るりこんの気が付いたらの日記

あるアマチュア声楽家の忘備録とつぶやき

ウィーン宮廷歌手レッスン

2017-08-08 08:26:00 | 声楽(レッスン)
住む世界が違うので当然なことだけど、国内クラシックのプロの世界の価値観で生きている先生がアマチュアの本質を理解して教えることには限界があるような気がしたので、ウィーン国立音楽大学でも教鞭をとられているというソプラノ歌手のレッスンを4回ほど受けた。

曲目は、
①スカルラッティ「すみれ」
②プッチーニ「ボエーム」私の名はミミ
③モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」ひどい?ああ、言わないで愛しい人よ
④ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」天使
⑤ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」悩み
⑥ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」夢
事務局から曲を多めに出してくれ、と言われていた。


まとめとしては、こんなところ。
①もっと心からエネルギッシュに!
モーツァルトとかドイツ・リートのような淡々と歌うイメージのものまでそのような要求をされた。
他の受講生も同じようなことを言われていた。能面のようだと。これは日本人として生まれてきた以上、言われ続けることなのだろうと感じた。

②ブレス長すぎ(呆笑)。しっかり息を吸って流すこと
これはL先生も良く言っている

③ドイツ語は、言葉をはっきり。特に母音のo、uとウムラウトは違いがわかるように発音すること
多分、日本人にはこれが大変なんだと思う。普段のレッスンで指摘されることはまずないが。

④ドンナ・アンナよりもっと基礎固めになるような選曲をしたら良いのでは?例えば、デスピーナとか。
「基礎固めになる選曲」って、私だって教えて欲しいけど、大体「好きなアリア持ってきて」と言われてしまうんだよね~。でも「デスピーナ」というのは意外すぎる。
おそらく、日本人の中で私の声は重い方だと思うけど、ヨーロッパ人の中ではそうではないのだと思う。
逆に私にデスピーナを指導してくれる日本人の先生っているかな。

⑤良い先生に恵まれていないのですね
「彼に見てもらっては?」と聴講者の男性を指さした。どうやらウィーンに留学したことがあり音大生のコレペティをやっている方のようだったけど、ご本人は「普段、他の先生についているのですから」と遠慮がちな反応だった。
連絡先くらい聞けば良かった。
伴奏者兼通訳は、「音大の先生についているのですか?」という質問をしたが、「音大卒の先生」という意味か「音大で教えている先生」という意味なのか、「音大時代の先生」というのかちょっと不明。「音大時代の先生」という意味だったら「音大卒に見えた」ということでちょっと嬉しいかも。

4回のレッスン終了後は、「すごく良くなったので驚いている。自分も嬉しい」というコメントをいただいた。


他の方のレッスンも何度か聞いたが、音大受験生、音大生、アマチュアとバラバラだった。
音大生に対しては、「なるべく早くウィーンに行くこと」と言われていた。
やっぱり早い内に良いレッスンを受けるということがいかに大切なことであったのか、ということを感じてしまった。

年に1回くらいは、ヨーロッパからいらした方のレッスンを受けられれば良いな。