3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

惨憺たる日本の教育―教育学部の偏差値の低さ

2012-04-30 17:40:57 | 現代社会論

松本徹三氏の2012年04月30日付のブログで「産業の国際競争力の高め方」を読んだ。

教育のあり方に言及していた。

1)先ず、槍玉に上げるべきは「教育」だ。小・中学校や高校では、「きちんと自分の頭で考える自立した人間」を育てようとしていない。(教育の話になるといつも出てくる「国旗や国歌を尊重する教育」も勿論必要なことは認めるが、それ以上に重要なのはこれだ。)更に、細かい事を言うなら、英語やコンピューター・テクノロジーの教え方も、現状では酷すぎる。

2)大学教育(現在の小・中・高生やその親の最大の関心事である「受験技術の競争」が終わった後の教育)はもっと酷い。日本の大学生は平均すれば米国の大学生の半分も勉強していないだろう。「問題解決」の基本トレーニングを受けている新卒の学生は少なく、プレゼンテーションやディベートの技術も殆ど学んでいないので、就職しても即戦力にならない。


1)の小中、高校の英語教育、コンピューター・テクノロジーなどの教育内容は最悪である、という指摘は的を射るものである。(個人的には、国旗国歌はこの際問題にしたくないが。)

日本における「教育学部」の学生のレベルの低さが日本全体の教育水準のレベルを下げているのではないかと思うのである。だいたい出来る高校生、いわゆる偏差値が高い高校生は、文系なら政治・経済・法に、理系なら理学部か工学部に進学するものである。それが常識的な進路選択だと思う。そして小説家をめざすくらい文学青年なら文学部だろう。そこをあえて教育学部を選ぶのはどんな高校生なのかと思うのである。教育免許などどこの大学でも取れるようになっているから、わざわざ教育学部に行く必要はない。初等教育に従事したい人はもちろん教育学部にいくのが一般的であろうが、そう多くはないのではないと思われる。教育学部を卒業して小中高の先生になった人は、国語、理科、社会、英語・・・専門的教育は受けずに教育者としての素養を身につける教育を優先して受けてきているので、ちょっと???なことが多い。子どもにわかりやすく教える、しかも指導要領に沿ってが基本なので、アカデミックな議論や答えのない探究、国際的視点などというスタンスは期待できない。もちろん、教育学部には優秀な女子が多いこともよくわかっているので、語弊があるとは思うが。

現実には英語もできないし、ITもわからないのが多い。
こんな先生に教わったんじゃ、国際競争力なんか育つ訳がない。と思った親たちで余裕のある親たちは我が子を私立に通わせているのだろうけど、それでは底上げにはつながらない。

教員養成課程のあり方を見直し、高度な專門性と国際感覚を身に付けた先生を公立学校に大量に輩出しなければいけないのではないかと思う。

そういうハイレベルな小中高学校の先生には高い給料を払う。
それが日本の教育を蘇させ、国際競争力をつける基礎をつくるために必要な教育政策である。

そのために増税するなら賛成だけど。

2)の大学教育のあり方については別の機会にゆずりたいが、すくなくともこれだけ言っておきたい。

 大学にはどうしようもない名ばかり大学生が大量に入っているので、大学の先生はお気の毒である。研究より、学生の子守。
 これでは国際競争力のある研究はできないということ。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

榊原英資「松下政経塾内閣で大丈夫なのか」に100%同意する

2012-04-27 11:14:28 | 現代社会論
2012年04月18日付榊原英資氏の
「松下政経塾内閣への不安と憂鬱」を読んだ。大蔵省、財政金融研究所所長、国際金融局長、財務官経験者の発言に
100%同感である。

政治屋のお友達内閣、
民間企業で働いたこともなく、国家公務員として正当派の官僚の修行をしたこともない。こんな人たちに政治をやらせたら質はおのずと低下するというものである。

榊原氏は次のように述べる.
長文引用、寛恕

 「現在の内閣は総理、外務大臣、政調会長など、主要閣僚や党の中枢が松下政経塾出身。別に政経塾だから悪いというわけではないが、若いときから政治家を目指し、政経塾から県会議員などを経て、国会議員、そして閣僚や総理というコースが定着してきている。政治一筋が必ずしも問題というのではないが、民間企業や行政の経験も全くなく、またそうした分野での人脈もない。かつての総理たちは民間、あるいは行政の経験を持った人たちが多かった。池田勇人は大蔵次官、田中角栄は自ら企業をマネージしていた。
 これに対し、政経塾出身の政治家たちは選挙や演説のプロではあるが、企業経営も行政も知らない。日本の政治システムでは閣僚の半数までは民間から非政治家を任命できるが、それも現在は行われていない。また、自民党時代は経済財政諮問会議などで民間の経営者も巻き込んで政策の議論がなされていたが、それもこの政権ではなくなってしまっている。
 要するに、松下政経塾「お友達」内閣なのだ。しかも、財務・外交・防衛などの担当大臣はいずれもその分野の素人。財務大臣の安住淳は元NHK政治記者。国対委員長や防衛副大臣の経験はあるが、過去に経済関係のポストには就いていない。本人も防衛大臣就任を予測しいて、財務大臣就任は驚きだったという。また、初入閣で財務大臣というのも異例だ。
 玄葉光一郎外務大臣も地方行政には精通しているが、外交は初めて。防衛大臣田中直紀も農林水産には通じているが、防衛は全くの素人。就任直後のテレビ出演で、国連平和維持活動における武器使用基準と武器輸出三原則の見直しを混同し失笑を買った。いずれにせよ主要閣僚がいずれもその分野の素人というのではどうにもならない。民主党の中にはそれぞれの専門家もいるのに、なぜ素人を任命したのだ。
 野田、玄葉、前原はいずれも松下政経塾出身。前総務大臣の原口一博も、現在、幹事長代行の樽床伸二も塾出身だ。政経塾出身の国会議員は38人。全卒業生248人の15%強を占める。別に松下政経塾が悪いというわけではないが、20代から政治家を目指す(政経塾の平均卒業年齢は28歳) 人たちを筆者はあまり信用できない。
 多くの大学卒業生たちは、20代は企業や行政で下積みの仕事に従事し、やがてその道の専門家に育っていく。20代から演説を覚え、選挙を目指すような人たちが本当にいい政治家なのだろうか。企業や行政の経験もない政治一筋のいわば政治屋ではないのだろうか。
 少なくとも総理や閣僚たちには民間経済や行政を十分知ってほしいし、また、それぞれの分野での人脈も必要だろう。経済も行政も知らない素人政治化を大量に作り出している松下政経塾は結果として日本の政治家の質を低下させ、日本の民主主義を堕落させたのではないだろうか。」


行政職で働いたこともなく、企業人としてまともに働いたことがない人間が政治をやる、たまにはそういう人もいてもいいだろうが、こればっかりでは、当たり前だが、素人集団と化すに決まっている。基礎知識確認テストをしないといけなくなってしまうだろう。国Ⅰや一流企業で働いたことがあるというのは、それなりに専門家としての蓄積があることを証明するものである。そういう人こそ政治の世界に転身、働いてもらいたいと思う。

政経塾出身はもういらないのではないだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松本和将/ショパンへのオマージュII

2012-04-26 08:32:44 | 音楽ノート
松本和将/ショパンへのオマージュII を聴いています。

暖かい人柄が滲み出ているアルバム。
ショパンと真面目に対峙している。
とくにピアノソナタ第3番が良いですねえ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公務員を減らしてはいけない

2012-04-25 11:26:22 | 現代社会論
公務員が目の敵になっているようだ。
しかし、公務員を減らしてもなにもいいことはない。しかも、若い公務員の採用を削減するなんてとんでもない。
政治家集団は国家公務員になれなかったコンプの塊なのだろうかと思う。
どの国も有能な官僚によって支えられているのだ。

問題は有能な公務員を使いこなせるかなのである。

どうしようもない役所のおじさんしか知らない普通の人は有能な官僚集団の仕事ぶりをみることはないので、うさばらしのように「安定した公務員」をたたこうと思うのかもしれないが、これこそ自殺行為である。

おおくの若者を公的な機関で雇い、安定した仕事を与えよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松本和将さんのピアノの奥深さ

2012-04-22 11:42:45 | 音楽ノート



注目の若手ピアニスト松本和将さんのCDは何枚も持っているが、一番最初に出た「ヴォーカリーズ」からすごく良い。ラフマニノフとリスト、若いのにすごく洗練された演奏。

2003 エリザベート王妃国際コンクール第5位(日本人最高位)なのだから才能溢れる人材なのはいわなくてもわかる。
そもそも19歳の藝大在学中に毎日音コンで一位となったところからすでに逸材であることは誰もが認めるところだろう。

その後順調にぐんぐん伸びて自由に本当にのびのび表現している。
とにかく音が美しくそして、深くて優しくて哀しいのだ。ぜひ多くの人に聞いてもらいたい。

5月の新宿文化センターの「ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43」がとても楽しみだ。


今日は寒くてまるで冬に戻ったようです。
暗く雲が重くたれこめた休日には、
モノローグをオススメいたしましょう。癒されると思います。

『モノローグ』
松本和将

1.(ショパン)/パラード 第1番 Op.23
2.(チャイコフスキー)/10月 "秋の歌"
3.(ショパン)/ノクターン 第15番 Op.55 No.1
4.(チャイコフスキー)/6月 "バルカローレ"
5.(ショパン)/ノクターン 第13番 Op.48 No.1
6.(ショパン)/ノクターン 第14番 Op.48 No.2
7.(ショパン)/バラード 第4番 Op.52
8.(チャイコフスキー)/1月 "炉ばたにて"
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする