公務員制度改革を前に、激変する霞ヶ関と地方公務員 第7回
内閣人事一元化と天下り廃止で国家公務員はどうなるか (2)
天下りとは「コネ、金、権限を使った不当な押し付け的人事」のことをいい、官僚の再就職の事をさす。天下りは国家公務員と一部の地方公務員に特有の現象である。これを管理しているのが各省の総務課である。天下りの大きな原因は、早期退職勧奨であるといわれる。省内ポストが限られているため、平均的に57歳で肩たたきとなり、受け入れれば自省の外郭団体やコネの聞く業界に再就職の斡旋をおこなう。数回の「わたり」によって数億円の老後収入を得、次官経験者は死ぬまで面倒を見るという慣例があるとか聞く。天下りの対象者であるか弔慰状の公務員は毎年1200人が辞めてゆく。斡旋を受けて天下るのは61%となっている。天下り先は今や建設業界を除いては、規制緩和で公の恩恵がなくなったため、民間企業に再就職することはまれで、最も多いのは非営利法人である。具体的には特殊法人、認可法人、独立行政法人、公益法人で全体の50%になる。天下り先の非営利法人には補助金などが流れ込むシステムが作られている。各省が非営利法人に給付している税金は年間13兆円である(事業費をふくむ、2006年度予算80兆円)。国家公務員の人件費が約5兆円である事に較べても膨大な額である。要するに政府が行う仕事のかなりの部分をそのまま非営利事業団体が代行しているのである。そこに管轄省のOBが貼り付いている構図である。各省の事務次官経験者の天下りとわたり先は一定の轍を踏んで行われる。局長クラス退職者の年金水準と最終年収の割合は622万円、33%であり、課長クラス退職者では451万円、32%であり、国内一流民間企業に較べて決して低い水準ではない。こんなにたくさんの年金を貰っているサラリーマン退職者はいない。
(つづく)
内閣人事一元化と天下り廃止で国家公務員はどうなるか (2)
天下りとは「コネ、金、権限を使った不当な押し付け的人事」のことをいい、官僚の再就職の事をさす。天下りは国家公務員と一部の地方公務員に特有の現象である。これを管理しているのが各省の総務課である。天下りの大きな原因は、早期退職勧奨であるといわれる。省内ポストが限られているため、平均的に57歳で肩たたきとなり、受け入れれば自省の外郭団体やコネの聞く業界に再就職の斡旋をおこなう。数回の「わたり」によって数億円の老後収入を得、次官経験者は死ぬまで面倒を見るという慣例があるとか聞く。天下りの対象者であるか弔慰状の公務員は毎年1200人が辞めてゆく。斡旋を受けて天下るのは61%となっている。天下り先は今や建設業界を除いては、規制緩和で公の恩恵がなくなったため、民間企業に再就職することはまれで、最も多いのは非営利法人である。具体的には特殊法人、認可法人、独立行政法人、公益法人で全体の50%になる。天下り先の非営利法人には補助金などが流れ込むシステムが作られている。各省が非営利法人に給付している税金は年間13兆円である(事業費をふくむ、2006年度予算80兆円)。国家公務員の人件費が約5兆円である事に較べても膨大な額である。要するに政府が行う仕事のかなりの部分をそのまま非営利事業団体が代行しているのである。そこに管轄省のOBが貼り付いている構図である。各省の事務次官経験者の天下りとわたり先は一定の轍を踏んで行われる。局長クラス退職者の年金水準と最終年収の割合は622万円、33%であり、課長クラス退職者では451万円、32%であり、国内一流民間企業に較べて決して低い水準ではない。こんなにたくさんの年金を貰っているサラリーマン退職者はいない。
(つづく)