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橡の木の下で

俳句と共に

「さへづり」令和7年「橡」5月号より

2025-04-29 19:21:44 | 俳句とエッセイ
さへづり    亜紀子

コート脱ぐひと日いかるも歌ひだし
瀬に沿へる一木一草芽吹きをり
頬紅色おかめ桜は満開に
一冬を玻璃に過しし蝶生る
レントゲン廊に待ちをる寒戻り
寒葵咲くやよくよく屈み見る
花の木の花の紅兆しをり
薔薇の芽や乙女園丁仕へをる
しびびいと昔鳴らしし野豌豆
桃の日や赤子は指をひらきそめ
名を呼べば微笑む赤子春すすむ
さへづりのやうに赤子のひとりごつ
一心に手指使ふ子あたたかし
かたばみのやうに赤子も首もたぐ
おほかたの問に解なし霾晦

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