上砂理佳のうぐいす日記

楓ギャラリーのグループ展、多くの方にお越しいただき誠にありがとうございました。励みになりました★

人生を否定しないこと★

2024-05-06 | うぐいすよもやま日記
退院後、姉から、
「癌は生活習慣病が原因なんだから、これをチャンスと捉えて、人生をリスタートさせればいい」
という意味のことを言われました。
これ、私にはショックでした。
個人差はあるでしょうが、全然「励まし」になってません。
「かわいそうかわいそう」も嫌ですが、「頑張れ頑張れ」も閉口します。
仕事と介護で頑張ってきたのに、これ以上何を頑張れというのか。
また、「生活習慣に問題があったから癌になった」「ストレスで癌になった」というのも、自分自身で自覚するなら解りますが、他人に言われる筋合いはありません。
私も今まで心の中で、癌になった友達に「彼女は健康にも気をつけるタイプだから、やっぱストレスが原因かなあ」と思ったことはあります。
でも絶対、本人にそれは言いません。そんな失礼な話はない。
まるで「ストレスに負けたから病気になったのよ」と言われているようなものです。
それは、頑張ってきたその人の人生を、否定するものです。
主治医にも言われましたが、医学的にも癌の原因は「本当のところわからない」のです。
全ての人間の生活習慣を生まれた時から記録して、長い期間比較研究した上で出た結論ならわかりますが、そんな学者や医者はこの世にいない。だから「推測」の域を出ない。

「癌に勝つ!」とか「克服!」とか「生還!」とか。
派手なタイトルで有名人や現役医師の方とかが、闘病本を出しています。
でも、「病気に打ち勝ったから偉い人」なのか、じゃあ「打ち勝てず亡くなった人」は敗者なのか。
そんな短絡的なイメージで語れるものではありません。
仕事のブランクで収入減、家族を養う、などで、有名人は出版本や講演会で稼ぐ必要があります。それは自由で、「打ち勝った人」の発言は、勇気を与えてくれたりもします。
でも、みんながみんな、「癌と闘って勝つ!」人にならなくても、いいじゃないですか。
私は前から「闘わないで粛々と死のう」タイプでした。
さすがに「今死ぬ」のは猶予が無さすぎるので、もうちょい生きるために、そこそこは頑張ろうと思います。
でも、「何が何でも生き延びてみせる!」「勝ってやる!」とは、思えないのです。今は。
人間の身体とか運命は、「思うようにはいかない」感が強いから。

そのうちに、もっと執着心が出てくるのかもしれません。その変化も良し。変化無しも良し。
でもとにかく、「そんな弱気でどーする!ほら、前を向いて!」なんて言ってくる人とは、距離を置きます。ストレスにしかなりません。
一番ありがたいのが、「何か自分に出来ることがあれば助けるよ。言ってね」という言葉です。
私も友達をそういう風に、助けられたらいいな。
なぜなら患者本人は、いきなり想定外の航路を進むことになり、これからどうすればいいのか戸惑っています。
そんな時に「難破しかけたら助けるから」と言ってもらえたら、これほど心強いことはありません。
出来る出来ないは別にして、言葉のチョイスは大事なのです★
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