ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

オリックス宮内社長は小泉内閣郵政民営化の旗頭  政商癒着の払い下げの典型

2009年02月06日 | 時事問題
朝日新聞 2009年2月6日3時1分
かんぽの宿、売却白紙 日本郵政、オリックスに伝達へ
 全国に約70施設ある宿泊・保養施設「かんぽの宿」の売却問題で、日本郵政は5日、譲渡契約を結んでいたオリックス不動産(東京)への売却を断念する方針を固めた。近く、同不動産に譲渡契約の撤回方針を伝える。日本郵政は当面、かんぽの宿の売却を取りやめ、経営を続ける。

 かんぽの宿は郵政民営化に伴い、法律で2012年9月末までに全国の施設を廃止するか、譲渡することが決まっている。日本郵政は、かんぽの宿の各施設や従業員の雇用の維持などを条件に売却先を探し、昨年12月にオリックス不動産に対し、かんぽの宿に首都圏の社宅9物件を加えて合計109億円で売却する契約を結んだ。 しかし、事業譲渡の許認可権を持つ鳩山総務相が、(1)なぜ不況時に安く売るのか(2)なぜ一括売却なのか(3)なぜ郵政民営化を推進した宮内義彦氏が率いるオリックス系に売るのかなどを問題視。日本郵政から申請があっても認可しない意向を表明していた。

政商宮内オリックス社長の規制緩和ビジネス

 宮内氏は、オリックスグループのトップとして経営を指揮するかたわら、政府の審議会に委員として参加。規制緩和委員会委員長や総合規制改革会議議長など、九六年から十年以上にわたり、一貫して規制緩和推進組織の中心を担っています。グループは規制緩和によって生まれた多くの新ビジネスにも進出。「規制緩和の旗振り役である宮内氏が規制緩和ビジネスで大もうけしている。公的立場を利用した巨大なインサイダー取引といわれてもしかたない」

いまや小泉改革の本丸といわれた郵政民営化とはなんであったのか問われている。政界では小泉改革の反動が力を増している。郵政民営化とは郵政公社には貯金と簡保の360兆円の資金があり、財政投融資を通じて特殊法人などに投資されている資金の流れを断ち切ることであった。それにより米国金融資本の要請に答えてこの資金を市場に開放することである。まさに小泉首相と竹中郵政大臣はアメリカのエージェントの役割である。


読書ノート 高橋洋一著 「さらば財務省!」 講談社

2009年02月06日 | 書評
財務原理主義から増税・大きな政府を図る財務省 第11回

郵政民営化と小泉改革ー経済財政諮問会議特命室、郵政システム構築、政策金融改革(2003年8月ー2007年9月) (1)

ここで再度内山融著「小泉政権」中公新書より小泉政権の郵政民営化の成果を振り返っておこう。「改革の本丸」といわれ小泉首相が最も情熱を注いだ郵政民営化である。当時の最大派閥で郵政族議員の巣窟であった橋本派を切り崩すために、1億円献金問題で橋本派の番頭野中氏を政冶活動引退へ追い込み、さらの橋本氏の弟高知県知事橋本大二郎氏のスキャンダル事件をでっち上げようとしたが是はあまりにお粗末で失敗した。この手あの手で小泉首相は国家権力機構を使って橋本派の壊滅作戦を続けた。幸か不幸か当の橋本元首相が病死したのをきっかけに、小泉氏は一気に郵政民営化に手をつけたようだ。郵政公社には貯金と簡保の360兆円の資金があり、財政投融資を通じて特殊法人などに投資されている資金の流れを断ち切ることは、特殊法人の整理や廃止に追い込み、膨大な国庫債務の元凶であった道路建設公団の民営化に追い込む戦略の一方の要であった。2001年6月首相の私的諮問機関「郵政三事業のあり方を考える」が発足して、2002年7月郵政公社関連法案が成立した。2004年6月経済財政諮問会議の「骨太の方針」で郵政民営化方針を出し、同年9月には「郵政民営化の基本方針」を閣議決定した。2005年4月に郵政民営化法案を作成して国会へ提出した。7月には衆議院を通過したが、8月多くの造反議員を出しながら参議院で否決され小泉首相は民意を問うとして直ちに衆議院を解散、9月の総選挙には大勝した。10月再度衆議院で2/3以上の賛成を得て民営化法案は成立した。郵政民営化の骨子は12007年10月郵政公社を4分割して株式会社とする。2政府は純粋持株会社を設立。10年間で株式を売却③職員は国家公務員ではなくなる④郵便事業には全国一律を義務つける⑤郵貯、簡保には民間会社と同様な法令を適用というものである。綿貫、平沼、亀井ら37名の反対票が出たり、「刺客」選挙という週刊誌を喜ばせる椿事に満ちた劇場型選挙が演じられた。

医療問題 「現場からの医療改革レポート」 JMM編集

2009年02月06日 | 書評
絶望の中の希望ー現場の医師は「医療崩壊」の現状をネットに訴える 第3回

序(3)

 2006年福島県立大野病院産科医逮捕を境に、特に昼夜を問わず地域医療に貢献していた医師の意欲は著しく低下し、負担の大きい(特に地域の)医療現場から医師が去るきっかけを作った。 また、地域の病院に医師を派遣している医局も、一つの科を一人で医療を行っている病院から医師を引き上げ集約化を行いつつある。 しかし集約化を行っても集約化した先で医師の退職が相次ぎ、その地方の医療が完全に崩壊するケースすら散見されるようになった。 初期臨床研修義務化を原因とした医師不足による医師の引き上げもおこり、急速に地域の医療体制が不備になるなどの事態が進行しつつある。 高度医療化に伴い高価格の医療機器導入の負担や、度重なる医療制度改革による診療報酬減少に伴う医療収入減少等により病院の倒産、自主廃業に追い込まれるケースが最近散見されるようになった。

今日の「医療崩壊」をきたした因子としては、次のような点が指摘されている。
医療民事訴訟
医療行政
初期臨床研修義務化
マスメディアによる恣意的報道
医療のコンビニ化
市民団体側の問題
医者の立ち去り型サボタージュ


自作漢詩 「旧友再会」

2009年02月06日 | 漢詩・自由詩
二月今朝特地     二月の今朝 特地に寒なり

何奇会友涙蘭     何と奇ぞ友に会う 涙蘭干

休憂白首残生事     憂を休めよ白首 残生の事
 
聞道紅顔行路     聞く道らく紅顔 行路難しと

●●○○●●◎
○○●●●○◎
○○●●○○●
○●○○○●◎
(赤い字は韻:十四寒 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)

CD 今日の一枚 バッハ 「教会カンタータ全集 第2卷 CD-12」

2009年02月06日 | 音楽
バッハ 「教会カンタータ全集 第2卷 CD-12」
ニコラス・アーノンクール指揮 コンツェンタス・ムジカス・ウイーン
ウイーン合唱団とソリスト アルト:ポール・エスウッド テノール:クルト・エクルーズ バス:ルード・フォン・デル・メール
ADD 1974 TELDEC

「心も魂も乱れ或わん」 BWV35
「喜びて舞い上がれ」 BWV36