選ばれる商品

毎日朝は食パン一枚と牛乳コップ一杯、野菜ジュース半杯飲む。
何気なく食べる食パンだが、製粉業界をめぐる環境は非常にきびしい。
長引くデフレで販売価格は上げられず、消費人口が減って供給過剰の傾
向にあるという。
コスト削減もさることながら、付加価値の高い素材を研究し、パン屋さ
んなどに選ばれる商品作りに力を注ぐことが生き残り戦略となる。
小麦粉などの粉類に調味料を配合した製粉は、ケーキやパン、天ぷらな
どが簡単に調理できる。単なる価格競争だけなら、利益を出すことは難
しくなるので、いかに付加価値をつけて独自路線をうち立てるかだ。
鳥越製粉は、５年前にミックス粉「パンＤｅスマート」を発売した。
食物繊維が豊富なうえ、糖質も大幅に押さえられるとあって、大手コン
ビニなどに納入先が広がった。
九大や新潟大と共同研究してきた「超硬質米」は、血糖値が上がりにく
い特徴を持ち、生育段階にある。今秋の収穫米を使って、レトルト・冷
凍商品などの開発を進め、来年の発売を目指す。
海外事業の強化をする一環で、糖尿病対策が課題の米国で「パンＤｅ
スマート」の販路を開拓中だ。
鳥越製粉は、ヒット商品の「白いたいやき」粉なども生み出してきた。
刻々と移り変わるニーズをとらえた商品をいかにして作っていくかが、
会社の浮沈に影響していく。

                                                          　

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