医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

アーチスト(心不全・高血圧症治療薬)は2.5mgでも10mgでも効果は同じ

2009年11月18日 | 循環器
米国心臓病学会は3日目を迎えました。

かなり以前に、ベータブロッカーと呼ばれる心不全・高血圧症治療薬が死亡率を減少させることをお伝えしました。
↓参考になさって下さい。
ベータブロッカーの内服は虚血性心不全の予後を改善する

米国心臓病学会議のブレイキング・ニュース、その2をお伝えします。

アーチストと呼ばれる薬剤は心不全に有効なのですが、どれくらいの量が日本人に適度なのかが、これまでわかっていませんでした。むしろ10mgぐらいまでは、できるだけ多い方がいいという意見もありました。

この研究では、心臓の機能が正常の半分以下に低下した日本人を、アーチストを1日2.5mg内服してもらう群と、5mg内服してもらう群、10mg内服してもらう群に分け、その後1年間の心不全の改善度が調査されました。

その結果、どの群でも心不全の改善度は同じでした。つまり、アーチストを心不全の治療に用いるなら1日に10mg内服しなくても2.5mgでいいということです。しかし、2.5mgの群では、5mgの群や10mgの群に比較して、心不全の改善度は同じですが、動悸などの訴えが多かったので、症状がある患者には5mgがちょうどいいのかもしれません。

アーチストを発売している製薬会社の人たちはがっかりしたことでしょう。
ちなみに、アーチストの1.25mgは1錠19円、2.5mgは32円、10mgは82円です。この薬価と比べると、昨日お伝えしたゼチーアがいかに高価かがおわかりになると思います。



さて、もうそろそろ帰り支度をしなければいけません。日本での仕事が溜まっていて、4日目は出席せずに帰国します。今は午前0時、明日は4時起きです。

↓なるほどなぁ~と思われた方!ここをポチッ、応援よろしくお願いいたします。1日単位で集計されます。一度ポチッとした方も、次の日もポチッ! 一日一善!
「ブログランキング」


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 悪玉コレステロール低下剤ゼ... | トップ | 新型インフルエンザの死亡率... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
インフルワクチン (不透明)
2009-11-23 20:40:19
はじめまして、何時も興味深く拝見しております。上記の記事とは関係無いコメントですが、新型インフル用ワクチンにはペット用の去勢ワクチンと同じ成分が含まれているいると言う情報は本当なんでしょうか?グラクソは勿論ノバルティスのワクチンも恐い?
返信する
はじめまして (トモ(高血圧食事療養中))
2010-03-16 01:46:49
私は以前高血圧薬を処方していただいていたのですが、
このアーチスト?(特定の薬名?)

以外の薬もグラム数にかかわらず薬効は一緒ということでしょうか、
返信する
他の薬剤にはあてはまりません (secondopinion)
2010-03-25 16:38:22
アーチストはベータブロッカーという分類に入る高血圧症に対する薬です。心不全にも効果があり生命予後を改善することが研究でわかっています。ベータブロッカーの中では、この「アーチスト」と「メインテート」の2剤のみが生命予後を改善することがわかっています。今回の結果は、他の薬剤にはあてはまりません。
返信する

コメントを投稿

循環器」カテゴリの最新記事