話すのだが、しかしなぜか奇異に
映ったことがあった。お父さんはぺらぺらしゃべるのだが、
部屋探しの本人の娘さんとお母さんは一言もしゃべらない。
・
家賃は安い方がいいと言うので、安い賃貸物件を進める。
するとお父さんが例のごとくしゃべり始めた。
「家賃はもう少し安くならないだろうか」
別に申し込む様子もないのに、値引き折衝を始めたのだ。
「家賃は適正なので、値引きはできません」
もう一つ安そうな他の物件を進めてみた。すると、
「家賃を大家さんに言って折衝してもらえないか」
「だれでも安くしてほしい気持ちは一緒です・・・」
・
娘さんの気持ちはまったくわからないのに、お父さんが勝手に
現地を見せてほしいと言い出した。
「申し訳ありませんが、本日は案内はできません」
亭主関白も悪くはないと思うが、度を超して娘さんとお母さん
の意見は全く通りそうもない家庭では、娘さんとお母さんは本
当に大変だな・・・

 

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