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医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

コーヒーの飲用は閉経後の55歳から69歳の女性の死亡率を下げる

2006年06月05日 | 生活習慣病
以前、コーヒーは26歳から46歳の女性の糖尿病を減らすことをお伝えしました。今回は比較的高齢者を対象とした研究の結果です。
Consumption of coffee is associated with reduced risk of death attributed to inflammatory and cardiovascular diseases in the Iowa Women's Health Study.
American Journal of Clinical Nutrition.2006;83.1039.
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

閉経後の55歳から69歳の米国女性41,836人で、登録時にガン、心臓病、糖尿病、大腸炎、肝硬変に罹患していた人を除く27,312人(すごい対象人数です)を対象として15年間(これもすごい)調査されました。

15年間の調査で41,836人のうち4,265人が亡くなりました。(死亡率はだいたい100人に10人でしたよという意味です)

死因が特定された死亡のみ調査してみると、上のグラフのように、毎日コーヒーを1~3杯飲んでいた人の動脈硬化性心臓病の死亡率は、コーヒーを飲まない人の0.76倍、4~5杯では0.81倍、6杯以上では0.69倍でした。グラフの中の白丸は非禁煙者、白四角は過去に15本/日未満喫煙していた人、黒三角は現在15本/日未満喫煙していた人、黒菱形は過去に15本/日以上喫煙していた人、黒四角は現在15本/日以上喫煙していた人です。

肺炎などの炎症性疾患による死亡率は、コーヒーを飲まない人と比較して毎日コーヒーを1~3杯飲んでいた人で0.72倍、4~5杯では0.67倍、6杯以上では0.68倍でした。

研究者らは「食事性抗酸化物質の主要供給源であるコーヒーの摂取が炎症を抑える可能性があり、他の調査でも証明されれば、全世界で2番目に広く消費されている飲料であるので、相当大きな意味がある」と結論づけています。つまり、全員がコーヒーを飲んでいない場合の死亡率が100人に12人ぐらいと仮定すると、全員がコーヒーを飲んでいれば9人ぐらいに低下させることができたということです。すごいです。

薬を好んで飲む人はいないでしょうが、コーヒーは嗜好品ですから飲んでいる人は好んで飲んでいるはずです。それで寿命が延びるのですから、とても意義のある調査結果といえます。

これらの結果の方向性が今後も同じなら(例えば、閉経後の女性にはいいけれど、若い男性ではコーヒーでたくさん死んでしまったというような結果が今後でないとすればという意味です)健康的なイメージでサプリメントを宣伝するブログでは、ビタミンCやビタミンEのサプリメントの宣伝などをやめてコーヒーを宣伝したほうがいいのではないかという感じもします。


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コメント (2)
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