橡の木の下で

俳句と共に

草稿05/27

2010-05-27 11:25:11 | 一日一句
赤外線受信若葉も結びたる  亜紀子

結葉
むすびば
若葉茂り、梢は成長し、新しい緑が打ち重なり結ぼれる風情
定期考査中で下校の早い子どもたちが
校門の桜の木の下で
携帯電話をくっつけ合って
待ち受け画面に見入っている

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草稿05/26

2010-05-26 11:33:18 | 一日一句
失せ物の出でて畳の梅雨湿り  亜紀子

雨がちになり
触れるもの皆どこか湿気を帯びる
水捌けの具合だろうか
迷い蟻が畳に上がっている
毎年のこと

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草稿05/25

2010-05-25 09:37:40 | 一日一句
座に入りし火虫手取りて訝らる  亜紀子

灯りに羽虫が集まってきて
夏の宵が来たと思う

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草稿05/24

2010-05-24 09:20:17 | 一日一句
梅雨きざす夜の雨音稿途切れ  亜紀子

屋根打つ雨音
屋根を落ちる雨だれ
青葉はじく雨音
青葉打ち渡る雨だれ
地に沁む雨音
石から石飛ぶ雨だれ

耳澄ます一夜

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草稿05/23

2010-05-23 10:05:28 | 一日一句
走り梅雨文のしめりに記しけり  亜紀子

書状の書き出し
ここに相手は居ないのだが
先ずは眼前の事柄が浮かび
あたかも共有しているかのように
空間も時間も断絶しているものが
繋がる錯覚


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