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橡の木の下で

俳句と共に

「呟き」平成26年『橡』1月号より

2013-12-27 10:18:21 | 俳句とエッセイ

 呟き  亜紀子

 

今朝はやや遅き鶲の来てをりぬ

裏道も水木もみぢの回廊に

結ぼれつ車窓を伝ふ冬の雨

木の実食ふ鵯の饒舌したつづみ

霜月の蝶もの食はず眠るなり

冬日向はつかに蝶の息づかひ

帰るさの野をけぶらする冬落暉

黙しをる時もあるなり目白どち

竿引いて水面の錦やや崩れ

冬来たり風が棲みつく鎮守さま

まはり道してひともとの冬桜

鼻鳴らす犬と相席暖房車

谷ごとのたわわの柿の渋ならむ

もの販ぐ電飾寒し軽井沢

小春日の呟きひとつ浅間山

黙然と落葉積むのみキャンプ場

 

 

 

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