選後鑑賞 亜紀子
一席
富岡 小六 齋藤樹
秋天や城の石がき何百年
秋の青空は高く、見上げた城の石がきも大きく高く、ゆるがぬ様子が感じられます。簡単なことばで歴史を見せてくれました。
二席 吉岡 中二 飯田誠
産卵の鮭音立てて飛んでいる
産卵のために故郷の川をさかのぼる鮭の様子が力強く描かれています。しぶきを上げて飛ぶような勢い。
三席 吉岡 中二 熊谷百乃佳
柿むけば犬が欲しがり半分こ
「半分こ」のことばで日頃家族同様に暮している犬の様子が見えてきました。柿を持つ手を今にもなめられそうです。
佳 作
もくもくとすみ火のさんまいいにおい 東京 小二 厚地美彩子
コスモスが風とダンスをおどってる 横須賀 小二 鈴木なのは
きそい合う着かざるドレス菊の花 東京 小五 田口煌太郎
窓を開け鈴虫の声聞く毎夜 吉岡 中一 野口 佳葉
もみじの葉トンネルみたいに続いてる 名古屋 小三 奥園 光香
温泉の中でいっしょにおよぐ紅葉かな 岐阜 小六 豊田 椎乃
話し込む友の頭に鴨脚散る 岐阜 中二 豊田 風露
稲雀鳴くわ鳴くわで目を覚ます 岐阜 中二 豊田 風露
さみしさや最後の一つ花火散る 福岡 小五 大野 慈峰
虫たちはどこにいったの東京の 東京 小五 鳥越 大暉
虫のうた木からきこえる音がく会 東京 小二 鳥越 晴椛
入 選
えんそくでシャリッとおちばの音がくたい 可児 小二 庄田 小春
柿の実が夕日のごとく橙に 吉岡 中一 大武 鈴菜
新鮮な林檎は果汁ぎっしりだ 吉岡 中一 高橋 更弥
寒いなか林檎の頬も赤くなる 吉岡 中一 星野結希美
庭を出て向かいの塀に柿が乗る 吉岡 中一 近藤 晃平
林檎食べ頬も真っ赤に染まりだす 吉岡 中二 瀧川 光城
柿みんな夕焼け色に染まったよ 吉岡 中二 飯田 誠
秋の夜こおろぎたちの大合唱 富岡 小五 猿谷 柑太
冬の朝スープを飲んで温まる 富岡 小五 高田 早菜
さむい日はいきが白くてきりのよう 富岡 小五 武田 留妃
かれ葉おち冬がくるよとあいずする 富岡 小五 吉水 皓南
まどあけて耳をすませば虫の声 富岡 小五 齋藤 由汰
冬が来る毎日毎日さむい日が 富岡 小五 今井加奈飛
木の葉っぱもみじが落ちてじゅうたんだ 富岡 小五 赤見 俊輔
もみじたち地面におちてさわいでる 富岡 小五 味寺 航矢
冬がくる寒さにそなえてじゅんびする 富岡 小五 工藤亜莉紗
もみじ山地面はまるでじゅうたんだ 富岡 小五 桐生 美来
夕やけにひらひら舞うのは赤とんぼ 富岡 小六 伊藤 健吾
夕やけが山とかさなり美しい 富岡 小六 落合 拓馬
秋の山赤と黄色でいっぱいだ 富岡 小六 加藤 陽奈
きれいだなぁ花火のようなひがんばな 富岡 小六 佐藤 匠
街中でたいこたたいてお祭りだ 富岡 小六 新藤 優
ゆうやけでそろそろおわるお祭が 富岡 小六 柳澤 暁斗
焼きいもはかれ葉で焼くとうまそうだ 富岡 小六 髙橋 勇吹
ぎんなんにけらけらわらうつうがくろ 東京 小一 榑松すず香