ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



秀吉ビル。中央区銀座5-5。左:1986(昭和61)年5月11日、右: 1987(昭和62)年5月31日

前の通りは銀座の並木通りである。『日本近代建築総覧』に「建設年:S3、設計者:三沢良三、施工者:日本鉄筋ブロック合資会社」となっている。
『東京百話(人の巻)』(種村季弘編、ちくま文庫、1987年)に丸山三四子の「東京マネキン倶楽部」というタイトルのエッセイが収録されている。原典は時事新報社の『マネキン・ガール』(昭59)という本である。筆者は昭和6年に上京してきて、秀吉ビルに事務所を置いていた東京マネキン倶楽部のマネキン・ガールを勤めた人である。そこに少しだけだが秀吉ビルに関して書かれているので紹介する。
「秀吉ビルを建てたのはアメリカ帰りの歯科医で、2階にあった東京マネキン倶楽部の向かいで秀吉歯科医院を開業していた。帝国ホテルに泊まった外人がホテルからの紹介で来るような医院である。4階に秀吉氏の住居があったが、やがて新宿に自宅を建てて移った。」という内容である。
上の写真には「労働大臣許可/銀座マネキン紹介所」の看板がかかっている。東京マネキン倶楽部と関連があるのかどうかわからないが、歯科医院もやはり入居しているのが面白い。


2002(平成14)年5月4日

左の写真では秀吉ビルの北にあったプリンスとketelsがビルに変わり、南の坂口ビルの外壁が改装されている。

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