邦栄堂書店。神奈川県鎌倉市雪ノ下1-8。左:1989(平成1)年6月5日、右:2001(平成13)年11月4日
現在は「邦栄堂書店」が入っている若宮大路に面している建物だが、撮影時はなんだった分からない。看板も写っていないから空家なのかもしれない。
変わった意匠の看板建築である。角にある柱を立てたような装飾は洋風の看板建築として他にもありそうだが、正面の壁はボール紙をカッターで窓を切り抜いて貼り付けたようで、かなり斬新な感じがする。今は窓を白いボードで塞いでしまったので余計に紙細工に見えてしまう。いったい竣工時からこのデザインだったのだろうか。
1989年の写真ではまだ窓を塞いでないので窓枠が見えている。昔は大きな窓ガラスの製造が難しかったのだろう、たいてい桟で小さく区切っているのだが、この家の窓も戦前のデザインの桟である。この窓と平面を切り取ったような壁面とはけっこう似合っている。
左の写真は角の造作が電柱に隠れてしまった。今は、電線は地下に埋設したらしく若宮大路では電柱は見当たらない。写ってしまった2本の電柱と煩い電線も「記録」ということで……。
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