医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

心筋梗塞後につまったままの血管に発症2日以降にステント治療しても予後は改善しない

2011年10月04日 | 循環器
Impact of National Clinical Guideline Recommendations for Revascularization of Persistently Occluded Infarct-Related Arteries on Clinical Practice in the United States
Arch Intern Med. 2011 Jul 11. [Epub ahead of print]
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)

2006年に、心筋梗塞後につまったままの血管に発症2日以降にステント治療しても患者の予後は改善しないという研究結果が出ましたが、その結果に基づいて米国心臓病学会と米国心臓協会は、「心筋梗塞後につまったままの血管に発症2日以降にステント治療することは推奨しない」と治療ガイドラインを改訂しました。

今年7月に発表された今回の論文は、そのガイドラインが発表される前と後で、そのような治療が減ったか調査したものです。

896施設の2万8,780人のデータが調査されました。年齢、性別、加入保険の件数などで補正した結果、ガイドライン改訂前後で、心筋梗塞後につまったままの血管に対する治療は減っていませんでした。

この論文の著者は、「心筋梗塞後24時間以降につまったままの血管に対するステント治療について、その試行を支持するエビデンスに乏しく、新ガイドラインでも施行しないように推奨しているにもかかわらず、施行され続けている。これは、多くの患者に対して有用性の低い高額な治療が施行されていう可能性があること、またガイドライン作成のための調査に費やした膨大な時間と労力が実際の医療に貢献していないことを意味している」と述べています。

まったくその通りです。

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