ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



明治屋ビル。中央区京橋2-2。左:1985(昭和60)年4月14日、右:2009(平成21)年11月15日

中央通り沿いの京橋1~3丁目では唯一になってしまった戦前築のビル。もしかしたら中央通り沿いに限らず京橋1~3丁目で唯一かもしれない。すっきりとして全体のバランスもよく、見て気持ちのいいビルである。
設計=曽禰中条建築事務所、施工=竹中工務店、構造=SRC8階・地下2階、竣工=昭和8年。イタリアンルネサンス様式を下敷きにしたデザインという。1・2階は他の古いデパートにも見られるファサードだ。「アメリカ型オフィスビル」とも言われる。ニューヨークなんかもでよく見かける形なのだそうだ。
右写真は今、駐車場になっている空地からビルの北側を撮ったもの。正面と同じだった。


京橋千代田ビル
京橋2-1。1983(昭和58)年8月21日

明治屋ビルの北隣にあったビル。この大きなビルが明治屋ビルよりも先になくなるとは不可解である。『建築作品データベース>京橋千代田ビル』では「設計:大成建設本社設計部。施工:大成建設。発注者:千代田生命保険。竣工:1981年2月。着工:1978年6月。地上12階地下4階」。1986年の住宅地図では「千代田生命、千代田火災、中外製薬・郵便局、千代田ビルサービス」の記載である。
東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行(2009.02.01)』に「京橋2丁目西地区再開発」の記事がある。京橋千代田ビル(当サイトでは「京橋MTビル」)の写真が載っていて、ビルの解体が2006年末頃からであることが分かる。生保の大手だった千代田生命が倒産したのは2000年10月だった。この巨大なビルが完成してから25年で取壊してしまったわけだ。
京橋千代田ビルが建つ前は、『総覧』にある「千代田生命館。T12頃。4階建。設計=横河工務所。施工=大倉土木?」だったはずだが、火保図では千代田生命館は7階建て。目にはしているはずだがどんなビルだったのか記憶がない。
『総覧』には、同番地(中央区京橋2-2、現・京橋2-1)に「千代田生命2号館(旧須原屋書店)。S3頃。RC4。設計=山中節治。施工=高山組。備考=表現派風ディテール。「建築世界」23巻、山中節治画同建築のパースによる」が載っている。興味を引かれるが、火保図ではどの建物になるのか分からなかった。

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