今日はとても寒いのである。
きのう東京は桜の満開宣言がでたのだが、この寒さでは桜も凍えてしまいそう。
来週、友人とお花見に行く予定なので来週まで散らないようにと願っている。
お花見といえば、徒然草
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花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情け探し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ。歌の詞書にも、「花見にまかれりけるに、早く散り過ぎにければ。」とも、「さはることありて、まからで。」なども書けるは、「花を見て。」と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾くを慕ふならひはさることなれど、ことにかたくななる人ぞ、「この枝、かの枝、散りにけり。今は見どころなし。」などは言ふめる。
よろづのことも、初め終はりこそをかしけれ。男・女の情けも、ひとへにあひ見るをば言ふものかは。あはでやみにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、遠き雲居を思ひやり、浅茅が宿に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ。
望月のくまなきを千里のほかまで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。椎柴・白樫などの、ぬれたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、心あらん友もがなと、都恋しうおぼゆれ。
すべて、月・花をば、さのみ目にて見るものかは。春は家を立ち去らでも、月の夜は閨の内ながらも思へるこそ、いとたのもしう、をかしけれ。よき人は、ひとへに好けるさまにも見えず、興ずるさまもなほざりなり。片田舎の人こそ、色濃くよろづはもて興ずれ。花のもとには、ねぢ寄り立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒飲み、連歌して、果ては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪には下り立ちて跡つけなど、よろづのもの、よそながら見ることなし。
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花は散りぎわがよいのである。男女の中も成就しなかった恋のほうがずっと思い出に残るものである。
無粋な人は花のもとに、にじり寄り近寄って、わき目もふらず見つめて、酒を飲み、連歌をして、しまいには、大きな枝を、考えなしに折り取ってしったりするようだが、吉田兼好はそれは良くないといっている。すべてのものを、遠くからそれとなく見ることこそ趣があるものなのだ。
来週のお花見はどうだろうか。少し散ってしまって、遠くから春のなごりを味わうことができればと思うのである。
きのう東京は桜の満開宣言がでたのだが、この寒さでは桜も凍えてしまいそう。
来週、友人とお花見に行く予定なので来週まで散らないようにと願っている。
お花見といえば、徒然草
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花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、たれこめて春の行方知らぬも、なほあはれに情け探し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ。歌の詞書にも、「花見にまかれりけるに、早く散り過ぎにければ。」とも、「さはることありて、まからで。」なども書けるは、「花を見て。」と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾くを慕ふならひはさることなれど、ことにかたくななる人ぞ、「この枝、かの枝、散りにけり。今は見どころなし。」などは言ふめる。
よろづのことも、初め終はりこそをかしけれ。男・女の情けも、ひとへにあひ見るをば言ふものかは。あはでやみにし憂さを思ひ、あだなる契りをかこち、長き夜をひとり明かし、遠き雲居を思ひやり、浅茅が宿に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ。
望月のくまなきを千里のほかまで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。椎柴・白樫などの、ぬれたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、心あらん友もがなと、都恋しうおぼゆれ。
すべて、月・花をば、さのみ目にて見るものかは。春は家を立ち去らでも、月の夜は閨の内ながらも思へるこそ、いとたのもしう、をかしけれ。よき人は、ひとへに好けるさまにも見えず、興ずるさまもなほざりなり。片田舎の人こそ、色濃くよろづはもて興ずれ。花のもとには、ねぢ寄り立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒飲み、連歌して、果ては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪には下り立ちて跡つけなど、よろづのもの、よそながら見ることなし。
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花は散りぎわがよいのである。男女の中も成就しなかった恋のほうがずっと思い出に残るものである。
無粋な人は花のもとに、にじり寄り近寄って、わき目もふらず見つめて、酒を飲み、連歌をして、しまいには、大きな枝を、考えなしに折り取ってしったりするようだが、吉田兼好はそれは良くないといっている。すべてのものを、遠くからそれとなく見ることこそ趣があるものなのだ。
来週のお花見はどうだろうか。少し散ってしまって、遠くから春のなごりを味わうことができればと思うのである。