3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

海軍中佐工藤俊作の話:敵国の漂流乗組員422名救助 in 1942

2013-01-19 14:26:13 | 現代社会論
工藤 俊作、1901年(明治34年)1月7日 – 1979年(昭和54年)1月12日)出生は、山形県東置賜郡屋代村、海軍中佐。1942年3月、駆逐艦「雷」艦長時、スラバヤ沖海戦で撃沈された英国艦船の漂流乗組員422名の救助を命じ実行させた人物として有名。

全く偶然なのだが、you tube を見ていて、工藤俊作の話をみた。

戦争の話は山ほどあるが、なかなかよい話である。

工藤は海軍兵学校だから、陸軍よりはずっと紳士的で人道主義者だったのだろう。
海軍はどちらかというと数学ができてスマートなイメージ。だが、工藤は巨体でやぼくさい容貌である。
しかし、殺るかやられるかのぎりぎりの状態にあって、敵国の漂流乗組員を422名も救助したという最終判断は素晴らしいと思う。

武士の情けというものである。
武士の情けとは、古風であるが、つまり、紳士的な振る舞いということであり、ぎりぎりの状態にあっても冷静に敵の兵士の命をも大切にできる、そういう判断をくだせる、という行動様式である。

最近はそういう行動様式は消滅しているようである。
やられたらやり返せとか徹底的に掃討、打ちのめすとか。

混んだ電車では、席を譲ることもせずに我先にと脱兎のごとく席を奪い合い、高齢者は立ち尽くす、というような風景が日常化している。ベビーカーをどけどけとぐいぐいと押しまくる若い母親、日本中冷たい空気である。とくに都市部においての現象なのか、殺伐とした風景だ。品格のある言葉と行動は消滅しつつある。消費者としてのお客は大切にするが、金にならなければ突然冷たい。マニュアル化する日本人の行動、こんなとき、工藤俊作の話は光明である。

しかし、日本人のみがすばらしい民族だなどとは言うまい。どの国にも素晴らしい人はいるものなのである。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Finlandia Hymn (Sibelius)

2013-01-19 14:05:55 | 音楽ノート
このところ高齢の知人が立て続けになくなって、悲しい。
寄る年波とはいえ、お世話になった人々が次々と鬼籍に入ったという報をうけるとしんみりする。

昨年は、9月、11月、12月と訃報がはいった。

9月に亡くなった知人が書いたエッセイを何気なく最近読む機会があった。ずっと実家の本箱でホコリをかぶっていた本だったが、久しぶりに読んでみた。この本が書かれた当時、私はその本を、忙しかったからだろうか、じっくり読むこともせずに放っておいた。今、改めて読んでみると、生前のその人の姿が偲ばれ、心打たれる。

北欧が好きだったその人を偲んで、今日はフィンランディア。
舘野泉×吉松隆のアルバムから、左手のための三つの聖歌より、シベリウスのフィンランディアである。


讃美歌298番である。

(Be Still, My Soul / Finlandia)
安かれ、我が心よ
主イェスは ともにいます
痛みも 苦しみをも
雄々しく 忍び耐えよ
主イェスの ともにませば
耐え得ぬ 悩みはなし

安かれ、我が心よ
波風 猛るときも
父なる 天つ神の
御旨に 委ねまつれ
御手もて 導き給う
望みの 岸は近し

安かれ、我が心よ
月日の 移ろいなき
御国は やがて来たらん
憂いは 永久(とわ)に消えて
輝く 御顔仰ぐ
命の 幸をぞ受けん

お亡くなりになった方々のご冥福をこころよりお祈りしたい。
フィンランディアを捧げたい。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする