橡の木の下で

俳句と共に

名古屋橡会合同句集 『金の鯱』

2020-12-07 12:32:47 | 句集紹介
合同句集『金の鯱』

令和2年11月1日 発行
著者 橡 名古屋金の鯱会
印刷(株)伊勢清
定価 ¥1,500
送料 ¥180(1部)

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〒467-0803 愛知県名古屋市瑞穂区中山町4-8-16
三浦亜紀子

*私家版で数に限りがあります。
まずは、お問い合わせいただければ幸いです。



『金の鯱』あとがきより 抜粋   by伊與雅峯

考えて見ると名古屋橡会は、橡誌創刊以来続けていながら、自分の名称を持たず何の足跡も残して居ない不思議なサークルである。ところが、今年五月船橋市の中川郁三氏より『初心』誌を頂き、我々も此の様な会誌を作りたいと云う気運が高まり、俄かに作業を始めた。初めての事ゆえ、不慣れな事ばかりであったが、亡くなられた方、体調その他で止められた方も含める事、俳句だけでは中々読んでもらえぬから添書を付ける、文章も出来るだけ載せる等を加えようやく今日の出版にこぎつけた次第。メンバーに滋賀大学経済学部卒が多いのは卒業生親睦の陵水会で、友人後輩に声を掛け仲間に誘った為で、この会女性四名他は皆男性と云う珍しい句会である。亦名称は、ご当地名古屋は金の鯱鉾のお城が代表だけに「金の鯱」とした。
 我々は創始者堀口星眠先生の「本来詩の道は孤独であるが、それを超えて、同志の結合があれば、平凡な孤独の歩みでは得られない到達があるであろう」の言葉を信じ、詩心を大切に更なる向上を目指したい。


『金の鯱』抄

我が洗ひ山河が洗ふ妻の墓     臼井軍太
湧きつげる水の醒井淑気満つ    稲垣敏勝
向日葵の思ひ出泥のユニフォーム  青山政弘
ルビー婚南十字の星を見て     石橋政雄
1DK冬山装備あふれをり     伊與雅峯
組紐の駒の触れあふ音の秋     伊與孝子
仮設から新居得たとの春便り    大島一彦
夏に入る心の解除出来ぬまま    可児島いせ子
夏雲に身を乗り出して架線工    河村實鏤
かしこまる未来の婿や小鳥来る   片岡嘉幸
雪しまく栃の木峠越に入る     木村馨
ナイスショットしばし皸忘れをり  木村芳夫
雪かぶり並ぶ首塚桶狭間      久保昭
夢に見る卒業テスト比良八荒    倉坪和久
静座してめくる過去帳冬座敷    坂ノ下誠
鱈汁や座ぶとん古き家長の座    柴宗平
稲妻や精強井伊の赤備え      南野輝久
安乗木偶あやつる子等の玉の汗   西村恵美子
トラクター轍延びゆく牧の春    布施朋子
山かひの古き踊に月ひとつ     三浦亜紀子